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◆ 痛風に たばこは 悪いの?
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喫煙者は、近年、世間の風当たりが強いです。
「タバコの止められない人は、病院へ行きましょう」
(禁煙外来)などと病人扱いされたり、
受動喫煙で周囲が迷惑、などと嫌がられたり・・・
どうもね。
世間では、たばこを吸う人は、あまり
歓迎されていないような風潮があるような気がします。
自分でカネを出して、自分の金でタバコを買って
自分の好きな煙草を吸って、何が悪いんだ!
いえ、悪くないんですが、煙草は健康に良くないんですよ。
って、誰もが知っていることですが。
ところがね。
実は、痛風の人にとっては、たばこは
悪いことばかりでは ないのです。
「タバコをやめたら尿酸値が高くなった!」
これ、どう思いますか?
嘘っぱち、だと思いますか。
痛風ってのはね。
症状として、足などに炎症を起こして、
足が痛くなることが多いので、関節の病気と
考えている人もいるかもしれませんが、実は
そうじゃなくて、代謝の病気。
血液中の尿酸が多くなりすぎて(尿酸値 7.0mg/dl以上)、
血液中に溶けなくなって結晶化。
結晶化した尿酸が体内の関節などに蓄積して、
いずれは痛風発作の原因に。
これが、痛風。
痛風はね。
「プリン体の多い食品の摂り過ぎが原因」と
昔は よく言われたものですが、現在では
いろいろ究明が進んできて、
「体質が8割。食事が2割」と言われたりも しています。
「食事」というのは、いわゆる、
プリン体の多い食品の摂り過ぎ、のことですが、
「体質」というのは、
細胞が新陳代謝を繰り返すときにプリン体が作られたり、
栄養分をエネルギーに変換するときに
プリン体が作られたり。
つまり、生きていく上で、どうしても必要なもの。
その、生きていく上で必須な生命活動の際に、
どうしても 残りカスのようなものが できてしまい、
そのプリン体からできる最終的な老廃物が
「尿酸」なのです。
だから、尿酸は、なくては ならないもの なのですが、
生まれつきの体質によって、
尿酸を多く作りすぎてしまう人や、また、
尿酸を排泄する力が弱い人とか、あるいは
その両方を兼ね備えた人が、痛風に なりやすいです。
でね。
というわけで、痛風は
体内の「栄養の吸収」と関係あるのです。
痛風になるような人は、胃腸の消化吸収能力が高い、
高吸収体質(痛風体質)なんです。
夏になったら、痩せてバテて食べられなくなって、
青白い顔をしているような人は、決して
痛風には なりません。
そういう人は、胃腸が弱くて、
低吸収体質だから。
あまり食べられない、摂取栄養分も少ない、
また、食べても全部 吸収しきれない・・・
そんな人は、体内に取り入れる栄養分が
少ないわけですから、老廃物(尿酸)だけが
多い、なんてことは有り得ないでしょう。
栄養分も少なければ、それを分解して吸収して
代謝して・・そして、できた最終老廃物(尿酸)
も少ないはず。
タバコは、ね。
「体内の栄養吸収を阻害する」のですよ。
“タバコが尿酸値を下げる”件に関しては、
ニコチンなどの有害物質のせいなのかどうかは、
まだ、充分に解明されていないそうです。
でも、他に理由なんか、ないでしょ?
タバコを止めたら、急に太った、とか。
たばこをやめたら、飯が うまくなった、とか。
よく聞く話でしょ?
それだけ、タバコは 体に害がある、ということ。
ですが、そのせいで痛風に関しては、
タバコがメリットのようになっている、というか、
栄養吸収を阻害するため、
尿酸値が上がりにくくなっている、と考えられます。
だから、
「タバコをやめたら尿酸値が高くなった」
という声が聞こえてくるのですよ。
それ、デタラメじゃないと思いますよ。
まあ、それだけタバコが健康に良くない、
ということでもあるので、痛風だからといって、
喜んでいいんだか、悪いんだか。
ただね。
だからといって、タバコを痛風の治療薬のような発想で
タバコを利用するのは、やはり、ちょっと違うでしょう。
タバコを吸うか、止めるかは、当人が自分で決めれば
いいだけのことですが、本気で尿酸値を下げようと
思うのならば、やはり、しっかりと
尿酸値を下げる薬を飲むのが王道かもしれませんね。