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● 尿酸 汗
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「汗」というものは、体内の水分を排泄することによって、
体温の調節なども行う体液なのですが、なんか・・
体内の尿酸も汗に溶けてドンドン排出できるような
イメージがありますよね?
ところが、実際には
汗が体内の尿酸を排泄できる量はゼロです。
正確には、限りなくゼロに近い、ほぼ皆無です。
尿酸の体外への排泄経路としては、
尿に溶けて、体外にハイセツされるのが大半です。
3分の2以上が「尿」だと言われています。
名前も“尿酸”ですしね。
じゃあ、残りの3分の1は何?
残念ながら、汗ではなくて「便」です。
便と一緒に、尿酸も少し排泄されます。
夏は暑くて、汗をドンドンかく機会が多いので、
汗をかけばかくほど、尿酸がどんどん排出されて、
尿酸値がズンズン・・と下がっていけば
いいのですけどねえ?
実際には、その逆。
汗をかけば かくほど・・体内の水分が不足して、
血液中の尿酸の濃度が高くなります。
ってことは?
血中尿酸濃度が高くなる、ということは、つまり、
尿酸値が上がる、ということ。
夏場に痛風発作が多発するのは、そのあたりにも
理由があるのです。
それなら・・・
水分補給さえ、しっかりしておけば、
痛風、出ないんじゃないの?
別に「夏」という季節が
悪いわけじゃないんじゃないの?
暑いから、汗をかくから、水分不足になるから、
痛風発作が頻発するのだったら、じゃんじゃん、
水を飲めば大丈夫なのでは?
まあ、その通りですけどね。
夏場はシッカリと水分補給するってのは、
その通りなのですが。
ただ、水分だけの問題じゃなくて、
日本の四季、春夏秋冬で、春から夏にかけては、
気候の関係で、体内の血管が拡張するのですよ。
まあ、暑いから、なのですが。
逆に秋冬は、血管が収縮する傾向があります。
寒いと体も縮みあがりますからね。
春夏に血管が拡張すると、どうなるの?
血管が拡張すると、体内の血流が良くなって、
白血球が増加して、白血球による、体の大掃除が
始まりやすくなります。
この場合の、大掃除のゴミ、というのは、
体内に蓄積している、結晶化した尿酸のこと。
つまり、体のゴミ掃除とは痛風発作のことです。
痛風発作の、痛みと腫れと(患部の)発熱で、
沈着している尿酸結晶を溶かそう、とするわけですね、体が。
もちろん、体内にたくさん尿酸結晶が溜まっている人だけに
起こる現象です。
すなわち、長年、
尿酸値が高い状態の高尿酸血症の人、限定のイベントです。
ですから・・
たしかに夏場、汗をかきますし、体内は
水分不足になりやすいですし、
血液中の尿酸濃度も高くなりがちですが・・
水さえ飲んでりゃ、水を充分飲んでいれば、
決して痛風発作は起こりませんよ・・・
というわけでもない、のです。
まあ、体にとって、大掃除が必要だから、
痛風発作を起こすんでしょ。
尿酸結晶があまり溜まりすぎると、
いろいろヤバイですしね。
将来、腎臓とかも心配ですし。
だからって、来たなら来たで、
死ぬほど痛いですが。