2022年5月26日木曜日

痛風と納豆 

ご飯に納豆を混ぜてかき込むという人も

おられると思います。


いろいろな食べ方が地域によってあるようですが、

しょう油とカラシ、そしてあれば薬味として

ねぎを入れたオーソドックスな食べ方、とかね。

納豆は美味しいだけでなく、

いろいろな健康効果をもたらしてくれるので

安定した人気があります。


整腸効果があるというので、便秘解消効果が期待できます。

女性の中で便秘に悩んでいる人も多いそうなので、

納豆を食べる習慣をつけてみるのはいかがでしょうか?


そのほかにも女性に多い骨粗しょう症も

ビタミンKの効果によって予防できる

とも言われています。


何と言っても納豆が健康関係で注目されているのは、

ナットウキナーゼの存在です。

ナットウキナーゼは酵素の一種で、血栓溶解作用があります。

血栓を溶かしてサラサラの血液にするので、

動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの

重大な疾患の予防ができると言われています。


ビタミンやミネラルの他にも、

「畑の肉」と呼ばれているほど、

良質なたんぱく質が含まれています。

健康対策以外にも、

ダイエット効果も引き出してくれるのではないか

とも言われています。


このようにさまざまなメリットのある納豆ですが、

痛風には良くない (?) という事実を

知っている人は少ないのではないでしょうか。

なぜ痛風にはよくないかというと、

プリン体が関係しています。


痛風にかかっている人であれば、プリン体という物質は

聞いたことのある人は多いはずです。

プリン体を摂取すると、体内で尿酸に変わります。

そしてこの尿酸が痛風の原因となるわけです。


そこでプリン体の多く含まれる食べ物を

痛風患者はできるだけ控えるべき、とも

考えられているようです。


納豆には、100gあたり113㎎のプリン体が含まれます。

このように言われてもピンとこない人も多いでしょうが、

参考までに豚肉や牛肉は同じく100gあたり70~90㎎です。

この量と比較すれば、やはりプリン体が多い食材

といわざるを得ません。


ただし

この痛風と納豆の関係ですが、まだ 

はっきりしたことは分かっていないのが実情です。

最近では、上で紹介した説を覆すような研究結果が

発表されたケースもあります。


アメリカのある研究では、植物性のたんぱく質の場合、

痛風発作のリスクは高めないという説も出ているくらいです。

このため、痛風と納豆の関係性に関しては

もう少し今後の推移を見守った方が良いのかもしれませんね。


痛風や尿酸値の高い人でどうしても納豆を食べたい

と思うのであれば、

小さめのケースの商品を食べてみるのはいかがですか?

スーパーなどに行くと、

3つ並びで丸いサイズに入っているミニサイズの納豆が

販売されていますね?

