痛風といえば、誰でも知っていますが、
高尿酸血症 (こうにょうさんけつしょう) といっても、
あまり知られていません。
高尿酸血症とは、尿酸値が高いのだけど、
痛風発作はまだ発症していない状態のこと。
具体的にいうと、尿酸値 7.0mg/dl以上で
痛風発作の経験ナシ、って感じです。
この状態で痛風発作が発症してしまうと、
即、痛風と診断されてしまうわけです。
まあ、言葉は悪いですが、高尿酸血症は
痛風予備軍と言えなくもないです。
ところが。
世の中には、高尿酸血症 (つまり、尿酸値が高い)
であるのにも関わらず、
ずっと痛風発作が出ない人もいるのです。
っていうか、そういうタイプの人の方が、
ずっと多いのだそうです。
う~ん・・なんで、同じように尿酸値が高いのに、
痛風発作が出る人と、出ない人がいるんでしょうかね?
私は「痛風発作が出る人」なので、
なんか羨ましいというか、
理不尽に感じるというか・・・ねえ?
ところが、高尿酸血症のまま、ず~っと
痛風発作の出ないタイプの人は、どうなのか、というと、
実は痛風の人と同じように、
血液中の尿酸が溢れてくると、
関節に結晶化した尿酸が沈着するのだそうです。
じゃあ、それって、痛風発作が出るじゃん!?
いや、それが出ないらしいのですよ、なぜだか。
でも、依然として、
尿酸結晶は体内の関節・腱などに
溜まり続けるのだそうです。
だって、尿酸値が高いんですから。
血液中に尿酸が溶ける、許容量を越えているのですから。
じゃあ、どうなるの?
どうなるのって、言われましても、
当人は痛風発作が出るわけじゃなし、全く、
自分が高尿酸血症であることに気がつきません。
会社で健康診断などがあれば、
数値にひっかかるでしょうが、自覚症状がなく、
痛くも痒くもないので、たいていの人は
放置なんじゃないでしょうか。
高尿酸血症で怖いのは、長年、放置することによる、
合併症の発症リスクです。
高尿酸血症が遠因で、糖尿病になったり、
(尿酸が付着するので) 血管が狭まって
心筋梗塞、脳梗塞を起こす危険度が増します。
痛風の人は、発作で痛くて泣きそうになりますが、
なんとか痛みから逃れようと、一生懸命、体に気をつけたり、
対策を考えたり善処しようとします。
高尿酸血症で痛風発作を起こさない人には
自覚症状すら、ありません。
おそらく、ネットで検索することすら、ないでしょう。
痛風発作で出るタイプの高尿酸血症の方が良い、
などというつもりは
サラサラありませんが、そういう意味では
発作がないのも良し悪しかもしれませんね。