尿酸値とは
その名前の通り体内に含まれている尿酸の数値です。
具体的には1リットルの血清中に、
尿酸がどれぐらい (ミリグラム単位) 含まれているかで
計測されます。
この数値が基準値を超えてしまうと
高尿酸血症と診断されるのです。
痛風とは、この高尿酸血症が続いた末に
激痛の発作を伴いながら発症する病気です。
この尿酸値の基準値については
少々曖昧な面もあります。
最近、血圧や血糖値などの数値も
基準値が変更されるなどして
批判されていますよね?
これまで自分は異常だと思って
病院で治療を受けていたのに、
変更によってじつは正常値だと判明した、など。
健康ブームの一方では
こうした胡散臭い部分もあるわけですが、
尿酸値においても似たような面があります。
よく知られている基準値では
男性は「3.8~7.5mg/dl」
女性は「2.4~5.8mg/dl」の範囲内とされています。
しかし、この数値は現在ではあくまで参考程度、
基準を超えているからといって、必ずしも
痛風のリスクを抱えているわけではない
とも言われています。
なお、作られた尿酸は血液の中に溶けていきますが、
血中の濃度が「7.0mg/dl」を越えると、
溶け切れずに結晶化してしまうとされているため、
現在では男女を問わず「7.0mg/dl」が
高尿酸血症のボーダーラインとして設定されています。
どうして尿酸値が上昇するのでしょうか?
お酒好きの人なら「お酒を飲みすぎるから」と即答するかも。
お酒、とりわけビールには
尿酸の原料となるプリン体が多く含まれているため、
体内の尿酸の量が増えてしまうのです。
そのため、かつては
禁酒を含めた食生活の改善が
痛風対策の最大のポイントとされていました。
厳しい食生活の改善を医師から言い渡されて、
ウンザリした経験がある方も
多いのではないでしょうか?
しかし、現在では必ずしも、
お酒や食事の問題だけが尿酸値を上げる原因ではない、
ということがわかってきています。
それどころか体内で作られる尿酸の大半は、
食事から摂取したプリン体ではなく
体内で作られるプリン体から作られているというのです。
しかも、体内で作られるプリン体は、
新陳代謝やエネルギー消費といった
生きていく上で絶対に必要な活動によって作られます。
痛風といえば、運動不足で肥満気味の人になりやすい
というのが一般的なイメージですが、
急激な運動をすることでも尿酸値が上昇するのです。
意外ですね。
また、アルコールと尿酸値の関係では
プリン体以外にも知っておくべきポイントがあります。
それは肝臓でアルコールが分解される過程でも
尿酸が作られること。
ですから、焼酎やウイスキー、ブランデーといった
プリン体が少ないお酒を飲んでいれば大丈夫とは
必ずしもいえないわけです。
お酒好きには、かなりガッカリな話です。
もうひとつ、知っておきたいのが尿酸の排出について。
これまでは
もっぱら作られる尿酸が増えることについて触れましたが、
うまく体外に排出できないことでも尿酸値は上がります。
乱れた食生活やお酒の飲みすきで腎臓機能が低下している人は、
こちらの方にも注意が必要です。
尿酸値が高めの人には、体質的なこともあり、
なかなか下がりませんが、少しずつでも
改善できるよう、今できることを積み重ねていくのが
良いように思います。