2025年2月4日火曜日

「プリン体の多い食品の一覧表」の見えない落とし穴に気をつけて?

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● 今までの痛風食事療法はマチガイなの?

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最近、というか、ここ数年は、

やっと状況が変わってきたように思います。


つまり、今から20数年くらい前までは、

痛風改善法、痛風食事療法といえば、

「プリン体を多く含む食品」を徹底的に“食べないこと”でした。


今は、それほど、口うるさく言われません。


それは、体内で生成されるプリン体が80パーセントで、

食事から取り込まれることが要因であるプリン体が、

たった20パーセントに過ぎない、ということが

この数十年の間にだんだんと わかってきたからなのです。


この、体内で作られるプリン体、というのは、

細胞が新陳代謝のときに壊れるときにプリン体が作られる、

ということ。


そして、エネルギーに変換

(エネルギー代謝の過程で)されるときにも、

プリン体が増加します。


と、いうことは?

大半が(ほぼ8割)のプリン体が、食事由来じゃなくて、

体内で生成されるというのに、


『2割程度に過ぎない 食事制限をしても、仕方なかろう!』


・・・というのが、現在の痛風の食事療法の潮流です。


で。

毎回のことですが、やっぱり“お約束”ですので、

書いておきます↓


そんなことは、もっと早く言えよ!

20年前に言えよ!

長年、食べたいモノも食べずに

生きてきた人生をどうしてくれる!?

20年間を返せ!

(心の叫び)


てなワケで、最近の痛風事情というか、

昔ほど、プリン体を多く含む食品の節制のようなものは

特に しなくてもいいように思います。


ですが、2割とはいえ、

プリン体の多い食品を食べれば食べるほど

実際、体内のプリン体も増えるわけですので、

何の気兼ねもなく、バンバン食べまくっても良い、と

いうことでもありません。


少し、控えめにする、程度で良いのでは?


私は そのように思うのですが、

まだまだ、なんのなんの。


痛風といえば、「プリン体の多い食品の一覧表」を

探し求める人は後を絶ちません。


でもね。

実は、あの「プリン体の多く含む食品の一覧表」

には、見えない落とし穴があるのです。


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● 「プリン体の多い食品の一覧表」の落とし穴とは?

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たとえば、プリン体の含有量が多い食品の一つ、

とされている食品に「かつお節」があります。


そういう私も、

「プリン体の多い食品の一覧表」を真に受けて、

ゲッ・・鰹節は、プリン体が多いのか、

じゃあ、食べないようにしよう、と思ったクチです。


でもね。

この「プリン体の多い食品の一覧表」ってのは、

たいてい、食品100グラムあたりのプリン体含有量なのです。


かつお節、100グラムも食べますか?


同様に、プリン体を多く含む食品にレバーなどもありますが、

レバーなら100グラム以上食べても不思議じゃないです。


つまり・・食品同士の比較のための「一覧表」でありながら、

目安程度にしかならない、と私は思うのです。


そりゃあ、全然知らない状態から一覧表を見れば、

役に立ちますよ?

でも、鵜呑みのすべきじゃない、ということです。


カツオ節って、どうやって食べますか?


そのまま食べますか?

冷やっこに、かけて食べる?

焼きそば?

たこ焼き?


食べ方は人それぞれですが・・

毎日食べますか?


