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◆ 痛風で手の指が腫れることがある
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痛風といえば、痛風発作。
痛風発作と言えば、足。
歩けない・・・というイメージがありますが、
いえ、手指や手首にも出ますよ。
痛風の人は、尿酸値が高く、尿酸値7.0以上で
血液中に尿酸が溶けなくなるので、
溶けなくなった分の尿酸は、
血液に乗って体の中を巡ります。
そして、体内の比較的、体温の低い、
手足のなどの末端に溜まりやすいです。
足に痛風発作が多いのは、
足先に尿酸結晶が溜まりやすいから。
心臓から遠いので、足は末端で血流が悪い場合が多く、
結晶化した尿酸が沈着しやすいから。
で、痛風発作が起こる、と。
こう考えると、痛風発作は体のドコに起こっても
おかしくないですよね。
でも、現実には、痛風発作の好発部位というのは、
ある程度、限られています。
一番多いのは、足先です。
足の親指の付け根の関節、足の甲、アキレス腱、
かかと、くるぶし・・など。
それから、膝。
あるいは、膝の裏。
それから、手指、手首、ひじ、肩・・など。
だから、手指や手首に痛風が起こっても
少しも不思議じゃないわけです。
尿酸は血液に乗って、全身、
くまなく巡っているわけですらかね。
体のどこにでも沈着する可能性はあります。
少しも不思議じゃない・・とは言っても、
やはり、不便ですよ、手指や手首に痛風が出ると。
足が痛くなるときのように、歩けない、などと
いうことはありませんが、手指や手首の場合は、
日常生活でも仕事でも、モノを持とうとしても、
何かをしようとしても、必ず使うところですからね。
特に、自分の利き腕に痛風が出てしまうと、もう、
目も当てられません。
で。
なんで、手首や手指に痛風が出るのか。
たいていは、ね。
まず、足先に出るのですよ、痛風が。
足の親指の付け根の関節、足の甲、など。
それから、何年かすると、だんだん大きな関節にも
痛風が出るようになってきます。
くるぶし、とか。
膝とか。
大きな関節は面積も広いですから、尿酸結晶が
足先と同じように沈着していても、
飽和状態になるまで年月がかかるのです。
関節の面積が広いということは、
たまる尿酸結晶の量も多いわけで。
あと、体の部位の「位置」の問題ですが、
足先に発症していた痛風発作が、くるぶし(足首)に来て、
やがて、膝に来て・・・
と、だんだん、体の中での「位置」が
『上に上がってきている』ことに気がついていますか?
はじめは足先しか出なかった痛風発作ですが、
年月を重ねるうちに、尿酸結晶の蓄積量が増えてきて
飽和状態になってくると、だんだん
体の「上の方」に痛風が出るようになるのです。
それが、手指や手首。
そして、ひじ、肩、耳たぶ・・・など。
この頃になってくると、自分では自覚症状がなくても、
腎臓にも同様に尿酸結晶が蓄積してきている、
と考えられます。
腎臓に尿酸結晶が溜まると、少しずつ
腎機能が低下するので、やっかいです。
腎臓は、血液から尿を作るので、
腎機能が低下していくと、良質な尿(濃い尿)を
作りにくくなってくるので、尿酸を排出する力も
落ちていきます。
尿酸は尿に溶けて、尿と一緒に排泄されるのが
大半なので、尿からの排泄する力が落ちてしまうと、
尿酸の排出が減少してしまい、
血中尿酸濃度が上がってしまいます。
つまり、尿酸値も上がってしまう、という悪循環に。
この頃になると、数年に一度だった痛風発作が
年に一度になり、半年に一度になり、
2ヶ月に一度に・・と
だんだん痛風の間隔が短くなってきて、
頻発するようになってきます。
痛風発作は、発作の発熱で
尿酸結晶を溶かそうとする作用があるので、
いっぱい溜まりすぎた尿酸結晶を少しでも溶かそう、と
「体が一生懸命になる」んでしょう。
でも、おっつかない。
尿酸結晶の量が多すぎて、とても追いつかない。
だから、次々と痛風発作を頻発させる。
こんな仕組みです。
体のシステム、というか。
こうなってくるとね。
いろいろと体のことが心配になってくるので、
痛風の薬を飲みたくない人でも、尿酸値を下げる薬を
飲んだほうがいいかもしれません。
尿酸降下薬 (フェブリクやザイロリック) には
副作用もあるので (肝機能低下が有名)、
本当は飲まないほうが体のためには良いと思いますが、
そんなこといって腎臓が悪くなってしまうのも、
困りますし。
難しいところではあるのですが。
手指に痛風が出る、手首に痛風発作が出る、
ということは、体の中での「位置」が
上の方に上がってきているので、
普通に考えれば、腎臓などの糸球体
(ろ過のフィルターのこと) にも尿酸結晶が
少しずつ目詰まりしつつある、と考えるのが妥当です。
腎臓には、手指が痛い、手首が腫れて曲げられない、
などの自覚症状はありませんが、自覚症状が出た頃には
手遅れかもしれませんので、
「痛風が手に出たら」
尿酸値を下げる薬を検討したほうが
良いかもしれません。