少なめの納豆であれば、

過剰にプリン体を摂取することもなくなるので

痛風発作を気にする必要もなくなります。


ちなみに高尿酸血症や痛風の治療のガイドラインによると、

痛風患者のプリン体摂取は1日400㎎までとしています。

この数字を意識して、献立を考えてください。


納豆は貴重なタンパク源ですが、

痛風で食事に気をつけている人には

プリン体が少し気になるところですね。

でも、そんなことを言っていると、

だんだん食べる食品がなくなってきて、

栄養も偏った食事になってしまうので、「食べ過ぎず」に

少しだけ、おいしく いただきましょう。


2022年5月25日水曜日

痛風とサウナ 

サウナにしばらく入っていると、普段は 

なかなか経験できないくらいの大量の汗をかきます。

しかし、サウナに関しては

痛風にとって良くないようです。


痛風の原因として、尿酸があります。

この尿酸ですが、尿から排出されるのが一般的です。


ところが汗として尿酸が排出されることは

ゼロではないものの、尿と比較すれば

ほんの微量なのです。尿酸が排出されない、

しかも大量の汗をかくということは

水分がどんどん失われてしまいます。

ということは尿酸が濃縮される分、

上昇してしまうのです。


また尿酸は尿として排出しないといけないのですが、

水分がなくなるのでトイレにいく頻度も少なくなります。

サウナに入るということは、痛風の発作の可能性を高め、

尿酸の排出のチャンスを自らフイにしているわけです。


年齢が上になればなるほど、

サウナというのはリスクが高まります。

長時間大量の汗をかく行為を続けていると、

血液がドロドロになってしまいます。


そうすると、血管の中で

血液が詰まりやすくなってしまいます。

下手するとサウナに入っている時に、

脳梗塞や心筋梗塞を起こして倒れることもあり得るのです。

実際サウナの中で発作を起こしてしまう

という事例もあるようです。

決して脅かしているつもりではありませんが、

危険なのでサウナに入る時には

しっかりと水分を補給してくださいね。


痛風は夏場になると発症する人が増える

という話があります。

夏場、猛暑の時など

天然のサウナの中にいるような状態です。

大量に汗をかくので、尿酸値が高まって、ある日、

足の指の所に異常な痛みを感じるというケースも。

最近の夏のニュースを見てみると、こまめに

エアコンを使うように、と呼びかける光景を目にします。


これは熱中症対策として言われているのですが、

ある意味、こまめにエアコンを活用するのは

痛風対策という意味でも重要なのです。


なるべく涼しい所にいて、

ムダに汗をかかないようにする、

どうしても汗をかいてしまったのであれば、

こまめに水分補給をする、

この2点をしっかりと意識することが大切です。


水分補給はのどの渇きを感じてからでは遅いので、

何時間に1回か

コップ一杯の水を飲む習慣をつけた方が良いです。


サウナは結果として、尿酸値を一時的に上げてしまう、

ということですね。

サウナに入る方は、しっかりと水分補給を。

それは、サウナに入る前、サウナに入っている最中

(つまり、途中で休憩して水を飲む)、

そして、サウナから出た後。

それぞれ、しっかり水分補給をすることです。


痛風と運動 

 痛風は、かつては ぜいたく病といわれていて、

生活習慣が原因で引き起こされる病気と

いわれていました。

しかし、生活習慣を改めることで、

痛風対策をすることは十分可能です。


栄養バランスのとれた食事を心がける、

適度に運動する習慣をつけるようにする、

このような簡単にできる対策でも、大分

症状は改善される可能性は高いです。

しかし運動に関して注意してもらいたいのは、

激しい運動をすると かえって

症状を悪化させてしまう恐れのある点です。


例えば息が切れてしまうような激しい運動をすると、

体内が一時的に酸欠の状態になります。

酸欠になってしまうと痛風の要因である

尿酸の生成を高めてしまうのです。


しかも筋肉を過度に使うと疲労物質

といわれる乳酸が体の中にたまってしまいます。

乳酸が過度に体内にたまると、尿酸の排泄が

抑制されてしまうのです。

その結果、ますます尿酸値が上がってしまって、

痛風にとって良くない環境を作り出してしまいます。


その他には、炎天下で運動するのも避けた方が良いです。

真夏の日中に運動をすると大量の汗をかきます。

数十分も運動していると、

Tシャツが体に張り付くくらいに汗をかくものです。

このように大量の水分が汗として失われてしまうと、

血液が濃縮されます。

いわゆるドロドロ血液の状態になってしまいます。

血液が濃縮されると、尿酸も濃くなって

尿酸値の上昇から尿路結石などを

引き起こすリスクが高まります。

このように夏場の炎天下における運動や

激しい運動をした後に、逆に

痛風発作が起こってしまう恐れが高いのです。


では運動する習慣を取り入れる、しかも

痛風の発作を起こすリスクを少なくするためには

どうすればいいのでしょうか?


それは無理のない範囲内で運動をすることです。

そこで私がお勧めしたいのは、有酸素運動です。

有酸素運動とは、ウォーキングやジョギング、

サイクリングのような少し息がはずむような運動。

このような運動を取り入れると、運動した後に

スカッとさわやかな気持ちになって、

日ごろの仕事などのストレスも解消されやすいです。

有酸素運動をする時に、無理をする必要はありません。

最初のうちはジョギングをずっと続けるのはつらければ、

ラン&ウォークといって疲れたら歩く、

息が整ったらまた走る、というメニューでも

効果は期待できるようです。


有酸素運動は、さほど負荷はかからないので

何十分など長時間連続して運動できます。

そこで注意したいのは、こまめに水分を補給することです。

運動を長時間すると、冬場でも汗をそれなりにかきます。

そこで意識して水分を摂取するように心がけてください。

のどが渇く前に水分を補給するのがお勧めです。

また体調の悪い時には休息し、無理なく運動を

続けられるようにしていきましょう。


運動は何でも良い、というわけではないのですね。

スポーツが得意な人にとっては、

ゆっくりとした有酸素運動では

物足らないかもしれませんが、

それでも痛風改善に一役買ってくれます。

運動は継続するのが難しいですが、

できる範囲で続けていきましょうね。


2022年5月24日火曜日

通風に良い食事? 