まあ、食べる人もいるかもしれませんが・・

食べても、たぶん、微量です。

プリン体うんぬん、そんなに気にしなくてもいいです。


むしろ、カツオ節はプリン体が多いから、と全く食べなくなり、

そのために、かつお節に含まれるビタミンやミネラルを

摂取できなくなっていることなんか、見過ごされています。


プリン体を多く含む食品を徹底的に制限しすぎて、

栄養失調になってしまった人が、世の中には

本当に いるのですよ。


食事制限しようと思っても、つい食べてしまい、

とても栄養失調になるまで節制のできなかった私からみれば、

その人は、なんて根性のある人だろう、と思います。


ですが、

世間の人は、たぶん、そうは考えないのじゃないか、と。


もしかしたら、

バカなヤツだなあ、と思うかもしれません。


痛風で苦しんで食事制限をした経験のない人からすれば、

大変なツライ思いでまでして、

栄養失調になってしまった人の気持ちなんて

絶対に わからないでしょう。


食事制限は大変です。

毎日、延々と続き、終わりが見えません。


精神的負担も大きく、そのこと自体が強いストレスになります。


ストレスは社会的に生きていく以上、

避けられない、仕方がないものかもしれませんが、

あえて、これ以上ストレスを

増やしていくこともないのでは ないでしょうか。


強いストレスは、体を交感神経優位にさせて、

体内で血管を収縮させて、血流を悪くさせる働きがあります。


内臓、特に腎臓でも血液不足になりやすく、

ということは、腎機能が一時的に低下して、すなわち

尿酸の排泄低下につながり、尿酸値も上昇しがち、となります。


ストレスは、痛風の大敵でもあるのです。


ところで。

なんで、その人が「栄養失調」になったか、わかりますか?


食べる量が必ずしも少なかったから、とは限りませんよ?


それは、ね。

食べる食品の種類が、とても

「かたよって」いたからなのです。


つまり、プリン体の多い食品は食べないようにして、

プリン体の少ない食品ばかりを食べていたからです。


いえ、実際に見たわけじゃないですけど、たぶん、

そうじゃないか、と。


粗食だから栄養失調になるとは、限らないかもしれませんよ。


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● 20年後の痛風食事療法を予測してみる

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今から20年前の痛風食事療法といえば、

徹底的に

「プリン体の多い食品を食べないようにする」でした。


そして、現在はどうなのか。


「なるべくプリン体の多い食品は食べないようにする」

程度です。


あまり、プリン体に関しては、昔ほど、

やかましく言われることは少ないでしょう。


では、20年後はどうなるのか?


何の科学的根拠も無い、単なる私の見解(偏見)ですが、

おそらく、次のようになるのでは ないでしょうか。


『プリン体の多い少ないは 気にせずに、

なんでも食べましょう』


・・これは別に、単なる自分の願望や希望的観測で

そんなことを書いているわけでもありません。


たとえば、前述のストレス対策ですが、

ストレスにはビタミンCとビタミンB1が充足していれば、

体がストレスに対抗できて、内臓などを守ることができます。


これは副腎が、ストレスを受けると

副腎皮質ホルモンを分泌して、体の機能を保護するためです。

その際に、副腎はビタミンCを消費します。


ですが、そもそも体の中にビタミンCが不足していたら、

副腎が活躍できません。


また、糖の分解に使われるビタミンB1は、

これが不足すると疲れやすくなったり、体がダルくなったり。


ところが、このビタミンB1を多く含む食品は、といえば、

豚肉、レバー、大豆製品など・・・


あっ。

これって、豚肉、レバー、大豆製品って・・・

プリン体の多い食品の代表的なモノじゃないの!?


そうなんですよ。

プリン体が多いから、といって、

ある特定の種類の食品を全く食べなくなると、

必要な栄養素が不足するようになります。


具体的には、ビタミンB1とビタミンCが不足して、

ストレスに弱い体になってしまいます。


そりゃあ、プリン体の多い食品は摂りすぎるより、

少なめのほうがいいでしょう。


でも、そのために犠牲になるモノも少なくない、ってこと。


・・・・・・・・・・。


子供の頃、言われませんでしたか?

好き嫌いをせずに、何でも食べましょうって。


あれは、なんでか?


つまり、まんべんなく、幅広く栄養素を摂取するためです。

好き嫌いが多いと、大きくなれませんよ、って。


現在、一般的に考えられている「痛風の食事療法」ってのは、

意図的に食事を制限することによって、

自分の体を「好き嫌いが多い」状態にしているワケです。


といっても、まあ、もう体が成長するワケでもないですけどね。


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● 痛風の食事療法って何?

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20年後のことより、今現在、痛風なんだけど、

食事は、どう気をつけたらいい?


「食べ過ぎないように気をつける」


肝心なことは、これだけです。


たとえば、いくらプリン体の少ない食品をチョイスしたところで、

そのプリン体の少ない食品をお腹イッパイ食べたら、

結果として、プリン体の摂取量は多くなります。


逆に、プリン体の多い食品を食べても、それが

少なめの量ならば。


トータルで考えると、それほどプリン体の量は

多くないかもしれません。


「野菜ばかり食べているのに、どうして尿酸値が上がるの?」


そんなふうに思う人もいるかもしれません。


たとえ、体に良いといわれている野菜でも、

お腹いっぱい食べていれば、尿酸は体内で

食事量に比例するように生成されてしまうのです。


痛風に良くないと考えられているカレーや

とんかつを少しだけ食べているほうが

案外、尿酸が作られる量は少ないかも?


