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◆ 痛風 尿酸降下薬
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痛風の薬とは、この場合、
尿酸値を下げる薬 (尿酸降下薬) のこと。
フェブリクとか、ザイロリックなどが有名です。
これらの、尿酸値を下げる薬は、
飲み始めると・・一生、飲み続けなきゃならないの?
病院で訊いてみたら、
「そうですね。尿酸降下薬は一生飲み続けてください」
と言う医師は少ないんじゃないでしょうか。
でもね。
そう言われないから、といって
これは言葉通りの意味じゃないんです。
(その人にも よりますが)
医師が、どういう言い方をするかというと、
「とりあえず、尿酸降下薬は飲み続けてください」と。
まあ・・
「一生、飲め」
と言われたら患者さんが どんな気持ちになるのか、
少しは気を使っているんでしょう。
現実にはね。
フェブリクもザイロリックも
尿酸降下薬 (尿酸生成抑制薬) なので、
尿酸値を下げる効果は大きいですが、残念なことに
恒久的に尿酸値を下げるわけでもないので。
はっきり言えば、飲んでいる間「だけ」
尿酸値を下げてくれる薬なんです。
だから、飲むのを止めたら、
しばらくしたら尿酸値は、いつの間にか、
元の高い水準に逆戻り。
遠ざかっていた痛風発作の激痛も、
忘れたことに忍び足でやってくる、のです。
だからといって、
そんなにガッカリすることでもないです。
逆に考えると、尿酸値を下げる薬を飲んでいる限り、
尿酸値は低い水準で維持できるのです。
尿酸降下薬を初めて飲んだのなら、
飲み始めの最初の頃
(2か月~半年くらい? 個人差アリ) は、
痛風発作が頻発したりしますが
(長年、関節などに蓄積していた尿酸結晶が、
尿酸値が下がることによって痛風発作が誘発される)
ある時期を過ぎたころから、もう痛風発作は出なくなります。
尿酸値を下げる薬を飲んでいる限りは、ね。
今も昔も、痛風改善の大原則は
「生活習慣の改善」です。
特に、一昔前 (昭和の時代?) は、
いわゆる、プリン体の多い食品の摂り過ぎを
徹底的に制限する、厳しい食事制限が
痛風改善法の基軸でした。
でも、今の時代は、それほど
厳しい食事制限は強いられることは少なくなっています。
キビシイ食事制限をしても、なかなか
長続きしない・・ということもありますが、それよりも。
痛風に関しての究明が進んできて、
その肝心のプリン体にしろ、
「食事2割、体質8割」というか、
食事によって口から入ってきた食物によってできる
プリン体よりも、体内の新陳代謝や栄養分の
エネルギー変換など、体内で作られるプリン体の方が多い、
ということが、この数十年の間にわかってきたから、なんです。
食事のよるパーセンテージが
2割にしかならないのなら、つらい食事制限を
患者に強いるよりも、今の時代はフェブリクのような
いい薬 (副作用が少なめで、尿酸値を下げる効果は大きい)
がでているので、尿酸値を下げる薬を飲みましょう、
というのが、痛風治療の主流になりつつあります。
尿酸値を下げる薬を一生飲みましょう、なんて
言われてしまうと、意気消沈かもしれませんが、
飲んでいれば痛風発作も (ある時期を過ぎたら)
出ないでしょうし、そんなに
悪いこともないかもしれませんよ。
ただね。
フェブリクの場合、痛風新薬なので薬価は高めです。
まだ、日本では
フェブリクのジェネリックはないですしね。
(海外では、格安のフェブリクのジェネリックが
発売されています。
日本でも、個人輸入代行業者などから購入できます)
もし、仮に、
フェブリクなど、尿酸値を下げる薬を飲まないことを
選択するにしても、尿酸値が高い体質 (痛風体質) ならば、
生活習慣の改善
(食事制限、運動、ストレス対策、睡眠・・など)
を徹底的にやっておかないと、若いうちは良くても、
晩年は、それこそ、一年中、
痛風発作の連続で苦しむ人生が
やってくるかもしれません。
いくつかのパターンが考えられますが・・・
1.フェブリクを飲む
→さらに、生活習慣の改善もする
2.フェブリクを飲む
→飲んでいるから、生活習慣の改善なんか、しない
3.フェブリクを飲まない
→飲んでないので、生活習慣の改善をする
4.フェブリクを飲まない
→生活習慣の改善なんか、しない
どうするかは、自分の人生なので
自分が決めたら良いだけの話ですが、
「4.フェブリクを飲まない
→生活習慣の改善なんか、しない」
のままですと、将来は、
腎臓を悪くしてしまうかもしれません。
(いわゆる、痛風腎。
尿酸結晶が腎臓に詰まって、腎機能低下→腎不全に)
人生の目標は、人それぞれ違いますが、
自分の目標を達成するためには、
「一年でも長生きして、それも、健康で長生き」
することが肝要です。
痛風 (高尿酸血症) だからといって、
必ずしも尿酸値を下げる薬を飲まねばならない、
というわけではありませんが、どうすることが
自分の人生にとってベストの選択なのか、
たまには考えてみるのも悪くないかもしれません。