痛風(高尿酸血症)の改善、といえば、
まず、まっさきに思い浮かぶのが
「食事療法」です。
なんか、いやですよねえ・・
え?
なんでかって?
ほら、食事療法といえば、
食べたいものを食べられない、あまり食べれない、
つらい、キビシイ、苦しい・・・
そんなイメージじゃないですか。
一昔の前の、痛風の食事療法といえば、
徹底的なプリン体を多く含む食品の制限でした。
いや、それは、もう、すごいものでした。
肉は食うな。
魚も食うな。
ビールは飲むな。
野菜を食え。
我々は、草食動物じゃないんです。
シマウマじゃないんです。
草ばっかり、食ってられますかって。
ですが、現在の痛風改善の指針は、以前とは
少し違ってきています。
食べる食品の品目の選別・・というより、
摂取総カロリーの制限に移行しています。
つまり、何を食べるか、よりも、
「食べ過ぎるな」と。
なんで、こんなに手のひらを返したように、
食事療法の指針がひっくり返るのか。
いや、ひっくり変えるというのは、
語弊があるかもしれませんが、
昔と言ってることが明らかに違うじゃないですか。
ま、それはともかくとして、
もう何を食べてもいいってコト?
もう何も食べたいものを我慢しなくてもいいってコト?
いや、そういうわけでもないんです。
話せば長くなるので、
かいつまんで要約すると。
痛風の要因となる尿酸ですが、
これは細胞中のプリン体が分解するときに
できる老廃物なのです。
これが「尿酸」。
ついでにいうと、この尿酸の、
血中濃度の割合の数字が「尿酸値」。
で、このプリン体は、
食事からの摂取が20パーセント。
体内で生成されるものが80パーセント。
なんだ、
体内で生産されるのがほとんどじゃないですか?
今まで、私が長年、食べたいものを我慢してきたのは、
なんだったの?
カレーライス食べたいのに、我慢してきたのは
ナンだったの?
近年、これらの研究成果が明確になってきて
(20年前に教えてくれよ)、
あまり、プリン体の制限は重視されなくなってきました。
ですが、20パーセントしか影響がないから、といって、
食べたいものをバンバン摂取していると、
痛風のリスクが高まることに違いはないです。
ただ、一昔前と違うところは、
食べたいもの(プリン体を多く含む食品、肉など)を全く
食べてはいけない、のじゃなくて、
「食べ過ぎない」つまり、摂取カロリーを制限する方向に
なってきています。
これは、ひいては、他の生活習慣病を予防する、
肥満も防止する、などの好影響を及ぼします。
とにかく、肥満(内臓脂肪の増加)は、
尿酸値を上げてしまうのです。
これも数十年前には、まったく、
こんなことは言われていませんでした
(20年前に教えてくれよ)。
昔はともかく、現在の
「痛風改善の食事療法のキモ」とは何か?
●食べ過ぎない(お腹いっぱい食べない)
●プリン体・塩分・脂質(主に肉類)を少なめに
●野菜・海藻を多めに摂る
・・・と、まあ、こんな感じです。
でも、これって。
なんか、シマウマに近づけ。
って言われているような気もするんですけど。
で、ここで疑問をひとつ。
「食べ過ぎない」と「野菜を多めに摂る」
ってのがあるけど、野菜をお腹いっぱい、満腹まで食べたら、
どうなるのか?
体に良い野菜だから、いくら食べても大丈夫?
痛風体質の人には、とにかく、
「お腹いっぱい食べる」というのが良くないです。
たとえ、野菜であろうと。
海藻であろうと。
「野菜を満腹まで食べる」のと
「肉を少し食べる」のでは、
「肉を少し食べる」方がずっとマシです。
何を食べるかより、腹八分目。
できる人は、腹六分目。
腹四分目にしてしまうと、反動で
いつかドカ食いをしてしまうので、あまり
おススメできませんが。