2022年6月6日月曜日

痛風の市販薬 

痛風の発作というのは、ある日突然

やってくる感じですね。

初期症状として、足の先の所に

ピリピリとした違和感があったかなという程度だったりね。


痛風の発作が起きて、少し痛みの治まってきたところで

医者の診察を受けて治療を始める場合が多いです。

この時、医者から痛み止めの薬と

尿酸値を低くする効果のある医薬品を処方されたりします。


しかし初めての発作の時には、

このような薬が用意されていません。

ですから、ずっと痛みにどうすることもできずに

ただただ我慢をするしかありません。


2~3日程度痛みがずっとあって、

徐々に治まっていくような感じ、というパターンが多いですが、

中には「動けなくなるような痛みに3日も我慢はできない」

と感じる人もいるかもしれません。

そこで

「痛みがなくなればいいのだから、

市販の痛み止めを飲んで乗り切ればいいのではないか?」

と考える人も出てきそうです。


しかし市販の痛み止めの中には、服用すると

かえって症状を悪化させてしまうような種類もありますので、

注意しないといけません。

もし自宅に鎮痛剤を常備しているというのであれば、

その成分を確認すべきかも。


痛み止めの市販薬の中には、アスピリンを

主成分としている痛み止めの薬も見られます。

実はこのアスピリン、痛風の痛み止めとしては

服用しない方がいいといわれています。

アスピリンには痛みを抑制する効果の他にも、

尿酸値を下げる作用があるからです。


このように言われると、

「痛風の原因は尿酸だから尿酸値が低くなるのは

むしろ歓迎すべきことなのではないか?」

と考える人も出てくるかもしれません。

しかし発作の出ているときに、急激に

尿酸値を下げるアスピリンを体内に入れてしまうと

尿酸の結晶化を却って促進させてしまいかねないので。

このため、痛みがどんどんひどくなったり、

症状が長期化してしまったりする恐れがあるわけです。


もし痛みに耐えられないので何とか

市販の痛み止めで急場をしのぎたいと思うのであれば、

イブプロフェン系の痛み止めの薬が市販されています。

イブプロフェン系の痛み止めであれば、

アスピリン系のような尿酸値に何らかの影響を与えることなく、

症状だけを緩和してくれるので後々

症状が悪化してしまうという危険性も少ないです。


ただし市販の痛み止めを使うのは緊急避難としてであって、

本格的な治療は医者にお願いすべきです。

早めに病院を受診してください。


来たるべき (?) 痛風発作のときに備えて、

痛み止めの薬は常備しておいた方がいいかもしれませんね。

備えあれば憂いなし、っていいますし。


2022年6月5日日曜日

尿酸値と酒

痛風はお酒好きの宿命、なんて言われます。

毎日アルコールを楽しむ生活を送っていると、

いずれ、痛風発作を見舞われることになる、

というわけです。


ただ、そうは言ってもお酒好きの人は、日ごろ

痛風のリスクを意識して生活しているわけでは

ないですよね?

周りに痛風の人がいても、どこか他人事のような感じで

「自分は大丈夫だ」なんて、根拠のない確信を

持ったりしてしまう人もいるかもしれません。

だからこそ実際に痛風の激痛に見舞われた時の

ショックも大きいというものです。


どうしてお酒を飲む人が痛風になりやすいのか、

現在ではいろいろな説が出ています。

患者のおよそ9割が男性と言われていますから、

単にお酒だけの問題ではないのは間違いないのでしょうが、

やはりお酒を飲むことで尿酸値が上昇してしまうのが

大きな問題のようです。


すでに痛風の人はお酒にはプリン体が

多く含まれていることをご存知でしょう。

ビールが元凶のように扱われる場合もあります。


尿酸の原料となるプリン体を多く摂取することで

尿酸値を挙げてしまい、

高尿酸血症の原因を作ってしまうわけです。

食品にもプリン体が多い食品があり、

痛風対策には食生活の改善が

欠かせないといわれていますが、

食品の場合には、毎日同じものばかりを

食べるものではありませんので、

よほど偏った食生活を送らない限り、

尿酸値に大きな影響を与えることはないといいます。


しかし、お酒の場合はビールならビールで

毎日同じものを飲むことになります。

「わたしは○○の銘柄じゃないと飲まない」なんて

こだわっている方もいますよね?

