痛風は、血液中の尿酸の量が増えることによって
発症する高尿酸血症が引き起こす病気といわれています。
高尿酸血症になると、尿酸が血液の中で
すべて溶けきれなくなってしまって、結晶になります。
この結晶はトゲトゲした形をしていて、
体内の関節などに沈着していきます。
これからが溜まりすぎると、
蓄積しきれなくなって剥がれ落ち、
それを白血球が攻撃するので、
関節に炎症を起こして強烈な痛みになるわけです。
血液検査の中に尿酸値の項目はあると思いますが、
もし血液検査を受けたときに痛風の気になる人は、
尿酸値の値をチェックすることです。
7.0㎎/dl以上の数値が出ている人は、要注意です。
尿酸の値が高くなるのは、飲み過ぎや食べ過ぎが
関係している可能性が高いです。
痛風持ちの私にとって耳の痛い話ですが、
脂っこいものや肉料理、魚料理を食べ続け、
アルコールをたくさん摂取していると、
どうしても尿酸値は高くなってしまいます。
このような不摂生をしていて
痛風に罹患をしている人が多い一方で、
健康志向の強い人の間でも高尿酸血症や痛風に
罹患する人も少なからず存在しています。
なぜ規則正しい生活を送り、
栄養バランスのとれた食生活をしていても
痛風発作が起きるかというと、
遺伝的な要因が関係しているのではないか
とみられています。
世界の中でも台湾は、
屈指の痛風大国といわれています。
この台湾でイギリスの大学が研究を行いました。
2300万人420万世帯を対象にして調査を行ったところ、
104万5000人が高尿酸血症と診断されました。
そして、両親や兄弟、子どもという第1度近親者で
高尿酸血症と診断された親族がいる人は、
自分も高尿酸血症に罹患するリスクが2倍に
上昇するというデータが出たのです。
祖父母や孫、おじ・おば、姪・甥、異母や
異父兄弟の第2度近親者に痛風患者がいると、
男性で1.27倍、女性で1.40倍痛風に
罹患するリスクが高まるということです。
遺伝的要因の他にも生活習慣をはじめとした
環境的要因も痛風の原因となりますが、
男性と女性で比較してみると
遺伝的要因による発症は男性で1/3、
女性でも1/5を占めることも判明しました。
環境的要因が主流を占めるものの、
上の実験結果からもわかるように
遺伝的要因も決して無視できないこともわかります。
そこで、もし自分の近親者に
痛風で悩んでいる人がいれば、
自分も将来、罹患するリスクがあると思って、
早めに対策を講じることが大事です。
自分でできる痛風対策もあって、
生活習慣の改善は大きな効果をもたらします。
とくに食生活を見直してみて、
偏った栄養バランスになっているのであれば、
その改善を早急に取り組むべきです。
痛風を発症する患者の多くが、
過剰にエネルギーを摂取している傾向があります。
そこでもし食事のボリュームが多いというのであれば、
少し量を減らすように意識してみてください。
日本には昔から、腹八分目という言葉があります。
この腹八分目を心がけるようにしてください。
腹八分目にして肥満対策をするのは、
高血圧や高脂血症、糖尿病などの予防にも役立ちます。
痛風において、遺伝の力は強力です。
体質が遺伝しますからね。
でも、体質は自助努力によって改善できますので、
根気強い、継続的な努力が必要です。