痛風の原因としては、世間一般では
プリン体の多い食品の摂り過ぎ、だとか、
ビール飲み過ぎ、だなんて考えられていますが、
実際は、そんな単純なものではありません。
体質など、先天的な要因も含めて、
たくさんの要素が痛風の原因となっています。
「遺伝」
この言葉が大きな壁のように目の前に
のしかかってきます。
遺伝じゃないのなら、どうして
中学生で高尿酸血症になったり、
高校生で痛風になったりするのでしょう。
親から貰った体質をハンディだなんて
考えたくもないですが、現実はシビアです。
だが、絶望するのはまだ早いです。
持って生まれた体質という先天的なものだけで、
全てが決まるわけじゃありません。
後天的なもの、すなわち、
生活習慣を改善することによって、
痛風発作があまり起こらないようになったり、
起こっても軽く済んだり、怖い合併症のリスクが
遠のいたり・・など、自助努力で
決められた道(?)から外れていくことも充分、可能です。
ですが、対策を立てるにしても、
何が痛風の原因になるのか、元凶は何なのか、
知っていなきゃ、ね?
さて、痛風の原因って何?
プリン体なんでしょ?
実は、いろいろ要因があるのですが、
プリン体の多い食品の摂り過ぎは単なる、
その原因の一つに過ぎません。
じゃあ、他にどんなものが?
あまり、知られていないのは「ストレス」です。
ところで、
ストレスで痛風発作が出ることはあるのです。
これは・・・ホント!?
ホントですよ。
けど、なんか、ストレスって、
あんまり痛風のイメージじゃないですよねえ?
でも、実は関係、大アリ、なのです。
人間が生きていく上で、ストレスとは
避けられないものです。特に仕事をしていると、
大なり小なり、嫌なできごとの連続です。
仕事のお給料とは、我慢料だ、
という人もいるくらいですから。
ところが、人間の体というのものは、
いっけん、関係ないようですが、
心と体が密接に繋がっています。
ほら、いや~な出来事がこれからある、と
わかっているときに、お腹が痛くなったり、なぜか
頭が痛くなったりすることがあるでしょう?
全部、関係あるのですよ。
症状の酷い人は、吐いたり、震えが起ったりしてね。
これは、なぜか?
強いストレスを受けると、人間の体は
交感神経優位といって、かんたんにいえば、
体が緊張状態になるわけです。
ちなみに、その反対のリラックスした状態では
副交感神経優位となるのですが、その話はまた、今度。
で・・
強いストレスを受けて、体が緊張すると、
同時に血管が収縮します。
血管が収縮すると、血のめぐりが悪くなるのですが
(血管の通り道が狭くなるので)
狭くなった血管を、血液はどうするのか?
もちろん、狭くなったとはいえ、
血液が流れなくなってしまうと、
酸素や栄養分を運べなくなって人間は
駄目になってしまうわけですから、
血管が狭くなろうが、血流は流れなきゃなりません。
つまり、速く通ろうとするのですよ、血流が。
細くなった血管を。
で、その結果。
普段以上に速く流れるようになった血流が、
そのとき神経を刺激してしまう場合があるのです。
そのときに「痛み」が生じます。
これが、ストレスによる体の変調の原因です。
じゃあ、痛風発作もそうなの?
ちょっと違うのですが、
強いストレスを受けて、体が交感神経優位になって、
緊張状態になって、血管が収縮して血流が悪くなる、
ところまでは同じです。
この、血管というのは、
全身に張り巡らされているわけですから、
腎臓の毛細血管も収縮して血流が悪くなるわけです。
で、腎臓の血流も悪くなって、
尿酸をハイセツする能力というか、量も落ちてしまうので、
あまり尿と一緒に尿酸を排泄できなくなります。
結果的に、尿酸が血液中に増えてしまうので、
尿酸値が上がる、というわけです。
強烈なストレスは一時的にですが、
猛烈に尿酸値を上げてしまう場合があります。
精神的に「ショック」という言葉をつかっていいほどの、
精神的衝撃を受けた場合、即、
痛風発作が出る場合もあります。
もちろん、それは元々、尿酸値の高めの人であって、
尿酸値の高くない人が精神的なショックを受けても、
痛風発作が発症したりすることはありません。
まあ・・人生、いろいろですから、
生きてりゃ、いろいろあります。
なるべくストレスをためないように・・という、
ありきたりの言葉で締めくくることになりそうです。