痛風は高尿酸血症がある程度の期間続いた結果

発症するものですから、

やはりお酒がもたらす影響は大きいのです。


となると大事なのがお酒の節制。

痛風対策ではお酒を控えましょう、

なんてよく言われますが、

はっきり言って無理です。

言うは易し、行なうは難しというもの。

これまでお酒が好きで飲んできた人が

ある日バッタリ断つなんてできるでしょうか?

これは意志が弱いとか、やる気がないといった問題で

片付くものではないと思います。


痛風に限らず、健康対策は

無理のない範囲内で継続して行っていくことが

大事なわけですから、あくまで

現実的な範囲内で続けられる方法が大事です。


そこでよく言われる対策法が、

できるだけプリン体が含まれていない

お酒を選ぶというもの。

ビールが元凶扱いされるのも

プリン体の含有量が多いから、

しかもアルコール度数も低くたくさん飲めるから、

というのもあります。


100ミリリットル中に含まれるプリン体は

5~7ミリグラム程度、

さらに地ビールともなれば7~16ミリグラムにも達します。

これを尿酸に換算すると5~19ミリグラムになります。

100ミリリットルでこの数字なわけですから、

いかに多いかがわかるというものです。

その代わりにプリン体の含有量が少ないウイスキーや

焼酎に切り替えればよいというわけです。


なお、アルコールそのものが肝臓で

分解される過程で尿酸を作ってしまいます。

ですからプリン体が少なく、

アルコール度数が高い焼酎、ウイスキー

といった蒸留酒の方が痛風持ちのお酒好きには、

よいということになりますね。


お酒が好きで止められない人は→量を減らす

あるいは、飲む日を減らす、というところに

落ち着くみたいです。

いわゆる、休肝日ってヤツですね。

飲めない日はツライかもしれませんが、

翌日の飲める日は、おいしさ倍増かも。

尿酸値と腎機能

尿酸値は日常生活で

なかなか確認する機会がないのが問題なんですよね。

これが血糖値とか血圧なら、日々確認しながら

対策の効果が上がっているのか、問題がないかどうかを

逐一チェックすることができるわけですが、

医療機関や検査キットなどを利用しないと

確認できないので成果が出ているのかどうか、

なかなか手ごたえも得られませんし、

モチベーションの維持も難しいのです。


この尿酸値に関してもうひとつ厄介なのが

腎機能との関わり。

腎臓は異常が生じても

なかなか自覚症状があらわれにくいため、

状況を把握するのが難しいのです。

この痛風対策を行っていく際には、

この尿酸値と腎機能の確認しにくさを

踏まえておかなければなりません。


腎機能の何が厄介かといいますと、

尿酸値を上げる原因になると同時に

尿酸値の上昇の影響を受けてしまうということです。

体内で発生した尿酸は腎臓から尿として排出されます。

尿酸値が上昇する原因には

「尿酸の生成量が多くなる」

「尿酸の排出量が少なくなる」

「両方が同時に発生する」

の3つがありますが、このうち腎機能は

排出と深く関わっています。


プリン体の少ない食品を食べるよう心がけ、

ビールからウイスキーや焼酎といった蒸留酒に

切り替えて尿酸の生成量を減らしても

排出量が減ってしまうと尿酸値は高くなってしまうのです。

痛風対策では、この尿酸の排出量の維持にも

注意しなければならないのです。


痛風は尿酸値が高い高尿酸血症が続いた結果

起こります。

尿酸値が高い状況は腎機能にも負担をかけ、

機能低下をもたらしてしまいます。

その結果、尿酸をうまく排出させることが

できなくなってしまい、さらに尿酸値が

上昇しやすい状態になってしまうのです。

それがますます尿酸を体内に溜め込みやすい環境を

もたらし…と悪循環、

負のスパイラルへと突入していくわけです。


問題なのは腎機能の低下は尿酸の排出だけでなく、

水分や老廃物の排出をも

うまくできなくさせてしまうことです。

体のむくみは腎機能障害の典型的な症状ですが、

それが悪化すると

慢性腎障害へと発展していくことになります。

腎機能が正常の30パーセント以下しか

機能していない状態を腎不全といいますが、

そうなると人工透析、さらには

臓器移植といった治療が必要になります。


痛風の症状というとまず足指の激痛が思い浮かびます。