通風 (×通風→ 痛風のこと)に良い食事とは

どのようなものなのでしょうか?

簡単なようでいて難しい問題です。


毎日同じメニューばかりを食べるわけにも

いかないですから、いろいろと工夫しながら

食事療法を目指していく必要があるというわけです。


そもそも食生活の乱れやアルコールの過剰摂取、

肥満などが引き金になって

痛風になってしまった人も多いはず。

まずは土台となる痛風になりにくい健康的な体作りから

目指すことにしましょう。


痛風に良い食事としては

まずプリン体の含有量が少ない食材を選ぶこと。

プリン体は体内に尿酸を作り出す物質のため、

できるだけ摂取を避けることが

痛風対策の第一歩なんです。


よくアルコールの飲みすぎで痛風になるといわれますが、

これはビールを筆頭にお酒には

プリン体が多く含まれているからです。

お酒好きにとっては最初の難関です。


プリン体の含有量に関しては

同じ種類(お酒、肉、野菜など)によって、

ずいぶんと違いがあるのが特徴です。

じつは肉を少なめにして野菜を多めにするは痛風に限らず

健康対策における食生活の鉄則ですが、それだけでは

痛風対策では十分とはいえません。


たとえば肉で言えばレバーには、プリン体が

かなり多く含まれています。

健康に良いと言われている魚も多めです。

もちろん、だからといってこれらの食材を

一切食べないようにするわけには いかないですよね?

そのためバランスのとれた食環境を心がけましょう。


オススメがイモ類。

プリン体の含有量が少ない上、適度な満腹感と

食べ応えを味わえる食事です。

いきなり肉類を減らすと食べる楽しみを味わえなくなって

途中で挫折してしまうのがダイエット失敗の典型例、


イモ類とご飯を上手く組み合わせた食事は

プリン体の摂取量を抑えられる理想的な環境なので

献立作りを工夫してみましょう。

肉じゃが は肉も食べられ、野菜、イモ類を

しっかり摂れるメニューなので

痛風対策にピッタリと言います。


アルコールについて

もう少し詳しく見てみましょう。

プリン体だけでなく

アルコールそのものを分解する過程でも

尿酸が作られてしまいます。


どうしてもお酒がやめられないという人は、

ビールよりもブランデーやウイスキー、焼酎といった

プリン体が少ない蒸留酒を選ぶとよいでしょう。

禁酒に比べれば好みを変えるくらい平気ですよね?


