2022年5月25日水曜日

痛風と運動 

 痛風は、かつては ぜいたく病といわれていて、

生活習慣が原因で引き起こされる病気と

いわれていました。

しかし、生活習慣を改めることで、

痛風対策をすることは十分可能です。


栄養バランスのとれた食事を心がける、

適度に運動する習慣をつけるようにする、

このような簡単にできる対策でも、大分

症状は改善される可能性は高いです。

しかし運動に関して注意してもらいたいのは、

激しい運動をすると かえって

症状を悪化させてしまう恐れのある点です。


例えば息が切れてしまうような激しい運動をすると、

体内が一時的に酸欠の状態になります。

酸欠になってしまうと痛風の要因である

尿酸の生成を高めてしまうのです。


しかも筋肉を過度に使うと疲労物質

といわれる乳酸が体の中にたまってしまいます。

乳酸が過度に体内にたまると、尿酸の排泄が

抑制されてしまうのです。

その結果、ますます尿酸値が上がってしまって、

痛風にとって良くない環境を作り出してしまいます。


その他には、炎天下で運動するのも避けた方が良いです。

真夏の日中に運動をすると大量の汗をかきます。

数十分も運動していると、

Tシャツが体に張り付くくらいに汗をかくものです。

このように大量の水分が汗として失われてしまうと、

血液が濃縮されます。

いわゆるドロドロ血液の状態になってしまいます。

血液が濃縮されると、尿酸も濃くなって

尿酸値の上昇から尿路結石などを

引き起こすリスクが高まります。

このように夏場の炎天下における運動や

激しい運動をした後に、逆に

痛風発作が起こってしまう恐れが高いのです。


では運動する習慣を取り入れる、しかも

痛風の発作を起こすリスクを少なくするためには

どうすればいいのでしょうか?


それは無理のない範囲内で運動をすることです。

そこで私がお勧めしたいのは、有酸素運動です。

有酸素運動とは、ウォーキングやジョギング、

サイクリングのような少し息がはずむような運動。

このような運動を取り入れると、運動した後に

スカッとさわやかな気持ちになって、

日ごろの仕事などのストレスも解消されやすいです。

有酸素運動をする時に、無理をする必要はありません。

最初のうちはジョギングをずっと続けるのはつらければ、

ラン&ウォークといって疲れたら歩く、

息が整ったらまた走る、というメニューでも

効果は期待できるようです。


有酸素運動は、さほど負荷はかからないので

何十分など長時間連続して運動できます。

そこで注意したいのは、こまめに水分を補給することです。

運動を長時間すると、冬場でも汗をそれなりにかきます。

そこで意識して水分を摂取するように心がけてください。

のどが渇く前に水分を補給するのがお勧めです。

また体調の悪い時には休息し、無理なく運動を

続けられるようにしていきましょう。


運動は何でも良い、というわけではないのですね。

スポーツが得意な人にとっては、

ゆっくりとした有酸素運動では

物足らないかもしれませんが、

それでも痛風改善に一役買ってくれます。

運動は継続するのが難しいですが、

できる範囲で続けていきましょうね。