まあ、程度によるので(体質など、個人差あり)

一概に言えませんが。


毎回、言うことではありますが、

『食品の「種類」より「量」に気をつける』

このほうが大切だと、私は考えています。


痛風だけど、カレーは食べてもいいのか?

焼肉は痛風に悪いのか?

ハンバーガーは痛風に良いか?

蟹は痛風に良くないのか?

痛風なら、とんかつ はダメなのか?


そんな心配してる痛風の人、いっぱい いるんです。

アレは食べちゃ駄目、これも食べちゃダメ。


目先のプリン体にばかりに こだわることによって、

必要な栄養素が不足するデメリットも

心に留めておいたほうがいいです。


痛風だからといって、20年前ならともかく、

今の世の中、何を食べても良いと思います。


ただし、腹八分目で。

過食に注意すること。


なんども同じことばかりですが、とても大切なことなので、

もう一度言いますね。


食品の「種類」より「量」に気をつける。

食べ過ぎないように「もうちょっと食べられるのになあ」

というくらいで止めておく。


プリン体の多い少ないよりも

「食べ過ぎ」こそ、痛風の大敵なのです。


痛風 人間の身体に不必要なことはおきない

「人間の身体に不必要なことは起きない」

・・って、そりゃあ、まあ、そうかもしれませんけど。


たとえば、癌。

ガンは東洋医学(日本では漢方医学)では、

以下のように考えられたりしています。


人間、年をとってきたりして免疫力が落ちてくる。

ところが、人間の体には毒素というか、

不要なもの、良くないものが入ってきたり、できたりする。


若くて免疫力の高いうちは、そんなもの、

跳ね返せるチカラがあるのですが、だんだん

年をとってくると免疫力が落ちてきて、

なかなか、そうもいかなくなってきます。


すると、人間の細胞の中に入り込んでしまったり、

できてしまった毒素、不純物を外へ押し出そうとする。


そのとき、できるのが癌細胞なのだそうで。


ですので、まあ、因果応報というか、

「人間の身体に不必要なことはおきない」といえば、

そうかもしれませんけど、

癌で命を落とす場合も多いですからね。

良いハズがありません。


痛風発作も、しかり。

痛風発作というものは、

体内の関節などに沈着してしまった尿酸結晶。

これをこれ以上、蓄積させないよう、

少しでも溶かそう、溶かそうとして

発症するのが痛風発作。


患部は激痛を伴いますが、

同時に腫れ上がり、触ると発熱しているのが

わかります。


このままじゃ、沈着しきれなくなった尿酸結晶が

内臓にまで沈着しかねないので、

なんとか体を守るため、溶かすために起こるのが

痛風発作。


人間の体を一個の生命体と考えると、

確かに、痛風発作は体にとって必要なものなのかも

しれませんが・・・・

あの激痛。

一生涯、忘れられないような、身を削るような苦痛。


「人間の身体に不必要なことは起きない」

・・・なんて、言われましても。


で、物事の結果には、すべて原因がある。


そのことから考えると、

どうして痛風になったのか。


最大の原因は、体質(遺伝)。

痛風になりやすい痛風体質に生まれたから。


あと、食生活、運動不足、強いストレス・・

いろいろありますが、複合的な要因が

重なり合って、痛風に罹病する、

という結果になっています。


遺伝と言われてしまうと、人間は

自分の出生は選べないので、

絶望的な気持ちになりそうですが、

結果から考えて、その原因を

一つ一つ改善していくことができたら、

痛風そのものも改善できるような気もします。


痛風発作は苦闘の日々ですが、

こんなに痛いのは、もうコリゴリ・・と。


以後、食生活を含めて、体に気をつけるようになったら、

もっと大きな病気になるのを事前に防ぐことが

できるかもしれません。


まあ、そうなると、

「人間の身体に不必要なことは起きない」

・・と言えなくもないですが。


痛風 足首 横に寝ると痛む

痛風発作がどんなに痛くても、夜が来たら、

寝なきゃなりません。


いえ、痛風発作の痛みがあまりにも激痛で、

痛くて、とても眠れない・・というときも

確かにありますが、眠れないと次の日が大変です。

仕事もありますしね。


同じ痛風発作でも、発症したて(?)のとき、