逆に水分は積極的に摂取することが大事です。

痛風対策では尿酸を増やさない食生活を心がけると同時に、

できるだけ排出を促すことも重要なんです。


注意したいのは

ペットボトル症候群に陥らないためにも

水やお茶を積極的に摂取すること。

糖分が多い飲み物を多く摂ると

糖尿病のリスクが向上してしまいます。


それから糖分だけでなく塩分の過剰摂取にも要注意、

中高年によく見られる高

血圧と痛風両方のリスクを高めます。


こうした点を注意しながら

日々の食生活を改善していくことで

痛風予防・対策を効果的に行っていくことができます。


わたしたち痛風持ちはまず外食やインスタント食品に頼らず、

自分の食生活を見直すところからはじめるのが

大事なんでしょうね。


う~ん・・あれがイケない、これがイケない、

が多いですね。

やってはイケないと言われると、

やりたくなるのが人情・・

おっと、そうじゃございませんね。

日々の節制が将来、実を結ぶと思いますので、

毎日の食生活など、できる範囲でもいいですから、

気をつけていきましょうね。


通風と焼酎 

通風 (×通風→痛風) は

アルコールが好きな人がなりやすい病気と言われています。

患者の90パーセントが男性と言われていますが、

その理由のひとつも

アルコールにあるのではないでしょうか。

毎日晩酌を楽しみにしている人、

連日のように飲み歩いている人は要注意、

やはりアルコールの摂取量を減らさないと

いけないのでしょう。


ただ、アルコールが痛風の原因になるかどうかは

お酒の種類によって異なるとよく言われています。

わたしはビールが好きなのですが

どうやらビールは痛風にはよくないようです。

では痛風によくないお酒とはどんなお酒なのでしょうか。

まずアルコールがどうして痛風によくない

と言われているのか知っておきましょう。

早く知れば知るほど適切な対策を

早く行うことができるはずです。


お酒が痛風の原因になると言われる原因は2つあります。

ひとつはプリン体が体内で代謝される過程で

尿酸を生み出してしまうことです。

つまりプリン体の摂取量が多くなればなるほど

尿酸の量も多くなってしまうというわけです。


もうひとつの原因は

アルコールそのものが代謝の過程で

尿酸を作り出してしまうこと。

そのためよくお酒を飲む人であればあるほど

尿酸が作られやすい環境にあるというわけです。


こうしたアルコールとの関係を知った上で

痛風になりやすいお酒と

なりにくいお酒について見てみると、やはり大事なのは

プリン体がどれぐらい含まれているか。

この点こそ、焼酎が痛風に悩まされている

お酒好きの人に適している大きな理由でもあります。


アルコール飲料の中でプリン体の含有量が多い

と言われているのがビール。

具体的な含有量は製品ごとに異なってきますが、

100ミリリットルあたりにつき

5~7ミリグラム程度が含まれています。


一方、発泡酒は3ミリグラム前後。

ビールが好きな人は発泡酒に

切り替えた方がよいことになります。


また、もっともプリン体の含有量が多いお酒

と言われているのが紹興酒。

平均でも10ミリグラムを超える高い数値となっています。


これらに対して含有量がグッと少ないのが蒸留酒です。

多めのブランデーでも

100ミリリットルにつき0.4ミリグラム。

焼酎はアルコール度25パーセントでゼロ~0.03程度。

ほとんど気にしないで済む数字となります。


こうして見ても焼酎は

痛風対策に非常に優れたお酒と言えます。

お酒が好きな人、どうしても禁酒が出来ない人は

ビールから焼酎へと切り替えるとよいでしょう。


ただし、アルコールと痛風の関係の

ふたつ目のポイントとして挙げたように、

アルコールの摂取そのものが尿酸を増やす原因となります。

ですから焼酎を飲んでいるからといって

必ずしも痛風を避けられるわけでも、

必ず改善できるというわけでもないのです。


理想としては完全な禁酒を目指したいところで、

それがどうしても難しい場合には

焼酎を含めた蒸留酒を心がける、というのが

お酒好きのための痛風対策となるでしょう。

もともと焼酎が好きな人は、くれぐれも

油断しないよう心がける必要があります。


お酒は、本当に好きな人は、やめられませんからね。

お酒を飲むことで一日が終わった(仕事が終わった)という

感じですから。

とにかく、飲み過ぎないこと、飲酒量を

少量におさえておくことが肝心かもしれませんね。


2022年5月23日月曜日

痛風の検査 

痛風の疑いがある場合には

できるだけ早く治療を受けましょう。

耐え難い激痛をもたらす症状でおなじみの痛風ですが、

初期段階ではそこまでひどくない痛みや、違和感、

腫れの形で症状が現われることもあるんです。

できるだけ経度の段階で適切な治療や

食生活の改善などの対策を行っておけば、

軽度の状態で改善していくことができるというわけです。

痛風の発作はその大半が足指の付け根に生じますが、

場合によっては

まったく別のところにできることもあるので

油断して放置しないよう注意しましょう。


医療機関ではいくつかの検査が行われます。

痛風とは「尿酸値が高い状態が長期間続いて

尿酸が結晶となった状態」のことですが、

検査ではどのような原因で尿酸が高い状態になったのか

といった点まで調べられます。

実は痛風は単にプリン体の摂取量が多い食生活だけでなく、

体内で尿酸の排泄がうまく機能しなくなっている場合にも

