2022年12月16日金曜日

痛風 陰陽論

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● 全ての物事には陰と陽がある

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東洋医学では、物事の考え方として、

「すべてのものごとには陰と陽がある」と考えるようです。


いん?

よう?

何の話?


この、陰陽論は東洋医学の基本的な考え方の一つであって、

同じ出来事、物事であっても、

「悪いことばかりではなく、良い面もある。

また、良い面ばかりではなく、悪い面もある」

・・・ということです。


なんのこっちゃ、という感じですよね。


たとえば・・ええと。

リンゴを齧るとします。

シャリシャリして、おいしい林檎です。


ところが、リンゴをカジると、

歯茎から血が出てしまいました。

りんごを齧った歯形をみたら血がついていて、

イヤな感じです。


いわば、これが「陰」。


ですが、リンゴを齧ることによって、

自分の体の不調に気が付いて、

なんらかの治療をすることになりました。

で、結果的に症状が、

より悪化する前に対処できたのです。


これが「陽」。


林檎を齧るという同一の行動ですが、

モノの見方によって、

良い面も悪い面もあるということです。


という感じで、

すべてのモノゴトには、陰と陽がある、

という考えです。


まあ、陰と陽というより、そもそも、

リンゴを食べなきゃ、

歯茎から出血しなくても済んだのですが、

おいしい林檎も食べられませんしね。


虎穴に入らずんば虎子を得ず・・・あれ?

ちょっと違う?


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● 林檎を齧って歯茎から出血しても、歯槽膿漏とは限らない!

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それから、リンゴの話が出たついでにいうと、

一般的に

「ハグキから血がでると、歯槽膿漏」だと考えられています。


実は、もう20年ちかく前の話ですが、

私は林檎を齧ると、

いつも齧ったリンゴに血がついていた時期があって、

ああ、自分はきっと歯槽膿漏なんだろう、将来は

歯が全て抜けてしまうのかもしれない、

と不安いっぱいだったときがありました。


ところが。

同時期に、鍼灸(しんきゅう)治療に通うようになって、

鍼(ハリ)治療をしてもらううちに、

リンゴを齧っても、全く、血が出なくなったのです。


別に、これ。

歯茎の出血に効くツボ(そんなの、あるの?)に

鍼を打ってもらった、とかじゃないのですよ。


じゃあ、どういうことなの?


鍼灸治療というのは、鍼をツボに打つことによって、

血管を広げて全身の血流を良くする治療法なのです。

歯茎にも細い血管がたくさん流れていて、

私の場合、血流が悪くなっていただけ、というわけで。


本当に歯槽膿漏の場合もあるでしょうが、

林檎を齧って出血しているから、といって、

必ずしも歯槽膿漏ということではない、という話。


歯の話は、どうでもいいや。

そんなことより、やっと、痛風の話。

長い前ふり でしたが。


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● 痛風発作が出ないことは、本当に幸せか?

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全国に痛風で苦しんでいる人は、数百万人もいる、

ということですが、尿酸値が高くても、必ずしも、

痛風発作が出るとは限りません。


尿酸値が高い状態が続いている人を

「高尿酸血症」といいますが、

痛風発作が出ない限り、痛風とは診断されません。

ずっと高尿酸血症のまま、です。


何で、尿酸値が高くなってしまうのか?


それは、食生活の欧米化とか、いろいろ言われていますが、

体質・遺伝など個人差もあって、一概には言えません。


ストレス、運動不足、食生活、遺伝・・いっぱいあります。

薬の副作用、なんてものあります(利尿剤)。


ところが・・

痛風発作で苦しむ人が、食事を制限したり、

(したくないのに?)運動したり、ビールを我慢したり。

(飲む人は飲みます!)


節制というか、いわゆる生活習慣の改善という、

苦行のようなものを実践しているというのに、

尿酸値が高くても痛風発作が出ないタイプの人は、

平気でビールに焼肉、食べ放題、飲み放題です。

(というふうに見えます。ホントは、どうか知りません)


ですが!

痛風発作が出ないからといって、尿酸値が高いことには

変わりなく、つまり、容赦なく、体内では血液中に

溶けきれなくなった尿酸が結晶化している、ということです。


関節や腱などに静かに黙って、尿酸結晶が沈着し続けている、

ということです。


痛風発作が出るタイプの人のように、

ときどき、爆発して発作の腫れ、痛みともに生じる発熱で、

溜まった尿酸結晶を溶かす、という現象もありません。

体内の尿酸結晶は溜まる一方なのです。


ですが、自覚症状はありません。

自覚症状が出てきたときは、

かなり症状が悪化したとき、です。

ハッキリ言うと、

内臓が悪くなったとき、に気がつくと思います。


ここで、冒頭の、ものごとは「陰と陽」となるのですが。


痛風発作が出るということは、つらく苦しく、

そして惨めである、と思うかもしれません。


尿酸値が高くても痛風発作が出ないタイプの人は、

痛みや苦しむがなくて、ラクでしょう。


ところが、痛風発作で苦しむ人は

ときどき、痛風発作で尿酸結晶を溶かしますし、

そんなことより、痛いので、もうコリゴリだとばかりに

生活習慣を改善したり、食事に気をつけたり、

あるいは薬を飲んで尿酸値を下げたり、

なんらかの手を打とうと考えます。


人それぞれですが、たいていは

そうなのではないでしょうか。


ところが。

痛風発作が出ないタイプの人は、

痛くないので、(たぶん)生活習慣なんて

改善しません。

痛くないのですから。


世の中には尿酸値が高くても、

痛風発作が出ないタイプの人もいるのに、

自分は痛風発作が出る体質、だということは、

なんて損なんだろう、ツライ人生なんだろう、と

悲観的に考えガチですが、

ものごとには、すべて「良い面と悪い面」がある、

ということ。


世の中、そう、悪いことばかりでもない、

ということです。