痛みのピーク時(極期)、終息期・・とでは、

それぞれ痛みの強さは違います。


一番大変なのは、もちろん、痛みが頂点のとき、

つまり、極期なのですが、患部は赤黒く腫れあがり、

木槌で打ち砕かれたような痛みが

自分が呼吸するたびにジンジンずきずき、と響いてきます。


で。

布団で寝るにしろ、ベッドで寝るにしろ、

眠るカタチ(?)というか、向きというか、

どういう寝方をするかで痛みが違ったりします。


ジッとしていても痛いのが、痛風発作なのですけどね。


でも、少しでもマシな・・というか、

痛みの少ない寝方を模索する、という話なのです。


「横に寝ると“足首が”痛む」というのは、

寝方に問題があるわけじゃなく、元々、

(痛風発作が発症した患部なので) 

痛い場所が(その人は)足首だ、ということです。


当たるのですよ。


横に寝ると、足首が布団やシーツとか

いろんなものに擦れたり当たったりで。

ほんのちょっと、微妙に触れたりするだけでも

激痛なのです。


夜、眠るときって、

リラックスして落ち着いて、安らかな気持ちになるから

眠れるのであって、痛かったり、苦しかったりすると、

とても眠れやしません。


普段、眠るとき、

横向きに眠る人は、いつも横向け。

仰向けに眠る人は、いつも同じように

日によって、今日は 

うつぶせになってみたり・・とか

コロコロ寝方を変えている人は

少ないように思うのです。


ですが、痛風発作で痛いときは、

そんなことも言っていられません。

できるだけ、痛みの少ない方法で寝る方法を

考えないと。


たとえば・・・ふだん、

眠るとき、布団をかけて、

足を・・足首から先を自分が出して寝ているのか、

足首もすっぽり布団に入れて寝ているのか、

意識していますか?


気にも留めないでしょう。

足が痛くないときなんかは。


冬場と夏場じゃ、全然違いますが、

秋冬の季節ならば、布団をすっぽりかぶりますが、

布団の重さですら、足が当たっていると

激痛の源となるのです。


つまり、痛い足が布団の重量すら

支えられない、耐えられないのです。

とにかく、もう、どうしようもないんです。

痛くて。


基本は、できるだけ

痛い足が何かに当たらないように。

なるべく何かに触れないように。


足元に座布団とか、

そういうものを高く積み上げて、

痛い方の足を放り上げるようにして寝ると

(少しだけ)痛みがマシです。


これは心臓より、痛い足を高い位置に置くことによって、

血流を悪くして白血球があまり行かないように

させる効果があります。


白血球が関節などの患部に溜まりきれなくなって

剥がれ落ちた結晶化した尿酸を攻撃することで、

痛みの元となる物質を出すので、

(今だけ)あまり血流が良くならないようにするのです。


痛風発作のときに風呂に入って温まらないように、とか、

腫れあがっている患部は冷やすのか?

温めるのか? ・・の正解は「冷やす」というのは、

上記のような理由からです。


つまり、患部を温めてしまうと

血行が良くなってしまい、血の巡りが良くなってしまうのです。


本来、人間の血液というものは、

酸素と栄養分を全身に運び、かわりに老廃物を受け取ってくる、

という重要な働きがあるので、

血の巡りが良い、血行が良いというのは、

とてもとても大切なことです。


ですが、そんなこと言ってる場合じゃないです。

とりあえず、今だけでも、この激痛を乗り切らないと。


というわけで。

痛いときの寝方というのは、

実際に寝てみて、試行錯誤で、

できるだけ何かに当たらないよう、

痛くないようにするしかないです。


どんな寝方をしたところで、

痛いものは痛いです。


積み上げた何かの上に足を放り上げるようにして

寝たところで、少しマシになる程度です。

痛みが激減されるわけではありません。


結局、一番、効果があるのは、

痛み止めの薬(ロキソニン、ボルタレンなど)

かもしれませんね。


これらの、消炎鎮痛薬は、

痛風発作などの「急性の炎症」には効果があります。


ただし「慢性の痛み」にはあまり効果がありませんので、

副作用のことも考えて

(胃などが調子が悪くなる場合があります)、

痛風発作の痛みがある程度、治まってきたら、

これらの薬の服用は控えたほうが良いと思います。