痛風の発作が起きたとき、一般的に
西洋医学に即した薬を使った治療をしてもらうことになります。
痛風の痛みを抑える薬であるとか、
痛風の原因となる尿酸を少なくする薬などを。
しかし、痛風を治療する投薬アプローチとして、
漢方薬を使った方法も最近注目されています。
漢方とは、知っている人も多いかもしれませんが、
中国で古代から伝わる伝統医学で、
動植物や鉱物など天然由来のものを原料にして
薬を作り、処方していきます。
西洋医学で使われる薬の場合
即効性が高い半面、副作用の起きる危険性のある種類も
たくさんあります。
しかしながら、漢方薬の場合天然由来のものなので、
副作用の起きるリスクは少ないです。
実際医療の現場でも漢方薬の価値が再認識されてきていて、
病気の治療に漢方薬を処方する医者も増えてきています。
漢方の世界においては、
病気は血毒と食毒、水毒の3つに分類できる
と考えられています。
漢方医学の考え方に基づくと、痛風は
食毒の一つと判断します。
そこで食毒に効果が期待できる漢方薬を処方して、
症状の治療を図ります。
痛風への効果が期待できる漢方薬として、
2種類のものが処方される可能性が高いです。
まずは、防風通聖散です。
防風通聖散は、腹部の皮下脂肪の量が多く、
便秘や高血圧の傾向を持っている人に対して
処方されることが多いです。
痛風の他にも、便秘やむくみ、肩こり、動悸などの治療で
用いられることがあります。
大柴胡湯も痛風のときに使用されるケースが多く、
その他には
肝臓や胆のう、胃腸の疾患、便秘や肥満の解消に
効果が期待できるといわれています。
痛風発作として、足の親指を中心として
強烈な痛みが襲ってきます。
経験したことのある人しかわからない、
どうにもならない痛みです。
そこで医者の診察を受けると、とにかく
発作を抑えるために痛み止めの薬が
処方されることも多いです。
漢方薬の中には、発作を抑制できる種類もありますので
ここで紹介しておきます。
まずは越婢加朮湯という漢方薬があります。
尿量が少なめな人向きの薬といわれていて、
痛風の他にも関節リウマチに対して効果が期待できます。
体の熱や腫れを取り除くことで、
痛みを発散させる効果が期待されています。
冷え性気味で、ちょっとしたことで
すぐに むくむ人におすすめなのが、
よく苡仁湯[ヨクイニントウ]です。
尿量を増やすことでむくみの原因となっている
余分な水分を排出していきます。
その他にも関節や筋肉の痛みを緩和させ、
痛風の痛みの症状を改善していきます。
漢方薬は西洋医学の医薬品と比較すると、
確かに副作用のリスクは少ないです。
けれども、ゼロというわけではありません。
漢方薬を販売しているお店で直接購入も可能ですが、
副作用が起きたケースを考えて、まずは
主治医に使用してもいいのかどうか相談してみることです。
特に他にも何らかの病気を抱えている場合には
ほかの薬との兼ね合いもあるので、
確認した方が良いかもしれません。
漢方薬というのは、基本的に体の中に“毒”をいれて、
体がそれを吐き出すチカラを利用して、
体内の良くないモノを排泄することによって体調を改善します。
世の中、西洋薬だらけですが、漢方薬について
少しでも知っていると、治療の選択肢が
増えるかもしれませんね。