結晶化した尿酸が腎臓に蓄積して

結石をもたらすこともあるので

これも注意しなければなりません。


こうなると腎臓をいたわることも

痛風対策には欠かせません。

とくにお酒のつまみに

甘いものや塩辛いものを食べる習慣がある人は要注意。

アルコールだけでなく、こうしたつまみが

腎臓に負担をかけてしまっている可能性もあるのです。

腎機能は一度損なわれると回復がほとんどできないです。

そうならないためにも痛風対策と腎機能の確認は

セットで行っておきたいところです。


腎臓は黙って悪くなってしまったりするので、

やっかいです。

特に痛風の人は、腎臓が弱点ですから、

尿酸値が高くなり過ぎないよう、血圧が高くなり過ぎないよう、

常日頃、気をつけることが肝心かもしれませんね。

2022年6月4日土曜日

尿酸値とは?

尿酸値とは

その名前の通り体内に含まれている尿酸の数値です。

具体的には1リットルの血清中に、

尿酸がどれぐらい (ミリグラム単位) 含まれているかで

計測されます。

この数値が基準値を超えてしまうと

高尿酸血症と診断されるのです。


痛風とは、この高尿酸血症が続いた末に

激痛の発作を伴いながら発症する病気です。


この尿酸値の基準値については

少々曖昧な面もあります。

最近、血圧や血糖値などの数値も

基準値が変更されるなどして

批判されていますよね?

これまで自分は異常だと思って

病院で治療を受けていたのに、

変更によってじつは正常値だと判明した、など。

健康ブームの一方では

こうした胡散臭い部分もあるわけですが、

尿酸値においても似たような面があります。


よく知られている基準値では

男性は「3.8~7.5mg/dl」

女性は「2.4~5.8mg/dl」の範囲内とされています。

しかし、この数値は現在ではあくまで参考程度、

基準を超えているからといって、必ずしも

痛風のリスクを抱えているわけではない

とも言われています。


なお、作られた尿酸は血液の中に溶けていきますが、

血中の濃度が「7.0mg/dl」を越えると、

溶け切れずに結晶化してしまうとされているため、

現在では男女を問わず「7.0mg/dl」が

高尿酸血症のボーダーラインとして設定されています。


どうして尿酸値が上昇するのでしょうか?

お酒好きの人なら「お酒を飲みすぎるから」と即答するかも。

お酒、とりわけビールには

尿酸の原料となるプリン体が多く含まれているため、

体内の尿酸の量が増えてしまうのです。


そのため、かつては

禁酒を含めた食生活の改善が

痛風対策の最大のポイントとされていました。

厳しい食生活の改善を医師から言い渡されて、

ウンザリした経験がある方も

多いのではないでしょうか?


しかし、現在では必ずしも、

お酒や食事の問題だけが尿酸値を上げる原因ではない、

ということがわかってきています。

それどころか体内で作られる尿酸の大半は、

食事から摂取したプリン体ではなく

体内で作られるプリン体から作られているというのです。


しかも、体内で作られるプリン体は、

新陳代謝やエネルギー消費といった

生きていく上で絶対に必要な活動によって作られます。

痛風といえば、運動不足で肥満気味の人になりやすい

というのが一般的なイメージですが、

急激な運動をすることでも尿酸値が上昇するのです。

意外ですね。


また、アルコールと尿酸値の関係では

プリン体以外にも知っておくべきポイントがあります。

それは肝臓でアルコールが分解される過程でも

尿酸が作られること。

ですから、焼酎やウイスキー、ブランデーといった

プリン体が少ないお酒を飲んでいれば大丈夫とは

必ずしもいえないわけです。

お酒好きには、かなりガッカリな話です。


もうひとつ、知っておきたいのが尿酸の排出について。

これまでは

もっぱら作られる尿酸が増えることについて触れましたが、

うまく体外に排出できないことでも尿酸値は上がります。

乱れた食生活やお酒の飲みすきで腎臓機能が低下している人は、

こちらの方にも注意が必要です。


尿酸値が高めの人には、体質的なこともあり、

なかなか下がりませんが、少しずつでも

改善できるよう、今できることを積み重ねていくのが

良いように思います。


尿酸値を上げる食べ物?

