痛風発作は、体の各部、いろいろな関節などに発症しますが、
私の場合、たいていは足です。
それも、左足が大半です。
足が痛いと、何をしていても、あまり楽しくないです。
動くたびに痛いので、なんとなく嫌な感じです。
世の中の、動いている、歩いている人間が
全て「早送り」に見えてしまいます。
そういう自分は、「コマ送り」くらいにしか歩けません。
まったく不公平です。
家で寝てりゃいいのですが、
仕事があったり、そうもいきません。
ロクに歩けなくても出かけなきゃならなかったりします。
で、ある日のこと。
仕事帰りに、テイクアウトの弁当屋に寄ってから
帰ることにしました。
いわゆる「ホカ弁」ってヤツです。
どこかの飲食店で食べて帰ってもいいのだけど、
昼も外食だったし、夜は、その日は家に食事はなかったので、
「ホカ弁」にすることにしました。
「番号札 079番です。お時間、6分間ほどお待ちください!」
弁当屋のアルバイトの女の子が、
弁当を注文すると番号札をくれました。
注文を受けてから作るので、少し時間がかかるけど、
ホカホカの弁当ができるってわけね。
それほど広くない店内ですが、待合用の椅子が3つあります。
一人、すでに誰か座って待っていますが、2つ空いているので、
痛風で“足の痛い”私としては、ありがたいことです。
“足の痛い”私は、ズリズリと足を引きずりながら、
椅子へ座ります。
やれやれ・・
直立して立っていると、血液が下へ下へと降りてくるので、
痛い方の足は鬱血して、赤黒くなっています。
ああ、なんて痛々しいの。
っていうか、実際、痛いんですけど。
でも、椅子に座っていると、だいぶラクです。
足への負担がやはり違いますね。
「番号札 079番のお客様! お待たせしました!」
アルバイトの女の子が店内狭しとばかりに叫び声を上げます。
おっ・・もう、できたの?
さすが、早いね。
“足の痛い”私は、ズリズリと足を引きずりながら、
ようやく、カウンターへと辿り着きました。
ああ、ごめんなさいね。
歩くの遅くて。
こちらこそ、お待たせでした。
「あっ!? 大変失礼いたしました。番号札 079番じゃなく、
078番のお客様でした!」
番号札 078番の“足の痛くない”お客さんが、
さっさと歩み寄って、さっさと弁当を掴むと、さっさと店外へと
立ち去っていきました。
“足の痛い”私は、ズリズリと足を引きずりながら、
仕方なく、再び椅子へと戻ります。
あの、足、かなり痛いんですけど。
「番号札 079番のお客様! お待たせしました!」
“足の痛い”私は、ズリズリと足を引きずりながら、
ようやく、カウンターへと辿り着きました。
「ありがとうございました!」
うう、足が痛いよう。
・・・・・・。
とにかく、足が痛いと不便です。
ああ、早く治って欲しいです。