2022年12月26日月曜日

正月痛風に応急処置

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● 痛風発作は、正月でも出る!?

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そもそも、なんで正月なのか、

正月に痛風発作なのか、ということですが、

年末年始というのは、夏場に次いで

痛風発作の多い季節なのです。


正月は、なにかにつけて、

おめでたいハズなのですが、痛風発作が出てしまったら、

何もおめでたくありません。

正月そうそう、激痛の日々が待っていますから。


夏は、まあ、わかります。

季節的に暑くて汗をかいて、体内が水分不足。

血液中の尿酸濃度が高くなって尿酸値が上がりがち。


あと、副交感神経反射といって、

暑さで体内の血管が拡張します。

全身の血流が良くなって、同時に

体の大掃除 (この場合のゴミは、尿酸結晶のこと)

が始まるのです。


じゃあ、なんで正月?

なんで、年末年始?


これは、もう・・あれですよ。

アレしかありません。


そう・・暴飲暴食。

つまり、宴会の季節。

忘年会新年会。

飲み会も多く、地方に散らばっていて、

滅多に会えない友達が帰省して

一堂に集まったり。


楽しいのはいいのですが、

痛風改善の基本は「腹八分目」。

食べているときは、おいしいのでいいですが、

過食は尿酸値をジワリと上げていきます。


ですので、宴会とか忘年会とか新年会とか

おせち料理とか、他人が楽しそうにしていても

自分はホドホドに、腹八分目で・・・


え?

ちっとも、楽しくない?


そうですよ。

楽しくないのです。

だから、つい、食べて飲んでしまうのです。


痛風発作の要因の一つに「強いストレス」というのが

ありますが、「食べたい飲みたい」を我慢することが、

かえってストレスだ、などと勝手に自分で

理屈をつけて、結局、

飲んだり食べたりすることになってしまいます。

まあ、正月くらい、いいでしょ?


ですが・・・

こんなことは考えたくもないですが、

万が一、正月に痛風発作が出てしまったら、

どうするか?


どうすればいいのか。


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● 痛風 備えあれば憂いなし?

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しかし、まったく、痛風発作ってヤツは年中無休ですね。

いつ出るのか、わかったもんじゃありません。

冬に痛風発作が出た経験はなくても、

油断できません。


そもそも、冬というのは、痛風に限らず、

体の調子が悪くなりやすい季節なのです。


で。

痛風発作の対策。


事前にできる対策は、一つだけ↓


『ロキソニンを購入しておく』


・・・できるのは、これだけです。


もっと広義の意味での、痛風事前対策ならば、

食べ過ぎ飲みすぎに注意して腹八分目。

宴会、飲み会は全て不参加。


でも、そんなことをしたら、

人生の楽しみを取り上げるのか、

と思う人もいるでしょう。

私もそれがベストな方法とは思えません。


ですので、やはり、

(発作が) 出たら出たときのこと。

とりあえず、痛み止めの薬 (消炎鎮痛薬) である、

ロキソニン (ロキソプロフェン) だけは確保しておく、と。


ロキソニンではありませんが、

以前、元旦に親戚が遊びに来ていて、

突然、頭が痛い、気分が悪いと言い出して、

バファリンを買い求めるために、元旦の夜に、

あちこちのドラッグストア、コンビニ、スーパー、

薬局、と走り回った経験があります。


なんで、バファリンなのかというと、

彼の常備薬がバファリンなのだそうで。

しかし、元旦の夜って、どこの店も閉まっていますね。


結局、バファリンは入手できませんでしたが、

こんなことにならないように、

事前にロキソニンは調達しておきたいところです。


ロキソニンは、以前は

処方箋がなければ入手できませんでしたが、

近年、市販されるようになって容易に

購入できるようになりました。


ですが、どこでも買えるわけでなく、

第1類医薬品ですので、薬剤師の在留する薬局でしか

購入できないと思います。

ネットでの購入の場合も同様に、

薬剤師の常駐する薬局でしか買えません。


ちなみに、「薬局」と「薬店」の違いは知っていますか?