尿酸値を上げる食べ物と下げる食べ物があります。

前者を摂取しすぎると痛風のリスクが高まり、

後者を摂取するよう心がけると

症状を軽減することができる、というわけです。


痛風になる人は、まず食べること、飲むことが好きで

尿酸を増やしやすい食生活を送っている人が

多いような気がします。

そのため、まず尿酸値を上げる食べ物に注意することが

対策の第一のポイントに。


尿酸値を上げる食べ物にはいろいろなものがあります。

よく注意点として指摘されるのが、

一般に健康によいと考えられている食べ物の中に

尿酸値を上げてしまうものがあること。


尿酸値で注意すべきはプリン体の含有量であって、

ビタミンやミネラルといった栄養素とは別なのです。

そのため、あくまでプリン体の含有量に注意したうえで、

食べ物のチェックを行っていく必要があります。


食べ物に含まれるプリン体の含有量をチェックする上で

注意したいのが全体の摂取量の目安です。

含有量は通常100グラム中に

どの程度含まれているかで記されます。


しかし、実際の摂取量は食品によって異なります。

たとえば痛風の元凶扱いされるビールは

100ミリリットル中の含有量は

5~7ミリグラム程度、食品に比べれば

かなり低い数字ですが、摂取量が多くなるため

尿酸値を上げてしまうのです。

逆に100グラム当たりの含有量が多くても、

それほど摂取しない食べ物なら

それほど神経質に考える必要はない

ということになります。


この点を踏まえつつ

尿酸値を上げる食べ物について見ていきましょう。

筆頭は、鶏のレバーとマイワシの干物。

1人前の摂取量はだいたい80グラム程度ですが、

そこにプリン体が約240~250ミリグラム含まれています。

1日のプリン体の標準摂取量は400ミリグラムですから、

かなり多い量といえます。

レバーは豚、牛も鶏ほどではないものの多いので要注意です。


あと、干物に限らず魚類にもプリン体が多いので

気をつけましょう。

肉よりも健康によいといわれているだけに、

まったく摂らないのではなく

栄養バランスとの兼ね合いが大事です。


それから、あまりなじみのない食べ物では

酒蒸しのあん肝。

居酒屋でお酒のつまみとして食べる人もいるはず。

100グラム中の含有量は約400ミリグラム。

これだけで1日分を満たしてしまいます。

もっとも1人前の量は15グラムほどですが、

お酒の勢いに乗って

たくさん食べ過ぎてしまうと大変なことになります。


ただし、ビタミンやミネラルも

痛風対策では必要です。

これらの栄養分が不足すると尿酸の排出が

スムーズに行かなくなってしまい、

体内に溜め込みやすくなってしまうからです。


尿酸値のコントロールは尿酸の生成量を減らしつつ

排出を増やすことが大事です。

しかも体内で作られるプリン体の8割は、

食事以外の要因と言われていますから、

正常に排出できる環境がとても大事なんです。

ですから栄養バランスの取れた食生活も絶対に欠かせません。

プリン体が少ないからといって同じ食材ばかりを食べるなど、

栄養が偏ってしまう食生活にも気をつけましょう。


いまや、プリン体といえば、痛風じゃない人でも

知っているくらい有名になってしまいましたが、

どういう食品にプリン体が多いのか。

知っているだけで、食べるものを選択するのに

役立つかもしれませんね。

2022年6月3日金曜日

痛風の末期 

痛風の症状は、とにかく足の親指の付け根を中心として

関節で異常な痛みが起きることに集約されます。


しかし初期症状を見てみると、

しばらく強烈な痛みが続くものの

がまんしていると、とりあえず症状が治まってしまうのです。

このため、仕事が忙しいとか病院に行くのが

面倒と感じてしまう人は、症状が治まってしまうと

病院へ行かないケースもあります。

しかし痛みが治まったことと痛風が治ったことは

イコールではありません。


たとえば初期症状の場合、

1~2週間くらい痛みが続いていて治まっていたとします。

そのとき適切な治療を受けないと再発します。

症状が進めば進むほど、その再発の間隔は

どんどん短くなってしまいます。

痛む頻度がどんどん多くなってしまって、

関節のコンディションも悪化してしまいます。


痛みが治まらない段階で、今度は

別の所で痛みが現れるような状態になって、

