尿酸値は日常生活で
なかなか確認する機会がないのが問題なんですよね。
これが血糖値とか血圧なら、日々確認しながら
対策の効果が上がっているのか、問題がないかどうかを
逐一チェックすることができるわけですが、
医療機関や検査キットなどを利用しないと
確認できないので成果が出ているのかどうか、
なかなか手ごたえも得られませんし、
モチベーションの維持も難しいのです。
この尿酸値に関してもうひとつ厄介なのが
腎機能との関わり。
腎臓は異常が生じても
なかなか自覚症状があらわれにくいため、
状況を把握するのが難しいのです。
この痛風対策を行っていく際には、
この尿酸値と腎機能の確認しにくさを
踏まえておかなければなりません。
腎機能の何が厄介かといいますと、
尿酸値を上げる原因になると同時に
尿酸値の上昇の影響を受けてしまうということです。
体内で発生した尿酸は腎臓から尿として排出されます。
尿酸値が上昇する原因には
「尿酸の生成量が多くなる」
「尿酸の排出量が少なくなる」
「両方が同時に発生する」
の3つがありますが、このうち腎機能は
排出と深く関わっています。
プリン体の少ない食品を食べるよう心がけ、
ビールからウイスキーや焼酎といった蒸留酒に
切り替えて尿酸の生成量を減らしても
排出量が減ってしまうと尿酸値は高くなってしまうのです。
痛風対策では、この尿酸の排出量の維持にも
注意しなければならないのです。
痛風は尿酸値が高い高尿酸血症が続いた結果
起こります。
尿酸値が高い状況は腎機能にも負担をかけ、
機能低下をもたらしてしまいます。
その結果、尿酸をうまく排出させることが
できなくなってしまい、さらに尿酸値が
上昇しやすい状態になってしまうのです。
それがますます尿酸を体内に溜め込みやすい環境を
もたらし…と悪循環、
負のスパイラルへと突入していくわけです。
問題なのは腎機能の低下は尿酸の排出だけでなく、
水分や老廃物の排出をも
うまくできなくさせてしまうことです。
体のむくみは腎機能障害の典型的な症状ですが、
それが悪化すると
慢性腎障害へと発展していくことになります。
腎機能が正常の30パーセント以下しか
機能していない状態を腎不全といいますが、
そうなると人工透析、さらには
臓器移植といった治療が必要になります。
痛風の症状というとまず足指の激痛が思い浮かびます。
結晶化した尿酸が腎臓に蓄積して
結石をもたらすこともあるので
これも注意しなければなりません。
こうなると腎臓をいたわることも
痛風対策には欠かせません。
とくにお酒のつまみに
甘いものや塩辛いものを食べる習慣がある人は要注意。
アルコールだけでなく、こうしたつまみが
腎臓に負担をかけてしまっている可能性もあるのです。
腎機能は一度損なわれると回復がほとんどできないです。
そうならないためにも痛風対策と腎機能の確認は
セットで行っておきたいところです。
腎臓は黙って悪くなってしまったりするので、
やっかいです。
特に痛風の人は、腎臓が弱点ですから、
尿酸値が高くなり過ぎないよう、血圧が高くなり過ぎないよう、
常日頃、気をつけることが肝心かもしれませんね。