2022年6月5日日曜日

尿酸値と酒

痛風はお酒好きの宿命、なんて言われます。

毎日アルコールを楽しむ生活を送っていると、

いずれ、痛風発作を見舞われることになる、

というわけです。


ただ、そうは言ってもお酒好きの人は、日ごろ

痛風のリスクを意識して生活しているわけでは

ないですよね?

周りに痛風の人がいても、どこか他人事のような感じで

「自分は大丈夫だ」なんて、根拠のない確信を

持ったりしてしまう人もいるかもしれません。

だからこそ実際に痛風の激痛に見舞われた時の

ショックも大きいというものです。


どうしてお酒を飲む人が痛風になりやすいのか、

現在ではいろいろな説が出ています。

患者のおよそ9割が男性と言われていますから、

単にお酒だけの問題ではないのは間違いないのでしょうが、

やはりお酒を飲むことで尿酸値が上昇してしまうのが

大きな問題のようです。


すでに痛風の人はお酒にはプリン体が

多く含まれていることをご存知でしょう。

ビールが元凶のように扱われる場合もあります。


尿酸の原料となるプリン体を多く摂取することで

尿酸値を挙げてしまい、

高尿酸血症の原因を作ってしまうわけです。

食品にもプリン体が多い食品があり、

痛風対策には食生活の改善が

欠かせないといわれていますが、

食品の場合には、毎日同じものばかりを

食べるものではありませんので、

よほど偏った食生活を送らない限り、

尿酸値に大きな影響を与えることはないといいます。


しかし、お酒の場合はビールならビールで

毎日同じものを飲むことになります。

「わたしは○○の銘柄じゃないと飲まない」なんて

こだわっている方もいますよね?

痛風は高尿酸血症がある程度の期間続いた結果

発症するものですから、

やはりお酒がもたらす影響は大きいのです。


となると大事なのがお酒の節制。

痛風対策ではお酒を控えましょう、

なんてよく言われますが、

はっきり言って無理です。

言うは易し、行なうは難しというもの。

これまでお酒が好きで飲んできた人が

ある日バッタリ断つなんてできるでしょうか?

これは意志が弱いとか、やる気がないといった問題で

片付くものではないと思います。


痛風に限らず、健康対策は

無理のない範囲内で継続して行っていくことが

大事なわけですから、あくまで

現実的な範囲内で続けられる方法が大事です。


そこでよく言われる対策法が、

できるだけプリン体が含まれていない

お酒を選ぶというもの。

ビールが元凶扱いされるのも

プリン体の含有量が多いから、

しかもアルコール度数も低くたくさん飲めるから、

というのもあります。


100ミリリットル中に含まれるプリン体は

5~7ミリグラム程度、

さらに地ビールともなれば7~16ミリグラムにも達します。

これを尿酸に換算すると5~19ミリグラムになります。

100ミリリットルでこの数字なわけですから、

いかに多いかがわかるというものです。

その代わりにプリン体の含有量が少ないウイスキーや

焼酎に切り替えればよいというわけです。


なお、アルコールそのものが肝臓で

分解される過程で尿酸を作ってしまいます。

ですからプリン体が少なく、

アルコール度数が高い焼酎、ウイスキー

といった蒸留酒の方が痛風持ちのお酒好きには、

よいということになりますね。


お酒が好きで止められない人は→量を減らす

あるいは、飲む日を減らす、というところに

落ち着くみたいです。

いわゆる、休肝日ってヤツですね。

飲めない日はツライかもしれませんが、

翌日の飲める日は、おいしさ倍増かも。