関節炎が慢性化してしまいます。

それでも我慢して医者に行かないでいると、

末期症状として痛風結節というものを発症します。

関節で痛みの感じられていたものが、別の場所で

今度は尿酸の結晶が蓄積されてしまうのです。


その結果、こぶのようなものが体のいたるところに

できてしまいます。

こうなってしまうと痛風の症状としては末期的ですし、

他の病気を発症するリスクも高まってしまいます。


痛風の人は尿酸値の高い状態が続くので、

尿路結石なども引き起こしやすくなる

といわれています。

そして結石が尿管を傷つけるなどして、

血尿が出る恐れも高まります。

また結石などの負担のせいで、腎機能が低下し

腎不全に陥る危険性もあります。


その他には、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞

といって治療が手遅れになってしまうと

命の危険にも結びつくような

重大な病気のきっかけになる可能性も高まります。

このように痛風を放置していて症状を悪化させても、

ロクなことにはならないといえます。


ですから足の付け根の所に

猛烈な今まで体験したことのない痛みを感じたのであれば、

早めに医者の診察を受けることが大事なのです。

痛風は、そのままにしておいても

決して治癒しないということは頭の中に入れておきたいところ。


一部、無症候性高尿酸血症という、

痛みの自覚症状はないけれども

尿酸値の高い状態が続いている人もいます。

中には症状が全く出ないけれども高尿酸血症で、

いつ痛風を発症してもおかしくない状態で

5~10年経過している人も見られます。

このような症状を抱えている人の場合、

いきなり症状が顕在化した時には

中期から末期の症状になる可能性も考えられます。


そこで、できれば定期的に血液検査を受けて

尿酸値の値をチェックするように心がけることが大事です。

痛風も、軽視していると命にかかわる病気の原因

となりうるという点を

決して忘れないようにしてください。


痛風の末期症状なんて考えたくもないですが、

一番怖いのは、合併症です。

命にかかわるものもあるので、早い時期から

注意が必要ですね。


痛風と漢方 

痛風の発作が起きたとき、一般的に

西洋医学に即した薬を使った治療をしてもらうことになります。

痛風の痛みを抑える薬であるとか、

痛風の原因となる尿酸を少なくする薬などを。


しかし、痛風を治療する投薬アプローチとして、

漢方薬を使った方法も最近注目されています。


漢方とは、知っている人も多いかもしれませんが、

中国で古代から伝わる伝統医学で、

動植物や鉱物など天然由来のものを原料にして

薬を作り、処方していきます。


西洋医学で使われる薬の場合

即効性が高い半面、副作用の起きる危険性のある種類も

たくさんあります。


しかしながら、漢方薬の場合天然由来のものなので、

副作用の起きるリスクは少ないです。

実際医療の現場でも漢方薬の価値が再認識されてきていて、

病気の治療に漢方薬を処方する医者も増えてきています。


漢方の世界においては、

病気は血毒と食毒、水毒の3つに分類できる

と考えられています。


漢方医学の考え方に基づくと、痛風は

食毒の一つと判断します。

そこで食毒に効果が期待できる漢方薬を処方して、

症状の治療を図ります。

痛風への効果が期待できる漢方薬として、

2種類のものが処方される可能性が高いです。


まずは、防風通聖散です。

防風通聖散は、腹部の皮下脂肪の量が多く、

便秘や高血圧の傾向を持っている人に対して

処方されることが多いです。

痛風の他にも、便秘やむくみ、肩こり、動悸などの治療で

用いられることがあります。


大柴胡湯も痛風のときに使用されるケースが多く、

その他には

肝臓や胆のう、胃腸の疾患、便秘や肥満の解消に

効果が期待できるといわれています。


痛風発作として、足の親指を中心として

強烈な痛みが襲ってきます。

経験したことのある人しかわからない、

どうにもならない痛みです。


そこで医者の診察を受けると、とにかく

発作を抑えるために痛み止めの薬が

処方されることも多いです。

漢方薬の中には、発作を抑制できる種類もありますので

ここで紹介しておきます。


まずは越婢加朮湯という漢方薬があります。

尿量が少なめな人向きの薬といわれていて、

