2025年6月2日月曜日

痛風は頭に出る?

「痛風発作は頭に出る?」→出ません。


痛風発作がアタマに出たら、死んじゃいます。

まあ、たしかに、たまに、

「コイツ、頭が痛風かよ?」

と思うようなヤツが いないこともないですが、

また、それはコレとは 別の話。


痛風発作というのは、血液中の尿酸(代謝の老廃物)が

多くなりすぎて溶けなくなってしまうことが遠因です。


ちなみに「尿酸値 7.0mg/dl以上」で

血液中の尿酸は溶けきれなくなってしまい、

高尿酸血症と診断されてしまいます。


その高尿酸血症になると、血液中に過剰になった尿酸が

結晶化してしまい、関節など体内の比較的冷たい箇所に

沈着をはじめます。

溜まりすぎた尿酸結晶が剥がれ始めると、白血球が

それを攻撃して痛風発作が起こるので。


ちょっと、待って。


それじゃあ・・血液中の尿酸っていうけど、

血液は全身を巡るわけだから、体のドコに痛風発作が出ても

おかしくないわけ?


理屈の上では そうなりますが、

実際には人間の体は内臓や脳など重要な臓器を守るように

(自分の生存を高めるため)、内臓から遠い、

手足などの末端に尿酸結晶が溜まることが多いです。


おまけに手足などは、内臓に比べて血液が少なく(血流が悪く)

冷えやすいので。


尿酸というのは、温度が低いところで結晶化するのです。

体温37度以上だと、尿酸は血液に溶けやすいですしね。


でも、痛風の場合。


「膝から上に 上がってきたら、要注意」


という言葉があるのです。


膝から 上に あがってきたら、要注意?

足先に出ているうちは、まだいいですが(痛いですが)、

尿酸結晶が足では、おっつかなくなる、というか、

溜まりきれなくなってくると、だんだん上にあがってくる、

体の上のほうにまで沈着し始めるということなのです。


長年のうちに腎臓のフィルター(糸球体)にも

沈着してきたりしてね。


そうなると腎機能はだんだん落ちてくるし、

本当の意味での、痛風の恐ろしさを味わうことになります。


よく、痛風の語源は

「風が吹いても痛いから痛風と呼ばれるようになった」

と勘違いされていますが、

本当は中医学(東洋医学で中国が起源のもの)で

「風」という言葉は『全身を侵す』という意味があるのです。


つまり、痛風というのは、足が痛くなる病気というより、

代謝の病気、つまり、最終的には全身が侵されてしまう、

という恐ろしい病気という意味なのです。


これが本当の、痛風と病気の語源。


ところが、実際、

痛風発作は、本当に「風が吹いても痛い」ので、

誰もがそう思うようになった、ということで。

(どうでもいい話ですが)


何の話でしたっけね?

そうそう。

そういうわけで、痛風は頭には出ません。


でも、たしかに、たまに、

コイツ、頭が痛風かよ?

と思うようなヤツが・・・・・・