発症する可能性があるのです。


もっとも一般的な検査方法となるのが尿酸値の測定。

尿酸クリアランス・クレアチニンクリアランス検査などの

検査が行われます。

これは尿酸値だけでなく

腎臓機能の検査も併せて行われる方法です。

つまり、この検査で尿酸の生成量が多すぎるのか、

排泄機能が低下しているのか

まで判断することができるわけで。


また腎臓に異常の疑いがある場合には

CTや超音波を使用した検査も行われます。

結晶となった尿酸が腎臓に沈着したり、

結石を作ってしまっていると

痛風以外にもいろいろと問題が出てくるからです。

また腎萎縮が見られることもあります。

こうした異常が見られる場合には、

食生活の改善などの対策方法では

十分な効果が得られないそうなので重要な検査です。


それから尿検査。

よく知られた痛風対策の一環に

「尿をアルカリ性にするよう心がける方法」があります。

クエン酸やカリウムといった成分はこうした効果があるため

食事やサプリメントでの摂取が望まれているのです。

これは尿がアルカリ性だと尿酸が溶けやすく、

体外に排泄されやすい状態になるからです。

逆に酸性に傾いていると溶けにくく、

体内に蓄積されやすい状態となってしまいます。

尿検査ではこの点についても確認が行われます。


もうひとつ忘れてはならないのが薬の副作用。

降圧利尿剤などの薬物の投与を受けている場合に

痛風が発症するリスクが高くなるといいます。


なお、痛風と非常に良く似た症状に

偽痛風(ぎつうふう)という病気があります。

激しい痛みが見られるのが特徴で、

尿酸とはまったく関係ないのが特徴です。

この偽痛風は痛風とは

原因も対策方法もまったく異なります。

この病気との見極めを行いつつ

適切な治療法を見つけていく意味でも、

医療機関で適切な検査を受けることが大事なのです。

少しでも気になる症状が見られた場合には、

できるだけ早い段階で

しかるべき検査を受けるようにしましょう。


何事も、まず検査ありき、ですね。

きちんと医療機関で検査を受けるのが基本です。

それから、治療の方針をたてる、ということで。


痛風の治療? 

痛風に悩んでいる人はあれこれと

治療方法を模索しているのではないでしょうか。

痛風の治療は大きく分けて医療機関で行われる

薬物療法と自宅で行う生活習慣の改善があります。


薬物療法に関しては

痛風の症状や尿酸値の状況によって

行われるかどうかが判断されますが、

生活習慣の改善に関しては症状に関係なく

必ず行わなければなりません。

少なくとも治療は医師にお任せ、というわけには

いかないのです。


痛風の治療で難しいのは人によって原因が異なること。

一般的には食生活の乱れなど日常生活による原因が

20~30パーセント程度、残りの70~80パーセントは

体質的(尿酸が排泄されにくい、もしくは

逆に過剰に作られてしまう)なものが原因とされています。


つまり生活習慣の乱れが原因で

痛風になってしまったからか、

体質的な原因でなってしまったかによって

治療方法が異なってくるのです。

その辺はしっかりと検査を行い、

医師の判断に基づいて適切な対策を

行っていく必要があります。

尿酸値が高めな人でも食事療法のみで

改善されることもあれば、それほど高くない人でも

薬物療法が必要となるケースがあるようです。

素人判断ではダメ、ということなのでしょう。


日常生活で行う治療では

やはり食事療法がメインとなるわけですが、

プリン体が多く含まれている食材を避けることや、

摂取エネルギーの絶対量を減らすことだけでなく、

尿酸が作られにくく、排泄されやすい環境作りも

考慮して行っていかなければなりません。


野菜や果実などは、尿をアルカリ性にして

尿酸が排出されやすい環境にしてくれるので 

お勧めですし、食物繊維は適度な満腹感をもたらすため、

摂取エネルギーの制限にも役立ちます。

それと食事の内容だけでなく食べ方も

大事な食事療法の一環です。

一番やってはいけないのがドカ食い。

ついついやってしまいますよね?

あと食事の時間が不規則な人も

気をつけたほうがよいです。

毎日規則正しい時間に3食しっかり食べる。

当たり前のことを当たり前に行いましょう。


一方、薬物療法では症状に合わせて

適切な薬剤が選択されます。

どの薬剤が使用されるかは発作が見られた時と

見られていない時で異なります。

発作が起こった時にはまず耐えがたい痛みを

できるだけ緩和させることが重要なため、

非ステロイド性鎮痛・抗炎症薬や

インドメタシンなどが投与されます。


これらの薬剤では十分な効果が得られないほど

痛みが激しい場合には

副腎皮質ステロイド薬が使用されることもあります。

なお、痛みの発作が起こる前に

コルヒチンという薬物を内服すると

予防に効果が見られるため、

発作の前兆を察知できるかどうかが

痛風治療の大事なポイントとなるわけです。


発作がない時には尿酸が作られるのを阻害する

アロプリノールや逆に尿酸の排泄を促す

プロベネシドといった薬物を使用し、

尿酸値の改善が目指されます。

言うまでもなく薬物療法なしで

治療を行っていきたいところ。


痛風の対策は、人によって

ケースバイケースなのですね。

食事療法などの生活習慣の改善は、

地道な繰り返しで時として心が折れそうになりますが、

なんとか継続していきたいですね。

 

2022年5月22日日曜日

痛風メタボ?