痛風の他にも関節リウマチに対して効果が期待できます。

体の熱や腫れを取り除くことで、

痛みを発散させる効果が期待されています。


冷え性気味で、ちょっとしたことで

すぐに むくむ人におすすめなのが、

よく苡仁湯[ヨクイニントウ]です。

尿量を増やすことでむくみの原因となっている

余分な水分を排出していきます。

その他にも関節や筋肉の痛みを緩和させ、

痛風の痛みの症状を改善していきます。

漢方薬は西洋医学の医薬品と比較すると、

確かに副作用のリスクは少ないです。


けれども、ゼロというわけではありません。

漢方薬を販売しているお店で直接購入も可能ですが、

副作用が起きたケースを考えて、まずは

主治医に使用してもいいのかどうか相談してみることです。


特に他にも何らかの病気を抱えている場合には

ほかの薬との兼ね合いもあるので、

確認した方が良いかもしれません。


漢方薬というのは、基本的に体の中に“毒”をいれて、

体がそれを吐き出すチカラを利用して、

体内の良くないモノを排泄することによって体調を改善します。

世の中、西洋薬だらけですが、漢方薬について

少しでも知っていると、治療の選択肢が

増えるかもしれませんね。


2022年6月2日木曜日

痛風と痛み 

痛風の症状は、とにかく痛み、それも強烈な痛みです。


どこに痛みが起きるかですが、

足の親指であることが多いです。

患者のうちの7割くらいの人は足の親指に強烈な痛みを

感じている、というデータもあります。

イメージとしては、タンスの角などに

小指をぶつけたときよりも

強い痛みがしばらくの間続くような感じだ

と思ってください。


ただし残りの3割くらいの人は、

別の所が痛んでいます。

しかし足関節がほとんどです。

足の甲やアキレス腱、くるぶし、足の裏、膝

といったところです。

一部ひじや手首、手の指先に

強烈な痛みを覚える患者もいます。


ただし痛風の痛みの特徴として、

どこか1カ所が痛むケースがほとんどです。

上で紹介した箇所が同時多発的に起きることはありません。

私の経験からすると、そのような事態になれば

おそらく街中でも

うずくまってしまうような状態になるはずです。


捻挫や打撲のような足にダメージのある時には

特に注意が必要です。

捻挫や打撲は、炎症を体内に引き起こします。

この炎症が一種の刺激になって、

痛風の発作を引き起こすこともありうるといわれています。


発作が起きてしまった時には、とにかく安静にすることです。

あまりに痛みがひどいので

何とかしようと思ってしまいがちですが、

ここで無理に動こうとすると症状の悪化を招く恐れがあります。


でも、もし平日に痛みが起きたのであれば、

できるだけ仕事も休むようにしてください。

発作が起きると、激痛の起きている個所が腫れあがるはずです。

この腫れた箇所を氷などで冷やすように努めてください。


もしもの場合のために、氷嚢などを準備しておくといいです。

そして症状が治まってきたところで、とにかく

病院で診察を受けてください。

発作が治まると、もう少し様子を見てから

と考える人もいるようですが、

受診を先延ばしにしても発作が治まることは

ありえないからです。

むしろ痛みの頻度が増えるだけです。


痛風発作の痛みは、筆舌に尽くし難い痛みな上に、

さらに突然、やってきます。

本当に、やっかいですね・・


痛風と腎臓 

痛風というのは、尿酸値が血中で

高くなってしまって尿酸が

結晶化することで起きる症状です。

足の親指の付け根の所に激痛を招きます。

風にあたって痛いと書きますがまさにその通りで、

ちょっとした刺激でも大の大人が

うめいてしまうような激痛を招きます。


痛風はしばらく我慢していると、

徐々に症状は落ち着いてきます。

このため、病院で適切な治療を

受けない人もいるようですが、

痛風が原因となってほかの症状を招くことがあります。

その中の一つに、痛風腎という病気があります。


痛風にかかると、結晶化した尿酸が刺激をして

激痛や腫れを引き起こします。

この尿酸の結晶は、足の親指の付け根だけでなく、

全身の組織にできます。

腎臓に尿酸の結晶ができる可能性も十分あるわけです。


もしこの結晶が腎臓の中でどんどんたまってしまうと、

腎機能を低下させてしまうのです。

痛風腎にかかった人を見てみると、

