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◆ 痛風 血液検査
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痛風(高尿酸血症)における数値、といえば、
何はなくとも、まず、尿酸値ですね。
なんで、尿酸値がそれほど重要かというと、
痛風なのか、痛風じゃないのか、という指針は
尿酸値が大きく影響するから。
ですが、実は
「尿酸値だけ」でも判別できないのが、痛風。
「尿酸値 7.0mg/dl以上」ですと、
尿酸値が高い・・ということで、
「高尿酸血症」と診断されてしまうわけですが、
尿酸値が高いだけでは、痛風とは限らないわけです。
尿酸値が高くて(尿酸値 7.0mg/dl以上)、なおかつ、
痛風発作が一度でも出ていたら(!)
これが「痛風」というわけです。
通風、という人もいますが、正しくは痛風です。
痛い風、と書きます。
で、痛風の要因とも言える尿酸値ですが、
どうやれば、わかるのか、測る機械とか、あるの?
尿酸値検査は、
高血圧のように、家庭用の測定器のようなものはなくて、
血液検査、ということになります。
血液検査といえば、真っ先に思い浮かぶのが、
「献血」ですが、献血では「尿酸値は わからない」のですよ。
いえ、他の項目はわかるのですから、
ホントはわからないはずはないのですが、
尿酸値は教えてもらえないことになっています。
う~ん・・・もしかして、病院から、医師会から
圧力がかかっているんですかね(知らんけど)。
というわけで、尿酸値を知るためには、
病院に検査に行くか、あと、
「自宅で出来る血液検査キット」を利用するか、ですね。
「自宅でできる血液検査キット」ってのは、
仕事が忙しくて病院に行く暇もない人とか、
帰宅したら、いつも病院が閉まっている時間だ、とか。
そういう人のためのもの、というか、
自宅で採血して、医療センターを送り返すと、
詳細な結果が郵送(もしくはネットでも見れる)されてきます。
これは医療機関で受ける血液検査と同等の水準のものですので、
病院に行けない人は、こういう手段もある、ということ。
で、血液検査における尿酸値の項目は「尿酸」です。
「尿酸値」という項目ではないので、要注意。
(って、普通、わかりますが)
それから、血液検査で
痛風の人が押さえておかなきゃならない項目は、
まだ他にもあって。
「尿酸」以外に、
「尿素窒素」と「クレアチニン」です。
この「尿素窒素」と「クレアチニン」というのは、
腎機能に関係しています。
痛風というのは、つらい痛風発作の激痛を伴いますので、
足が痛くなる病気、と思われがちですが、本当は
一番怖いのは、腎機能低下です。
つまり、長年のうちに、結晶化した尿酸が
腎臓のフィルター(糸球体)に溜まって
目詰まりを起こしてしまう、ってこと。
なんで、尿酸が結晶化するのか、というと、
尿酸値 7.0mg/dl以上になると、
血液中に尿酸が溶けなくなってしまい、
結晶化してしまうのですよ。
その、結晶化した尿酸は、血液中にあるわけですから、
血の巡りとともに、体内のいたるところに
血液に乗って巡るわけです。
で、その尿酸結晶は、体内の(関節や腱が多いですが)
いたるところに蓄積していく、と。
中でも腎臓に溜まると、
腎機能低下→腎不全(痛風腎)となるケースも
あるので、腎臓が悪くなってしまうと、
将来は透析の可能性も出てきて、
生活に大きな制限が出るようになります。
腎臓が本格的に悪くなると、
厳しい食事制限を強いられるので、
だから、尿酸値 7.0mg/dl以上になると要注意だ、
と言われるのですよ。
早めに手を打てよ、と言うことなんでしょ。
で、その目安になるのが、
「尿素窒素」と「クレアチニン」。
単体のデータでは、ピンと来ませんが、
仮に、年に一回でも継続して血液検査をしておくと、
その検査結果を捨てずに残しておくことで、
今のデータと比較することができます。
つまり、前回、前々回の「尿素窒素」と「クレアチニン」の
データと比較することで、腎機能が落ちてきていないか、
という判断ができる、ということで。
あと、
「eGFR(糸球体ろ過量)」。
腎機能は・・っていうか、内臓は年々、
加齢と共に機能は落ちていきます。
これは、もう生きている以上、仕方がないことで。
年を取るにしたがって、体が丈夫になっていく人なんか、
いないでしょう。
内臓も衰えていくのが普通です。
で、この「eGFR」ってのは、
血清クレアチニン値・年齢・性別(男性)から算出できる数値で、
この「eGFR」によって、自分の腎臓の能力というか、
腎機能がどの程度なのか、判断できます。
痛風っていえば、関節炎ばかりが脚光を浴びますが、
本当に怖いのは、腎機能低下なのですね。
それに、腎臓というのは、胃腸などと違って、自覚症状がない。
自覚症状がある頃には、本格的に腎機能低下の可能性があるので
油断なりません。
だから、尿酸値を下げましょう、痛風なら
尿酸値に気をつけましょう、って言われるのですね。