日本人は、広義の意味で東洋人であるのに、
東洋医学ではなく、
西洋医学ばかりに傾倒しているような気がします。
明治維新以降の西洋文化の乱入が
尾を引いているのでしょうか。
一般に、舶来品といえば、
アジアからのものを指しませんからね。
なぜ、西洋医学ばかりが崇拝されるのか?
たぶん、それは・・西洋医学が
デファクトスタンダード(事実上の標準)に
なってしまったからでしょう。
東洋医学だって、素晴らしいのですが、
どうも西洋医学より
低くみられているような気がしてなりません。
ただ・・東洋医学では、
西洋医学の足元にも及ばない点があります。
それは、外科手術の部門。
具体的にいえば、骨折なんかは、東洋医学では治せません。
心臓や脳などの外科手術は、本当に素晴らしすぎます。
まさに神の領域に近づかんばかりの最高峰の現代医学。
いったい、この優れた医学のおかげで、
どれほどの人の命が救われたことでしょうか。
ところで、
東洋医学には「未病 (みびょう) 」という言葉があります。
体が不調になってきているのですが、
まだ病状は出ていません。
まさに病気になる一歩手前。
東洋医学には、この「未病」の状態から治癒させる、
すぐれたノウハウがあります。
つまり、病気にさせない治療です。
カンタンにいえば、予防ですね。
これぞ、まさに東洋医学の真骨頂。
一方、西洋医学の病院へ、その「未病」の状態の人が
不調なので来院すれば、どうなるでしょうか。
検査して、そのデータの数値を見て、
アナタはまだ病気じゃないので、
もうちょっと様子を見ましょう、
なんて感じで追い返されます。
さらなる不調により、病気が表面化するまで
何もしてくれないのです。
特に、病気の予防などには、まるで無力です。
で、病状が悪化して、病気になれば、
とにかく「薬」を出します。
投薬、投薬、投薬・・・これが西洋医学です。
どちらにも良い面と、そうでない面があるのですね。
西洋医学と東洋医学。
この両方の良いところを取り合わせたような、
すぐれた医学がないものか、と常日頃、考えていたのですが、
実は私が単に知らなかっただけで、もうすでに
そういうものがあるのだそうです。
それが『統合医療』。
現在、保険治療が認められている従来の治療法と、
「代替医療」と呼ばれるそれ以外の治療。
これらの両方を取り入れた療法が
『統合医療』というのだそうです。
でもねえ。
明治維新クラスの強烈な世の中の変動でもなければ、
『統合医療』が、現行の「西洋医療」にとって変わる日は
こないような気がしますけどねえ。