メタボリックシンドロームとかメタボという言葉は、

知っている人も多いのではありませんか?


メタボとは、簡単に言ってしまうと

食べ過ぎや飲み過ぎ、かつ運動不足の状態が続くことで

内臓脂肪がたくさん体内についてしまう症状をさします。


内臓脂肪が体内にたくさんついてしまうと、

血糖値を調節するためのインスリンの働きが

鈍くなってしまいます。

そうすると、高血圧症や糖尿病、高脂血症といった

生活習慣病を発症しやすい状態になります。

これらの生活習慣病自体は、別に

自覚症状なども起こらないケースもあります。


しかしながら、そのまま放置してしまうと、

脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病合併症などを起こして

より重篤な状態になる恐れも高まります。

そしてメタボの人を見てみると、

痛風でもあるケースが多いです。


30代を過ぎたあたりから、普通の生活をしていると

運動量と筋肉量が低下する傾向が見られるので、

それでいて、若いころそのままの食事を食べていると、

必然的に摂取カロリーの方が消費カロリーと比較して

常に多い状態になってしまうのです。

カロリーオーバーの状態が続くと、

どんどん体の中に脂肪がたまってしまうわけです。


特にお酒を飲む男性は、メタボや痛風に

なりやすくなるので、注意する必要があります。

アルコール自体にカロリーが含まれるのも問題ですが、

それよりも痛風メタボにとって大きいのは

お酒と一緒に摂取する おつまみです。


居酒屋などに行くと、お酒と一緒に

さまざまな つまみを注文しますね。

居酒屋のつまみ、たとえば

ポテトフライや鶏のから揚げ、ソーセージ、

焼き鳥、串揚げ、軟骨のから揚げ、といった感じで

油分や塩分の多いメニューが中心です。


しかも お酒を飲んでいるときに、

このような塩辛くてボリュームのある料理が

おいしく感じてしまうものです。

このような食生活を続けていると、

どうしてもメタボになりやすいです。


さらに、これら肉料理には、

プリン体が多く含まれる傾向があります。

プリン体は体内に入ると肝臓で分解され、

血中に尿酸が増加します。

この尿酸が体内の関節などに過剰に溜まってしまうと、

あの痛風を引き起こしやすくなります。

お酒やカロリーの高いつまみばかり食べていると、

メタボや痛風にまっしぐらになってしまうわけです。


痛風を予防するためには、

お酒を控えることが大事です。

しかし、いきなりお酒を一切飲まないのは

厳しいというのであれば、

まず、ビールは控えることから、

はじめてみてはいかがでしょうか。

ビールはプリン体を多く含みますので、

痛風発作を引き起こしやすくします。


プリン体ゼロのビールが最近では出ているので、

どうしても、という人はこちらを飲むようにしてください。

また、つまみの中で、レバーやもつなどの内臓系や

あんきも、たらこ、イクラなどのメニューは

プリン体が多めなので、

注文しないように心がけることです。


人間の体は(飢餓時代の名残で)

脂肪を蓄えよう、蓄えよう、とするので、

なかなか、内臓脂肪は減らせませんね。

現代社会では、飢え死にすることは、まず

ないので、内臓脂肪を減らすよう、

努力していきたいですね。

痛風とマッサージ

痛風は実際にかかってみるとわかりますが、

本当に激痛が襲ってきて何もできなくなります。

急に激痛が襲ってくる感じなので一種の恐怖感もあります。

痛風にならずに済むのであれば、

ならないに越したことはないですね。


では痛風予防するためには、具体的に

どのような対処をすればいいのでしょうか?

痛風予防のために重要なのは、

何といっても生活習慣の改善です。

耳の痛い話ではありますが、

暴飲暴食を避ける、運動をする習慣を取り入れる、

きちんと睡眠時間を確保するなどを意識して

実践してください。

痛風は一種の生活習慣病だから。


その他には、マッサージをすることでも

痛風対策は可能という専門家もいます。

どうなんでしょうね。


マッサージをする時には、

いくつかチェックしておきたいツボがありますので

紹介しておきますね。


まずは照海と呼ばれるツボです。

照海は、足のくるぶしの内側の下あたりにあります。

照海は、腎臓に対して効果の期待できるツボです。

先が丸まったボールペンなどの棒を用意して、

照海の所をぐりぐり刺激してみてください。

時間にして20秒程度の刺激なので、

仕事や家事の合間を縫って

マッサージできるのではありませんか?