結石ができやすくなります。


もし結石が腎臓の中にできてしまって、

尿をする時に結石も移動すると

尿道を傷つけてしまうことがあります。

そうすると、腹部や背中に激痛を伴ったり、

血尿が出てきてしまったりする恐れもあります。

痛風腎になってしまったのであれば、こちらの治療も

医療機関で行うことになります。


痛風腎の治療は、尿のペーハーを

調整する所から始めます。

ペーハーが低い、すなわち酸性に傾いた尿から

アルカリ性に傾かせることで

結石対策をするわけです。

そのためには、投薬治療の他にも

十分に水分を摂取する治療がなされます。

水分を十分にとって、尿の量を増やすわけです。


ただし尿のペーハーを必要以上に上昇させるのも、

危険が伴います。

今度はカルシウム結石ができやすくなってしまうので、

同じように腹部や背中の所に痛みを感じてしまう恐れが

出てくるからです。

いかにバランスの取れたところで

ペーハーを維持するかがポイントになります。


痛風腎は、そもそも痛風にかかっていることで

発症する病気です。

結石などができないような治療と同時に

大元の痛風の治療も行っていきます。

具体的には、尿酸の生成をさせないようにして、

尿酸の排泄を進めていって、

血液の尿酸値を低くしていきます。

尿酸の生成を阻害したり、

排せつを促したりする薬があります。

このような薬を使って治療し、推移を見守ります。


痛風は合併症を引き起こす可能性があるので、

決して軽視すべきではありません。

腎臓で発症すれば、痛風腎となりますし、

心臓で起きれば虚血性心疾患を発症する可能性があります。


その他にも

脳血管障害や動脈硬化症、脂質異常症などの

病気のきっかけになる恐れがあります。

痛風の自覚症状が現れたら早めに

専門の医療機関で治療を受けることが、

上で紹介したその他の病気の発症予防になるわけです。

医者の治療と生活習慣の見直しをして、

痛風を克服していってください。


痛風で一番怖いのは、痛風発作ではなく、

合併症だといいますからね。

将来に苦しい思いをしないためにも、

今から気をつけていきたいです。


2022年6月1日水曜日

痛風と対策 

痛風と診断されると、医者から

日頃の生活面での注意がなされます。

痛風は生活習慣が原因で 

り患する人がほとんどなので、生活習慣を見直します。

対策の基本は主に以下で紹介する3点に

集約されると思ってください。


まずは食習慣の見直しをすることです。

痛風は尿酸が体内に溜まるのが原因で、

尿酸はプリン体を分解するときに生成されます。

そこでプリン体の多い食べ物は控えないといけません。


プリン体の多い食材とされているのは、

牛や豚、鳥の各種レバーやサンマの干物、マイワシ、

大正エビ、豚肉や牛肉、カツオなどといわれています。

このような食材は

なるべく摂取しないようにすることが大事です。


肉料理や魚料理はなるべく控えるようにすれば、

食物から摂取するプリン体の量を少なくできます。


また痛風持ちの人は、

尿路結石にかかりやすい傾向があるので

注意しないといけません。

尿路結石対策としては、なるべくこまめに

水分を摂取する習慣をつけてください。


その他には尿酸が結晶化するのは、

私たちの尿が酸性に傾いたときです。

そこでアルカリ性に中和するような食材を

常日頃から食べるように習慣づけることも大事です。

アルカリ性に尿を傾けられるのは、

緑黄色野菜やゴボウや芋類、海藻類などです。

簡単に言ってしまえば、脂肪分の多い食事は控えて、

野菜や果物をたっぷりと食べるようにすべきです。


痛風患者の中には肥満体の人が多い、ともいわれています。

そこでお腹の出っ張りの気になる人は、

運動する習慣をつけるのも痛風対策としては有効といいます。


しかし運動といっても、激しい運動や

筋トレのような筋力を使うメニューは

逆に尿酸値を上昇させてしまいます。

アスリートの中でも痛風持ちの人はいますが、

激しい運動が発症の要因につながっている

と考えられるケースも見られます。

ですから運動をするのは良いですが、

長時間続けられるような運動負荷自体は

さほどではないメニューを取り入れてください。


運動を普段ほとんどしないという自覚を持っている人は、

ウォーキングのような運動であれば、

すぐに取り掛かれるのではありませんか?