「薬局」には薬剤師がいないと、薬局とは

名乗れないのです。


・・・・・そんなことより、痛風の話ですね。


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● 痛風 備えあっても、出るときはデル。

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いくらロキソニンを買い置きしていても、

「魔よけ」のように痛風発作が避けてくれればいいですが、

出るときは出ます。

容赦なく、出ます。


で、出たら、どうすべきか?


正月だから、ということは特になく、

いつもの痛風発作対処法と同じです。


正月はどこの病院も薬局も閉まっている、

と考えるのが妥当です。


緊急医療センターや救急車という手もあるかもしれませんが、

それらの手段は命のやり取りをするような重症の人が

利用するべきと思うので、やはり、やめておきましょう。

痛風発作で死ぬことはないので、自分で対処しましょう。



|■ その1“安静にしておく”

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基本は、痛風発作が発症すると安静にしておくのが

苦痛が少なくて済みます。


それと、痛風発作が好発しやすい場所が足の関節に多いので、

「歩けない」ということにも関係します。

無理に動こうとすると、激痛が容赦なく来ますからね。


本当は、ね。

患部は激痛で腫れあがりますが、同時に

熱く・・発熱しているのです。


これは体の中の、関節などに沈着して

溜まり過ぎた尿酸結晶を、

一生懸命、体が溶かそう、トカそう、としているのです。

そう考えると、激痛の最中ではありますが、

少しは痛みも和らぐ・・・ワケないか。



|■ その2“患部は冷やす”

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痛風初期症状の人は、痛風発作が起こると、

この腫れあがった患部を冷やすべきか、

温めるべきか、と迷うかもしれませんね。


正解→「冷やす」です。


痛風発作は、基本的に“急性の炎症”なので。

冷やす方法は、氷水でもいいし、保冷剤でもいいです。

もちろん、冷湿布でもいいです。


腫れあがった患部に触れるだけでも激痛が走るので、

ゆっくり、そろっと・・注意してくださいね。


ちなみに、温めると、痛風発作の痛みは

酷くなりますよ。



|■ その3“水を多めに飲む”

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この、水というのは何かというと、

尿酸をできるだけ体外に排泄するためです。


痛風というのは、尿酸値が高いことが要因なので、

つまり、血液中に尿酸が過剰な状態なのです。


で、できるだけ、尿酸の量を減らしたいのですが、

尿酸は大部分が尿に溶けて、尿と一緒に体外に

ハイセツされるのです。


ところが、出そうにも水を飲んでなきゃでない、

ということ。


夏場に痛風発作が多いのは、暑くて汗をよくかくので、

体内の水分量が減少して、トイレに行く回数が

減るから、というのも理由の一つです。


でも、水を多めに飲む、といっても、

モノには程度、限度というものがあり、

飲みたくもないのに無理に大量に飲むと、

今度は腎臓に負担がかかってきます。

難しいですね。

ですので、少し多いめに飲むことを心がける、くらいで。


一般的に「2リットルの水を・・」なんて言われますが、

夏と冬とでは環境、状態が違うので、

あまり気にしなくてもいいです。



|■ その4“なるべくトイレに行く”

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“水を多めに飲む” とシンクロしますが、

尿酸をできるだけ多く排泄するため、です。


しかしながら、困ったことに

痛風発作というのは、圧倒的に多い箇所が「足」なのですよ。

つまり、歩けない。歩きにくい。

歩くと痛いので、なるべくトイレは我慢しようと、

思いがちです。


でも、尿瓶や簡易トイレでもいいですから、

尿を排泄することは大切ですので、

我慢せずに、できるだけ尿は出してください。


恥ずかしい、とか、情けない、とか、

そんなことは考えなくていいです。

反省は、痛風発作がすっかり治まってから、しましょうね。



|■ その5“風呂は止めておく”

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“患部は冷やす” にも相通じますが、

風呂に入ると、腫れと痛みは強くなります。


この場合の風呂、というのは、

湯船に入って温まる、ということを指しています。

ですので、シャワー程度か、体を拭くくらいにするのが

無難です。


本当は、血液というものは、酸素と栄養分を全身に運ぶので、

血流が良くなることは望ましいことなのですが、

痛風発作に関していうと、血流が良くなると

白血球がより多く患部に巡ることになります。


白血球?


