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● 痛風で夕方になると痛みがひどくなる
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「朝は痛みが治まるのに」→
いや、朝でも痛風発作は痛いですけどね。
なんとなく足が(手指などの場合もあります)
痛いなあ・・と気がついてから、
急速に患部が腫れあがり、同時に激痛を伴う・・・
それが痛風発作です。
痛風発作は、
容赦なく、突然、やってくる場合が多いです。
こういう状態のときは、夜、寝る前よりも、
寝て、朝になって起きたら、症状は もっと酷くなっています。
昨晩よりも、もっと腫れあがって、痛みは激烈になっています。
痛風発作が発症してから、1日目~5日目くらいでしょうか。
いわゆる、痛風発作の極期(ピーク)までは、
時間を経過するにつれて、どんどん痛みは
強くなり症状は悪化していきます。
でも、その時期を過ぎたら、
日に日に回復に向かっていくのですが、
これも個人差があって、10日間ほどで
嘘のようにケロリと痛みが治まっている人もいれば、
何ヶ月も しつこく痛みが続く人もあります。
この、10日間ほどで治ってしまう人は、
痛風初期症状の人です。
痛風歴(?)の長い人ほど、簡単には治らないというか、
治まらないというか、痛風発作は長びく傾向があるようです。
(体内に蓄積している尿酸結晶が多いため)
で・・・
その、痛風発作の一番痛い時期(痛風の極期)を過ぎて、
回復期に入ってくると、寝て、朝になって起きたら、
痛風の症状が酷くなっている、というようなことは
なくなります。
むしろね。
朝は少しマシになっているのですよ。
昨日の夜に比べると。
この、マシというのは、
痛みの度合いや腫れの程度のことです。
ところが、朝はまだ、いい感じだったのに、
夕方になるにつれて、だんだん痛みが強くなってきたりね。
症状が悪化してきた、と感じる場合が多いです。
これって、気のせい?
いえいえ、そうじゃないですよ。
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● 痛風 夜になると痛いのは なぜ?
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痛風(通風 ×)発作は朝でも昼でも痛いですが、
夕方から夜にかけて、さらに
痛み・腫れが酷くなる傾向があります。
■ その1
“1日の疲れが出る”
痛風発作で痛いので、一日中、安静にして
寝ていられる人はいいですが、
痛くても仕事に行かなきゃならない人も
多いでしょう。
痛くても足を引きずりながらでも、
痛み止めの薬を飲んででも
出かけなきゃならない人も多いでしょう。
“歩く”ということは、どんなに痛い足を庇って(かばって)
歩いても、どうしても体重がかかりますから、
やはり足への負担は大きいです。
夕方になって、やっと帰宅できる頃になると、
足がジンジンと熱くなってきて、
痛みも強くなってくる場合が
多いようです。
■ その2
“夕食は食べる食事量が多い”
人それぞれ、ライフスタイルは違いますが、
朝は忙しいし、昼は外食だったりして、夕食は
自宅で食べる人が多いような気がします。
外で食べるにしろ、家で食べるにしろ、
ディナーなんて言葉もありますし、夕食の食事量は
朝昼に比べて多いのではないでしょうか。
体内の食事が入ってくると、エネルギーにするため
分解するのですが、その分解のときに尿酸ができるのです。
食事量が多いと、分解する食品の量も多いので、
生成される尿酸も多いということ。
つまり、血中の尿酸濃度も高くなるということです。
■ その3
“夜は副交感神経優位になる”
なんか、よくわかりにくい話になりますが、
人間の体は、基本、昼間は、
「交感神経優位」(緊張)となって“血管が収縮”します。
夕方や夜は、
「副交感神経優位」
(リラックス)となって“血管が拡張”します。
人間の体は、日々、その繰り返しです。
夜勤などの方もおられますが、
元来、人間は夜は寝て、昼は活動するというのが
自然の摂理なのだそうです。
で・・
昼間は働いて(活動して)、夜は休む、というのが
理に かなっている行動なんだ、とか。
痛風の場合、
血管が拡張すると、血流が良くなって、
痛くて腫れている患部にもたくさんの血液が流れます。
本来、血流が良いというのは、
血液が酸素や栄養分をすみずみの細胞まで運ぶことを
考えると、とても健康に良いことなのですが、
痛風発作の場合は血液に含まれる白血球をも
大量に運ぶことになるので、少し話が違ってきます。
つまり、大量に、腫れている患部に届けられた白血球が
溜まりすぎて剥がれ落ちた尿酸結晶を攻撃するので、
さらに痛みが強くなる、というわけです。
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● 痛風 痛くて眠れない
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痛風発作の場合、
夜、これから寝ようというときに、
痛みが治まってくれるのならいいのですが、
朝に比べて、夕方から夜の痛みは強いのが普通です。
痛くて眠れないと、次の日に堪えますし、痛くても
仕事に行かなきゃならない人には影響も出ると思うので、
痛み止めの薬(ロキソニン、ボルタレンなど)を飲んででも
寝たほうがいいと思います。
ちなみに、痛み止めの薬には血管を収縮させる作用があるので、
痛い患部への血流が悪くなって、痛みが緩和します。
あと、痛風発作のときは
風呂に入らないほうがいい、
入っても湯船で温まらないほうがいい、
というのは、体が温まると血流が良くなって、
白血球が活発化して、余計、痛みが酷くなるからです。
寝るとき、布団とか座布団とかで、
痛い足を高くして寝ると、少し痛みが少ない、
ラクだというのは、
心臓より高い目の位置に足を放り上げて寝ると
痛い足に血液が行きにくいから。
大なり小なり、みんな、血流、血液の流れが
痛風発作の痛みに関係している、ということですね。
まあ、血液っていうか、白血球が(痛いところへ)
多く行くか、行かないか、って話なのですが。