アルコールは痛風の危険因子の中の一つです。
今は大丈夫という人でも、お酒を過剰に摂取していると
いずれは・・・という感じ。
ほどほどにお酒を飲むようにしてくださいね。
ところで、お酒の種類ごとにプリン体の量を見てみると、
かなりその数値に違いが見られます。
プリン体は体内に入ると肝臓で尿酸に分解されます。
この尿酸が体内で多く溜まってくると結晶化してしまい、
痛風の症状を引き起こします。
このプリン体の量を種類ごとに比較してみると、
100ml当たり10㎎を超えるようなビールから
0.1㎎のウイスキー、0.03㎎という焼酎など、
さまざまな種類があります。
ビールはプリン体が高いので痛風に良くないことは
広く知られるようになりましたが、
上の数値を見てみると焼酎やウイスキーは
飲んでもいいのではないか、と感じる人もいるかも。
基本的に蒸留酒は
プリン体の含有量の少ない傾向が見られます。
しかし基本的にプリン体の量に関係なく、
お酒は尿酸値を上昇させる働きがあります。
尿酸値の高めの人が
痛風の発作を起こさないようにするためには、
お酒は控えた方がいいわけです。
なぜプリン体の含有量にかかわらず
摂取を控えるべきといわれているかというと、
アルコールを摂取すると体内で
エタノールの代謝現象が起こるからです。
この中で、尿酸を尿に出させなくするような働きが
起きるといわれています。
一方で、お酒を飲んだ時にしょっちゅう
トイレに行く自覚はありませんか?
アルコールには利尿作用があるので、
トイレが近くなります。
ということは、尿を出すことによって、
体内の水分はどんどん失われてしまいます。
そうなると尿酸は出ない、水分は
なくなるということで尿酸が
どんどん凝縮されてしまうのです。
その結果、尿酸が結晶化しやすくなって、
痛風を発症しやすくなってしまうわけです。
実際データの中でも、プリン体があまり含まれていない
ウイスキーや焼酎を飲んでも
血清尿酸値は上昇しているという結果も出ています。
日本痛風・核酸代謝学会という所で、
高尿酸血症や痛風の治療ガイドラインを作成しています。
その中で、お酒の摂取量に関する
ガイドラインも作成しています。
その中で1日に摂取してもいい量は、
日本酒で1合、ビールであれば500ml、
ウイスキーであればダブルを1杯程度とする
と決められています。
しかも毎日摂取してはいけないと決められています。
週に少なくても2日以上、禁酒日を設けることと
決められています。
痛風対策をするのであれば、酒好きの人にとっては
厳しいかもしれませんが
お酒を控えることは必要不可欠だと思っておくべきです。
お酒はなかなかやめられませんし、
家族が注意してもやめられません。
自分で決意して実行するしかないです。