痛風発作の痛みは、なぜ移動するのか?
これは痛風初期症状の人には
ピンとこないかもしれませんが、
痛風発作の腫れや痛みは、次から次へと
移動していく場合があるのです。
たとえば・・・左足の親指の関節の付け根が
腫れあがって激痛に苦しんでいた、と思っていたら、
それが治まった頃に、今度は左足の足の甲に腫れと激痛が!
で、左足の甲の痛みと腫れが治まったと思ったら、
次は左足のアキレス腱が腫れあがる!
やれやれ、ようやく
左足のアキレス腱の痛みと腫れが終息したと思ったら、
次は左足のくるぶしの内側が!?
ああ、なんなの、これは?
なんで、次から次へと痛風発作の痛みが移動するの!?
痛風初期症状の人の場合は、たいてい
左足の親指の付け根の関節が腫れて痛みます。
で・・10日から2週間もすれば、
嘘のように治まってしまうのが特徴です。
痛む場所は、通常、一箇所のみ、です。
こういう人は、痛風の痛みが移動したりしません。
痛みと腫れが治まれば、それでオシマイです。
痛風の痛みが次々と移動したかのように起こる人は、
痛風になってからの年月が結構、長い人です。
(体質や尿酸値など)
個人差があるので一概には言えませんが、ざっと
10年、15年、あるいは20年以上。
つまりね。
体内に、尿酸結晶がたくさん蓄積してきている人、
ということなんです。
少しずつ、少しずつでも年数が経過すると、
塵も積もれば山となる、みたいな。
う~ん。
それって、あまり、望ましくないですよね。
で・・・冒頭の一文。
「痛風発作の痛みは、なぜ移動するのか?」
(理由)→ そういうふうになっているから、です。
フザけているわけではなくて、本当にそうなんです。
たとえば、ええと・・
話は変わりますが、風邪をひいてしまって、鼻が詰まります。
鼻水、ずるずる、です。
ところが不思議なことに、鼻の穴が二つあるうちの、通常は
一つしか詰まりません。
(理由)→ 両方詰まってしまうと呼吸ができないから、です。
しかしながら、滅多にありませんが、本当に酷い風邪の場合は
両方の鼻の穴が詰まってしまうことも稀にあります。
ああ、どうしよう。
でも、大丈夫。
口をあけて、口が呼吸すれば良いのです。
このように、人間の体はうまくできていて、
2重、3重の防御というか、そうカンタンには
死なないようにできているのです。
もう一つ。
御高齢の方で、よく足の静脈瘤だとか、
太腿の血管に血栓ができている方がいます。
血栓は怖いです。
これが上に上がってきて、心臓とか脳に来て詰まってしまうと、
人間、一巻の終わりですからね。
ところが人間の体はよくできていて、
腰のあたりとか、そういうところで止まるようにできていて、
そうカンタンには血栓が心臓まで到達しないように
2重、3重の壁というか、
簡単には死なないようになっているのです。
話が少し、それました。
「痛風発作の痛みは、なぜ移動するのか?」
たとえば、いっぺんに15箇所も
同時に痛風発作が起こってしまったら、
痛みが強すぎて、危険だからです。
経験したことがないのでわかりませんが、あまりの痛みで
精神に異常をきたしてしまうかも。
一箇所の痛みだけでも、あんなに痛いのですから。
もう、殺してくれえ!
なんて叫ぶ人もいるかもしれません。
それから、もう一つ。
痛風の痛みは移動すると、思っておられる方は多いですが
一見、移動に見えますが、別に移動でもなんでもないんです。
どういうこと?
たとえば・・・足の“くるぶし”あたりに
痛風発作の痛みが出る人。
この“くるぶし”というのは、足先の中でも比較的、
大きな関節です。
ここに結晶化した尿酸が溜まっているような人は、
溜まっているのは、ここだけと思いますか?
つまり。
足の甲も、足の親指の関節の付け根にも、アキレス腱にも、
足の裏にも、かかとにも、同じ“くるぶし”でも、
くるぶしの内側、くるぶしの外側・・・
みんな同じように溜まっているハズなんです。
ところが、これらが同時に痛風発作が出てしまったら、
どうなるか?
人間、強いようで痛みには弱いですから、それこそ、
どうにかなってしまうかもしれません。
ですので、痛風発作は同時には出ないのです。
一箇所が終わったら、次へと。
それが終わったら、また違う場所へ。
これが、痛風発作が移動しているように「見える」のです。