2025年6月2日月曜日

痛風 朝は痛みが治まるのに夜になると痛いのは なぜ

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● 痛風で夕方になると痛みがひどくなる

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「朝は痛みが治まるのに」→

いや、朝でも痛風発作は痛いですけどね。


なんとなく足が(手指などの場合もあります)

痛いなあ・・と気がついてから、

急速に患部が腫れあがり、同時に激痛を伴う・・・

それが痛風発作です。


痛風発作は、

容赦なく、突然、やってくる場合が多いです。


こういう状態のときは、夜、寝る前よりも、

寝て、朝になって起きたら、症状は もっと酷くなっています。

昨晩よりも、もっと腫れあがって、痛みは激烈になっています。


痛風発作が発症してから、1日目~5日目くらいでしょうか。

いわゆる、痛風発作の極期(ピーク)までは、

時間を経過するにつれて、どんどん痛みは

強くなり症状は悪化していきます。


でも、その時期を過ぎたら、

日に日に回復に向かっていくのですが、

これも個人差があって、10日間ほどで

嘘のようにケロリと痛みが治まっている人もいれば、

何ヶ月も しつこく痛みが続く人もあります。


この、10日間ほどで治ってしまう人は、

痛風初期症状の人です。


痛風歴(?)の長い人ほど、簡単には治らないというか、

治まらないというか、痛風発作は長びく傾向があるようです。

(体内に蓄積している尿酸結晶が多いため)


で・・・

その、痛風発作の一番痛い時期(痛風の極期)を過ぎて、

回復期に入ってくると、寝て、朝になって起きたら、

痛風の症状が酷くなっている、というようなことは

なくなります。


むしろね。

朝は少しマシになっているのですよ。

昨日の夜に比べると。


この、マシというのは、

痛みの度合いや腫れの程度のことです。


ところが、朝はまだ、いい感じだったのに、

夕方になるにつれて、だんだん痛みが強くなってきたりね。

症状が悪化してきた、と感じる場合が多いです。


これって、気のせい?

いえいえ、そうじゃないですよ。


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●  痛風 夜になると痛いのは なぜ?

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痛風(通風 ×)発作は朝でも昼でも痛いですが、

夕方から夜にかけて、さらに

痛み・腫れが酷くなる傾向があります。


■ その1

“1日の疲れが出る”


痛風発作で痛いので、一日中、安静にして

寝ていられる人はいいですが、

痛くても仕事に行かなきゃならない人も

多いでしょう。


痛くても足を引きずりながらでも、

痛み止めの薬を飲んででも

出かけなきゃならない人も多いでしょう。


“歩く”ということは、どんなに痛い足を庇って(かばって)

歩いても、どうしても体重がかかりますから、

やはり足への負担は大きいです。


夕方になって、やっと帰宅できる頃になると、

足がジンジンと熱くなってきて、

痛みも強くなってくる場合が

多いようです。


■ その2

“夕食は食べる食事量が多い”


人それぞれ、ライフスタイルは違いますが、

朝は忙しいし、昼は外食だったりして、夕食は

自宅で食べる人が多いような気がします。


外で食べるにしろ、家で食べるにしろ、

ディナーなんて言葉もありますし、夕食の食事量は

朝昼に比べて多いのではないでしょうか。


体内の食事が入ってくると、エネルギーにするため

分解するのですが、その分解のときに尿酸ができるのです。


食事量が多いと、分解する食品の量も多いので、

生成される尿酸も多いということ。

つまり、血中の尿酸濃度も高くなるということです。


■ その3

“夜は副交感神経優位になる”


なんか、よくわかりにくい話になりますが、

人間の体は、基本、昼間は、

「交感神経優位」(緊張)となって“血管が収縮”します。


夕方や夜は、

「副交感神経優位」

(リラックス)となって“血管が拡張”します。


人間の体は、日々、その繰り返しです。


夜勤などの方もおられますが、

元来、人間は夜は寝て、昼は活動するというのが

自然の摂理なのだそうです。


で・・

昼間は働いて(活動して)、夜は休む、というのが

理に かなっている行動なんだ、とか。


痛風の場合、

血管が拡張すると、血流が良くなって、

痛くて腫れている患部にもたくさんの血液が流れます。


本来、血流が良いというのは、

血液が酸素や栄養分をすみずみの細胞まで運ぶことを

考えると、とても健康に良いことなのですが、

痛風発作の場合は血液に含まれる白血球をも

大量に運ぶことになるので、少し話が違ってきます。


つまり、大量に、腫れている患部に届けられた白血球が

溜まりすぎて剥がれ落ちた尿酸結晶を攻撃するので、

さらに痛みが強くなる、というわけです。


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●  痛風 痛くて眠れない

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痛風発作の場合、

夜、これから寝ようというときに、

痛みが治まってくれるのならいいのですが、

朝に比べて、夕方から夜の痛みは強いのが普通です。


痛くて眠れないと、次の日に堪えますし、痛くても

仕事に行かなきゃならない人には影響も出ると思うので、

痛み止めの薬(ロキソニン、ボルタレンなど)を飲んででも

寝たほうがいいと思います。


ちなみに、痛み止めの薬には血管を収縮させる作用があるので、

痛い患部への血流が悪くなって、痛みが緩和します。


あと、痛風発作のときは

風呂に入らないほうがいい、

入っても湯船で温まらないほうがいい、

というのは、体が温まると血流が良くなって、

白血球が活発化して、余計、痛みが酷くなるからです。


寝るとき、布団とか座布団とかで、

痛い足を高くして寝ると、少し痛みが少ない、

ラクだというのは、

心臓より高い目の位置に足を放り上げて寝ると

痛い足に血液が行きにくいから。


大なり小なり、みんな、血流、血液の流れが

痛風発作の痛みに関係している、ということですね。


まあ、血液っていうか、白血球が(痛いところへ)

多く行くか、行かないか、って話なのですが。