2022年6月3日金曜日

痛風の末期 

痛風の症状は、とにかく足の親指の付け根を中心として

関節で異常な痛みが起きることに集約されます。


しかし初期症状を見てみると、

しばらく強烈な痛みが続くものの

がまんしていると、とりあえず症状が治まってしまうのです。

このため、仕事が忙しいとか病院に行くのが

面倒と感じてしまう人は、症状が治まってしまうと

病院へ行かないケースもあります。

しかし痛みが治まったことと痛風が治ったことは

イコールではありません。


たとえば初期症状の場合、

1~2週間くらい痛みが続いていて治まっていたとします。

そのとき適切な治療を受けないと再発します。

症状が進めば進むほど、その再発の間隔は

どんどん短くなってしまいます。

痛む頻度がどんどん多くなってしまって、

関節のコンディションも悪化してしまいます。


痛みが治まらない段階で、今度は

別の所で痛みが現れるような状態になって、

関節炎が慢性化してしまいます。

それでも我慢して医者に行かないでいると、

末期症状として痛風結節というものを発症します。

関節で痛みの感じられていたものが、別の場所で

今度は尿酸の結晶が蓄積されてしまうのです。


その結果、こぶのようなものが体のいたるところに

できてしまいます。

こうなってしまうと痛風の症状としては末期的ですし、

他の病気を発症するリスクも高まってしまいます。


痛風の人は尿酸値の高い状態が続くので、

尿路結石なども引き起こしやすくなる

といわれています。

そして結石が尿管を傷つけるなどして、

血尿が出る恐れも高まります。

また結石などの負担のせいで、腎機能が低下し

腎不全に陥る危険性もあります。


その他には、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞

といって治療が手遅れになってしまうと

命の危険にも結びつくような

重大な病気のきっかけになる可能性も高まります。

このように痛風を放置していて症状を悪化させても、

ロクなことにはならないといえます。


ですから足の付け根の所に

猛烈な今まで体験したことのない痛みを感じたのであれば、

早めに医者の診察を受けることが大事なのです。

痛風は、そのままにしておいても

決して治癒しないということは頭の中に入れておきたいところ。


一部、無症候性高尿酸血症という、

痛みの自覚症状はないけれども

尿酸値の高い状態が続いている人もいます。

中には症状が全く出ないけれども高尿酸血症で、

いつ痛風を発症してもおかしくない状態で

5~10年経過している人も見られます。

このような症状を抱えている人の場合、

いきなり症状が顕在化した時には

中期から末期の症状になる可能性も考えられます。


そこで、できれば定期的に血液検査を受けて

尿酸値の値をチェックするように心がけることが大事です。

痛風も、軽視していると命にかかわる病気の原因

となりうるという点を

決して忘れないようにしてください。


痛風の末期症状なんて考えたくもないですが、

一番怖いのは、合併症です。

命にかかわるものもあるので、早い時期から

注意が必要ですね。