その他には、湧泉と呼ばれる足の裏の人差し指と

中指の付け根の下あたりにあるツボも、

痛風に効果の期待できるツボといわれています。


また足のほぼ中央には、

足心と呼ばれるツボもあります。

この足心も、痛風対策で効果的なツボ

といわれているので、刺激を加えてみてください。

いずれも足の裏にあるツボなので、

青竹ふみをすれば同時にツボ刺激が可能です。


青竹がないというのであれば、

ゴルフボールを用意して、その上に足を乗せて

刺激を加えてみる方法もあります。

このようなツボを刺激する習慣をつけることで、

痛風対策をしてみてください。


ちなみにこれらのマッサージをする時には、

水分補給をしておくと

より高い効果が期待できるようです。

水を飲むときには500ml程度、

人肌のぬるめの水を飲むように心がけてください。


痛風というと、症状は激痛を伴います。

2~3日は歩くことも難しくなるくらいの

激痛が走ると思ってください。


しかし命に係わるような深刻な病気ではない

と認識されているので、

どうしても軽視される傾向があります。

しかも1週間から10日も経過すると、

放置していても症状は治まってしまいます。

その結果、処置を怠る人もいるのです。


しかし痛風は放置していても

勝手に治癒する病気ではありません。

場合によっては、腎臓疾患をはじめとして

内臓にも悪影響の出る可能性があります。

その他にも高血圧症や糖尿病といった

より重篤な病気を合併するきっかけにも

なりかねないので、症状が出たら早めに病院で

治療を受けるべきです。


痛風という病気の深刻さをしっかりと認識して、

マッサージなど自分でできる予防は

前もって行うように心がけることが大事なのです。


リンパマッサージというものもありますが、

この場合は、ツボ刺激ですね。

足の裏や手のひらは、内臓の反射鏡と呼ばれていますので、

定期的に刺激を続けるのも良いかもしれませんね。

2022年5月21日土曜日

痛風&新薬

日本の痛風事情というか、昔は 

あまり罹患する患者が多くなかったのです。

それが1960年代ごろから患者の数が

急増するようになりました。

これは戦後の高度経済成長期の時に、

食の欧米化が進み、動物性たんぱく質を

日々の食事の中で摂取するようになったことが

関係しているといわれています。


痛風の患者の数は増え続けていて、最近では

20代の若者や女性の間でも痛風に苦しむ患者が

増えているといわれています。

そこで徐々に痛風を治療するための

新薬の開発も進められています。

痛風に効果のある新薬が開発されることは

喜ばしいことといえますね。


最近注目されているのは、

フェブキソスタットと呼ばれる成分です。

そもそもなぜ痛風になるかというと、

体内で尿酸が過剰に産生されてしまうことが

関係しています。

尿酸が血液中に過度に含まれると、

溶けきれない尿酸が出てきてしまいます。

その結果、尿酸が結晶化して関節に刺激をもたらし、

炎症を起こしてあの強烈な痛みになるわけです。


尿酸の元になるのが、食べ物の中に含まれている

プリン体です。

プリン体が体内に入ると肝臓で

尿酸に分解されるわけですが、

この尿酸を生み出すのに酵素が

一役買っていることがわかっています。


その酵素が、キサンチンオキシターゼという酵素です。

先ほど紹介した新薬成分のフェブキソスタットには、

キサンチンオキシターゼの働きを阻害する効能があります。

その結果、尿酸の産生を抑制して

痛風の発症を抑えるわけです。


実はこのキサンチンオキシターゼの働きを

抑制する薬品として既に、

尿酸生成抑制薬というものがあります。

しかしこの尿酸生成抑制薬の場合、

阻害のメカニズムと薬を服用した後の

代謝・排せつ経路の異なる所がネックでした。


このため、活性代謝物が尿の中に含まれて

排泄される形をとるので、

腎障害を抱えている患者に対しては

大量の薬を投与できなかったのです。

フェブキソスタット(フェブリク)の場合、

この問題をクリアしている所が

注目されている理由の一つです。


フェブキソスタットは体内に入ると、肝臓で 

まず代謝されます。

その後、一部は尿として、そして、その他は

便として体外に排出される特性を持っています。

このため、従来の尿酸生成抑制剤と比較すると

