2022年6月2日木曜日

痛風と腎臓 

痛風というのは、尿酸値が血中で

高くなってしまって尿酸が

結晶化することで起きる症状です。

足の親指の付け根の所に激痛を招きます。

風にあたって痛いと書きますがまさにその通りで、

ちょっとした刺激でも大の大人が

うめいてしまうような激痛を招きます。


痛風はしばらく我慢していると、

徐々に症状は落ち着いてきます。

このため、病院で適切な治療を

受けない人もいるようですが、

痛風が原因となってほかの症状を招くことがあります。

その中の一つに、痛風腎という病気があります。


痛風にかかると、結晶化した尿酸が刺激をして

激痛や腫れを引き起こします。

この尿酸の結晶は、足の親指の付け根だけでなく、

全身の組織にできます。

腎臓に尿酸の結晶ができる可能性も十分あるわけです。


もしこの結晶が腎臓の中でどんどんたまってしまうと、

腎機能を低下させてしまうのです。

痛風腎にかかった人を見てみると、

結石ができやすくなります。


もし結石が腎臓の中にできてしまって、

尿をする時に結石も移動すると

尿道を傷つけてしまうことがあります。

そうすると、腹部や背中に激痛を伴ったり、

血尿が出てきてしまったりする恐れもあります。

痛風腎になってしまったのであれば、こちらの治療も

医療機関で行うことになります。


痛風腎の治療は、尿のペーハーを

調整する所から始めます。

ペーハーが低い、すなわち酸性に傾いた尿から

アルカリ性に傾かせることで

結石対策をするわけです。

そのためには、投薬治療の他にも

十分に水分を摂取する治療がなされます。

水分を十分にとって、尿の量を増やすわけです。


ただし尿のペーハーを必要以上に上昇させるのも、

危険が伴います。

今度はカルシウム結石ができやすくなってしまうので、

同じように腹部や背中の所に痛みを感じてしまう恐れが

出てくるからです。

いかにバランスの取れたところで

ペーハーを維持するかがポイントになります。


痛風腎は、そもそも痛風にかかっていることで

発症する病気です。

結石などができないような治療と同時に

大元の痛風の治療も行っていきます。

具体的には、尿酸の生成をさせないようにして、

尿酸の排泄を進めていって、

血液の尿酸値を低くしていきます。

尿酸の生成を阻害したり、

排せつを促したりする薬があります。

このような薬を使って治療し、推移を見守ります。


痛風は合併症を引き起こす可能性があるので、

決して軽視すべきではありません。

腎臓で発症すれば、痛風腎となりますし、

心臓で起きれば虚血性心疾患を発症する可能性があります。


その他にも

脳血管障害や動脈硬化症、脂質異常症などの

病気のきっかけになる恐れがあります。

痛風の自覚症状が現れたら早めに

専門の医療機関で治療を受けることが、

上で紹介したその他の病気の発症予防になるわけです。

医者の治療と生活習慣の見直しをして、

痛風を克服していってください。


痛風で一番怖いのは、痛風発作ではなく、

合併症だといいますからね。

将来に苦しい思いをしないためにも、

今から気をつけていきたいです。