尿酸値を上昇させる要因として

特に現代人が頭の中に入れておいてほしいのは、

ストレスです。

日ごろからストレスを過剰に溜めないように心がけることも、

実は痛風発症対策では有効なのです。


1週間にどこかで休息日を設け、その日は

趣味に没頭できるような時間を確保してください。

その他にも先ほど紹介した運動をするのも、

ストレス解消には効果があるとされています。


その他には、バラエティ番組やDVDなどを鑑賞して

笑うように心がけるのもストレス解消するには効果的です。

個人差があるので、自分にとって

ストレス解消しやすい楽しいことは

何かを探してみてください。


痛風の対策は、食事や運動やストレスなど

多岐にわたりますが、あまり肩に力を入れずに、

気楽に取り組んでいけばいいと思います。

どうしてもやらなきゃ・・となると、長続きしませんしね。


痛風と腫れ 

風が当たってもいたい、などと表現される痛風は、

いったん発症すると、とんでもない痛みが起こります。

身動きが取れなくなるくらいの激痛に見舞われます。

プラスして、発症すると患部が腫れてきます。

痛みとともに、患部の所に熱を帯びるので、

きついだけでなく不快感も伴います。


ところで痛風を発症している人を見てみると、

足の親指の所に痛みや腫れを引き起こすケースが多いです。

理論上は、どの関節でも痛風の発作が起きても

おかしくないのですが、足で 

り患するケースが大半です。


なぜかというと、いくつか理由があります。

まずは、尿酸の結晶の特性が関係しています。

尿酸が過剰に溜まって結晶化することによって、

痛風の痛みや腫れが起こります。

尿酸の結晶は、ほかの物質と比較すると重量があります。

このため、重力の関係で下の方に沈む傾向があって、

足の関節で痛みを感じるケースが多くなるわけです。

地球に重力があって、私たちは二足歩行をしています。

このため、痛風は足で起きるのが、いわば

運命的に決まっているといえます。


痛風を発症した時には、

何が起きたかわからないと思います。

ありえない痛み、急に襲ってくる痛みで

事態をなかなか飲み込めないはずです。

そこでまずは痛んでいるのが足の親指かどうか、

そして、赤黒く腫れあがっていないかどうかを

確認してください。

指をどこかに強くぶつけた自覚がないのであれば、

痛風の可能性が大です。

その場合には、まず安静にすることが大事です。


そして横になった時に、足元に

クッションや座布団でも何でも構わないので

足を高くできるようにセットしてください。

そうすることで、尿酸の結晶が上の方に移動してくれます。

その上で、足の親指など腫れあがっている個所を

アイシングすることです。

このようにしばらくしていると、

痛みはだいぶ治まってきます。

そして動けるようになったところで、早めに病院に行って

診察と治療を受けるようにしてください。


痛風にかかってしまった場合には、とにかく

しっかりと治療することが大事です。

治療をおろそかにしてしまうと、今後も

繰り返し発症する可能性が出てきます。

しかも発作を繰り返していく中で、

痛みの起きる箇所が引っ越すこともあります。

通常は足の関節の中でうろうろと

腫れや痛みの起きる箇所が変わります。

かかとやくるぶし、膝といったところで痛みが出てきます。


しかし中にはもっと上の関節の方

で腫れや痛みを感じるケースも報告されています。

ひじや肩の所が腫れて、強烈な痛みを

引き起こすケースもありますので注意してください。

痛風対策は決して軽視しないことです。


痛風発作に腫れと痛みはつきものですが、

早く治まってほしいですね。

痛風発作は年々、酷くなる場合もありますので、

早めに対処するのが望ましいです。