痛風発作というものは、

関節・腱などに結晶化した尿酸が沈着して、

溜まりきれなくなったときに剥がれるのですが・・

そのとき、白血球がそれを異物と認識してしまい、

攻撃するのですよ。


白血球というのは、体内の掃除係みたいなものですからね。


その攻撃時に、あの、激痛の元となる痛みの成分が出るのですが、

体が温まって血流が良くなると、白血球も

たくさん患部のあたりに、いらっしゃるようになる、ということ。


血流は、痛風発作がすっかり治まってから、

良くなってもらいましょうね。



|■ その6“足を高くして寝る”

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この、足を高くして寝る、というのは何かというと、

「心臓より高い位置に」するためです。


足を。

つまり、立っていても座っていてもそうですが、

足に痛風発作が出て痛い場合、より血液が流れやすい、

ということです。


ベッドでも布団でもいいですけど、寝るでしょう?


座布団でも何でもいいから、足元に積み上げて

高くするのです。

そして、痛い方の足を上に乗せ上げる。


ちなみに、痛くない方の足も一緒に上げると、

バランス的に、(痛い方の足が)

ずり落ちて悲鳴を上げずに済みます。


で・・心臓より高い位置に足を置くと、

少しだけですが痛みはマシになります。

血液の流れが少し悪くなった、ってことですね。



|■ その7“ビール・酒は飲まない”

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どんなにビールが好きな人でも、

痛風発作の最中は我慢してください。

禁酒です。


飲んで痛みを忘れよう・・なんて考えないほうがいいです。


試してみるのは勝手ですが、

痛い目に遭うのは自分です。



|■ その8“ロキソニンは1日3錠まで”

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さて、上記のようなことを色々と試してみて・・・

それでも、やっぱり痛い。

我慢できない。


こうなると、もうロキソニンの出番です。


病院でいただいたロキソニン

(後発薬 [ジェネリック]は、ロキソプロフェン錠」)でも、

市販薬のロキソニンsでも、処方箋にキチンと書いてあると

思うので、服用量は厳守してください。


たぶん、毎食後1回1錠・・だと思うのですが。


どんなに痛風発作の痛みがツラくても、

一度に5錠とか飲んだりしないでくださいね。


これは、胃がヤラれる恐れがありますので。

食後に飲め、というのも、胃のためでもあります。


痛風発作の極期(ピーク時)は、

ロキソニンを飲んでいてさえも、

痛みが緩和しない、ロキソニンが効かない、

と思うときもあるかもしれませんが、

それでも、自分の体のためですので服用量は守ってください。


経験上、ロキソニンの効果継続時間は

8時間~10時間くらいでしょうか。


飲み始めて、15分くらいで効果を実感できます。

つまり、痛みが和らぎ始めます。


1日3錠飲めば、24時間をカバーできる計算になりますが、

キツイ薬ですので、眠れる程度まで痛みがマシになってきたら、

服用は止めておいたほうがいいかもしれませんね。


ロキソニンは急性の炎症には効果絶大ですが、

慢性の痛みには、効果は薄いです。


常用すると、イザというとき、本当に必要なときに

効かなくなる可能性もあるので、ロキソニンは

本当に痛いときだけの服用にしてください。


仮に飲まなくても、これがある、と思うだけで

お守りじゃないですけど、少し安心した気持ちになれます。


では、良いお正月をお過ごしくださいね。