ある日、突然、
足(たいていは、左足の親指の付け根の関節)が腫れあがり、
腫れるだけならともかく、
今まで経験したこともない強烈な激痛。
ああ、これは何?
いったい、自分の足に何が起っているの?
もう、二度と会社の女の子に
ちょっかい出したりしないから、許して!
・・・なんて叫んでみても、
足の腫れと痛みは治まる気配もありません。
それどころか患部に熱まで帯びていて、
刻一刻と酷くなっているような有様。
病院に行こうと思っても、今は真夜中。
ああ、なんで?
今度から道で10円玉を拾っても警察に届けるから、
今回だけ見逃して!!
ところが、翌日になっても
足の激痛は治まるどころか酷くなる一方なのです。
ようやく、大変な思いで這うように病院へ辿り着くと・・・
「ああ、アンタ。痛風ね」
医師の先生に言われた言葉に凍りつきます。
つ、つうふう・・・
痛風って・・・・何、それ?
痛風は体の中で作られる尿酸で、
血液中に多くなりすぎてしまうと、
血液に溶けきれず、血液にのって全身を巡ります。
そして、体内の比較的冷たい関節
(足の親指の付け根、足の甲など)に
結晶化して溜まってくるのが尿酸結晶。
その尿酸結晶が溜まり過ぎて、剥がれてくると、
白血球がそれを異物と認識して攻撃します。
そのとき、あの激痛の元となる成分を出すのです。
これが痛風発作。
痛風発作は、痛風初期症状の人ならば、
10日間~2週間くらいで嘘のように治まってしまいますが、
放置しておくと、数年後にはいずれ再発します。
再発しないようにするには、
血液中の尿酸の濃度、つまり
尿酸値(病院で検査してもらえます)を
下げることが肝要です。
尿酸値を下げるには、食事に気をつけたり(痛風食事療法)、
運動したり(痛風運動療法)、ストレスをためないようにしたり、
尿をアルカリに傾けるようにしたり
(尿酸は酸性尿には溶けにくいから)、
つまり生活習慣を改善するのが基本です。
すなわち、これが痛風改善法の王道ですね。
ところが痛風というのは、
生まれつき痛風になりやすい体質(痛風体質)
というものがあって、尿酸を体内で多く作り過ぎる体質の人、
あるいは尿酸の排泄がうまくいかない体質の人、
もしくはその両方を兼ね備えた体質の人などがいて、
なかなか思うように尿酸値は下がりません。
そこで、病院の医師が勧めるのは薬物療法です。
つまり、クスリを飲みましょう、と。
痛風の薬(尿酸降下薬)には
ザイロリックやフェブリクなどが有名で、
とても効果抜群でたちどころに
尿酸値は下がってしまいます。
ですが、クスリというものは、
大なり小なり副作用があるものですので、
はじめから薬に頼ろうとせず、まず、
自分で一大決心して
生活習慣を改めることから始めるのが良いと思います。