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◆ 痛風発作がなくなったがしばらく親指が痛い
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痛風発作は、足の親指の付け根の関節に発症する・・
とは限りませんが、一番の好発部位ではあります。
痛風発作は、いつも同じような激痛ではありませんが、
それでも、だいたい強烈な痛みに襲われますね。
でも、何十年も痛風で苦しんでいると、
毎回の痛風発作は決して同じではなく、
「激烈な痛み」のときと「それほどでもない痛み」
のときがあるのです。
「激烈な痛み」のときと「それほどでもない痛み」
のときの違いは、モチロン、痛風発作が激痛が
続いているときの痛みの違いもありますけど、
痛みがある程度治まってきてからの“回復期間”
の長さが違うのです。
「激烈な痛み」のときは、回復も遅いです。
「それほどでもない痛み」ときは比較的、早めの回復です。
でね。
「それほどでもない痛み」ときは、それほどでも
ないのですが・・
「激烈な痛み」のときは、ね。
後遺症みたいなものが残りやすいのですよ。
後遺症といえば、なんか、語弊がありますが、
痛くないのに、痛い・・というか??
なんて言えばいいんでしょ。
痛みの“残りカス”が残っている・・みたいな。
明らかに痛風発作の強烈な痛みじゃないのだけど、
もう腫れもスッカリ引いていて、赤みもなくなっていて、
痛くないようなんだけど、なんとなく、痛い。
歩くと妙に痛い。
決して激痛じゃないんだけど、
もう痛風は治っているはずなのに、なぜか、まだ痛い。
微妙に痛い。
こんな状態。
で、これは何なのか。
というと、まだ、その痛い箇所に尿酸結晶が
溶け切れずに残っているのです。
尿酸値 7.0mg/dl以上で高尿酸血症と呼ばれますが、
なんで「尿酸値 7.0mg/dl以上」なのかというと、
それを超えると、尿酸が血液中に溶けなくなるから。
溶けなくなると、どうなるの?
→結晶化して、体内の関節などに蓄積します。
痛風というのは、体内に沈着した尿酸結晶が
溜まりきれなくなって剥がれ落ち、その
剥がれ落ちた尿酸結晶の破片を白血球が攻撃することが
キッカケとなって起こります。
その痛風発作の炎症には、意味があって、
あの痛みと腫れが起こる現象の裏側には「発熱」があるのです。
患部の発熱ね。
ほら、腫れて痛い場所、触ると熱いでしょ?
えっ?
触りたくもない?
その痛風発作の発熱に、何の意味があるかというと、
その発熱で蓄積している尿酸結晶を溶かしているのです。
熱で溶かしているのです。
これは体が自分のカラダを守るために、
体内の異物である尿酸結晶を発熱で溶かして、
体を早く正常な状態に戻そう、という作用なので。
そして、発熱で少しずつ溶かされて
尿酸結晶が小さくなってくると、
やがて、痛風発作は治まってきて終息に向かいます。
で、いつかは、どんなに痛い痛風発作も終わるわけで。
ところがね。
長年、痛風で苦しんでいるような人は、
尿酸値が高かった時代の履歴が長いので、
体内に蓄積している尿酸結晶の量も多いと考えられます。
だから、痛風発作がいったん終わってもね。
まだ、その痛かった箇所に
「尿酸結晶が(小さくなったけど)
まだ、少し残っている」のです。
これが後遺症・・というか、
痛風が終わったのに、まだ、
何となく痛いケースの「原因」。
そして、この痛風発作は尿酸値が高い限り、
終わることなく、繰り返されます。
そして、だんだん周期が短くなってきて、
一年中、痛風発作を繰り返す
(痛風発作の時期と寛解期を)人もいます。
根本治療としては、もう、尿酸値を下げる薬しか
ないかもしれませんね。
もちろん、いつの時代も痛風改善の基本は、
「生活習慣の改善」なのですが。
厳しい食事制限を強制しても、なかなか
できないでしょう。
ビール、やめられないでしょう。
フェブリクは40年ぶりに発売された痛風新薬で、
副作用が少なめで、それでいて、尿酸値を下げる効果は
大きい、と考えられています。
今の時代、昔と違って、痛風の良い薬がありますからね。
一昔前まで、フェブリクなんて、なかったですから。
「生活習慣の改善」だけでは
なかなか尿酸値が下げられないので、
投薬治療と生活習慣の改善を併用するのが、
近年の痛風治療の指針となっているようです。