腎臓にかかる負担を大幅に軽減できるわけです。


腎機能が低下している患者であっても、

服用しやすくなっています。

臨床データによると、

1日1回のフェブキソスタットの服用で

尿酸の値を治療目標値まで引き下げることに

成功したとも言います。

海外でも臨床実験は行われていて、

血中尿酸値を治療目標値以下に低下させ、なおかつ、

その状態を維持させることに成功しています。


その結果、痛風関節炎の発現率も低下して、

5年後には関節炎が完全に消失した

という報告もあります。


高尿酸血症という痛風予備軍の患者は潜在患者も含め、

国内に1600万人いるといわれています。

増え続ける痛風や高尿酸血症の患者のために、

フェブキソスタット(フェブリク)は

今後、重要な役割を果たす可能性は大です。


フェブリクは副作用が(従来薬よりは)

比較的少ない、というのも魅力ですね。

長期に飲み続けることよる副作用は心配ですが、

尿酸値はしっかりと下げてくれます。


痛風&遺伝

痛風は、血液中の尿酸の量が増えることによって

発症する高尿酸血症が引き起こす病気といわれています。

高尿酸血症になると、尿酸が血液の中で

すべて溶けきれなくなってしまって、結晶になります。


この結晶はトゲトゲした形をしていて、

体内の関節などに沈着していきます。

これからが溜まりすぎると、

蓄積しきれなくなって剥がれ落ち、

それを白血球が攻撃するので、

関節に炎症を起こして強烈な痛みになるわけです。


血液検査の中に尿酸値の項目はあると思いますが、

もし血液検査を受けたときに痛風の気になる人は、

尿酸値の値をチェックすることです。

7.0㎎/dl以上の数値が出ている人は、要注意です。


尿酸の値が高くなるのは、飲み過ぎや食べ過ぎが

関係している可能性が高いです。

痛風持ちの私にとって耳の痛い話ですが、

脂っこいものや肉料理、魚料理を食べ続け、

アルコールをたくさん摂取していると、

どうしても尿酸値は高くなってしまいます。


このような不摂生をしていて

痛風に罹患をしている人が多い一方で、

健康志向の強い人の間でも高尿酸血症や痛風に

罹患する人も少なからず存在しています。

なぜ規則正しい生活を送り、

栄養バランスのとれた食生活をしていても

痛風発作が起きるかというと、

遺伝的な要因が関係しているのではないか

とみられています。


世界の中でも台湾は、

屈指の痛風大国といわれています。

この台湾でイギリスの大学が研究を行いました。

2300万人420万世帯を対象にして調査を行ったところ、

104万5000人が高尿酸血症と診断されました。


そして、両親や兄弟、子どもという第1度近親者で

高尿酸血症と診断された親族がいる人は、

自分も高尿酸血症に罹患するリスクが2倍に

上昇するというデータが出たのです。

祖父母や孫、おじ・おば、姪・甥、異母や

異父兄弟の第2度近親者に痛風患者がいると、

男性で1.27倍、女性で1.40倍痛風に

罹患するリスクが高まるということです。


遺伝的要因の他にも生活習慣をはじめとした

環境的要因も痛風の原因となりますが、

男性と女性で比較してみると

遺伝的要因による発症は男性で1/3、

女性でも1/5を占めることも判明しました。

環境的要因が主流を占めるものの、

上の実験結果からもわかるように

遺伝的要因も決して無視できないこともわかります。


そこで、もし自分の近親者に

痛風で悩んでいる人がいれば、

自分も将来、罹患するリスクがあると思って、

早めに対策を講じることが大事です。

自分でできる痛風対策もあって、

生活習慣の改善は大きな効果をもたらします。

とくに食生活を見直してみて、

偏った栄養バランスになっているのであれば、

その改善を早急に取り組むべきです。


痛風を発症する患者の多くが、

過剰にエネルギーを摂取している傾向があります。

そこでもし食事のボリュームが多いというのであれば、

少し量を減らすように意識してみてください。


日本には昔から、腹八分目という言葉があります。

この腹八分目を心がけるようにしてください。

腹八分目にして肥満対策をするのは、

高血圧や高脂血症、糖尿病などの予防にも役立ちます。


痛風において、遺伝の力は強力です。

体質が遺伝しますからね。

でも、体質は自助努力によって改善できますので、

根気強い、継続的な努力が必要です。