血液検査の項目は、実に多岐にわたります。
その中に尿酸という項目があるはずです。
この尿酸 (尿酸値) は
痛風と密接な関係にあると思ってください。
尿酸値が基準値よりも高くなっているのであれば、
今は大丈夫であっても今後
痛風に罹患するリスクは高いと思うべきです。
尿酸値が高くなると、体の中で
尿酸が結晶化してしまう可能性も高まります。
この結晶が体に刺激を加えることで、
炎症を引き起こします。
そうすると、風にあたっても痛みが出るといわれる
あの痛風の激痛が起こるわけです。
尿酸値とは、血液中にどの程度の尿酸が
含まれているかを検査しています。
尿酸は血液中に溶け込んで、血液と一緒になって
体内を巡っています。
一定の量であれば問題ないのですが、
血液の中に溶け込める尿酸の量には限界があります。
血液中に尿酸が溶け込める限界濃度のことを、
尿酸飽和濃度といいます。
この尿酸飽和濃度は、7.0㎎/dlです。
ちなみにこの7.0㎎/dlを超える数値が
血液検査の結果出てくると、
異常値と判断されます。
7.0㎎を超える尿酸値が出てきたということは、
尿酸が一度血液の中に
溶け込めていないということになります。
この尿酸はどうなるかというと、
尿酸塩結晶という結晶になってしまいます。
尿酸塩結晶は、血液の中に漂うような感じになって、
関節の所に徐々に付着していきます。
尿酸塩結晶は、とげとげした針状の形状をしています。
もし関節の所にこのトゲトゲした尿酸塩結晶が
たくさん付着すると、激痛を伴う、
炎症の原因となるわけです。
これが痛風のあの激痛を引き起こすメカニズムです。
尿酸値検査の見方ですが、
血液検査の項目の「尿酸」という部分を
チェックしてください。
病院によっては「UA」とか「Ur」と
記載されているものもあります。
基準値の一般的な範囲は
男性の場合3.0~7.0㎎/dl、
女性の場合2.6~6.5㎎/dlとされています。
これ以上になると高尿酸血症と診断されます。
さらに男性の場合9.0㎎/dl、
女性で8.6㎎/dl以上の数値が出てくると痛風だけでなく、
合併症を引き起こす危険水域になります。
その他には男性で2.9㎎/dl、
女性で2.5㎎/dl以下の場合には、低値と診断されます。
ただし尿酸値が異常値を1回出しただけでは、即、
痛風と診断するのは難しいです。
というのも、個人の中でも0.5~1.5㎎/dlもの
変動が見られるからです。
異常値が出たとしても、それが慢性的に
正常値を超えた状態なのか、
一瞬だけ たまたま異常値の範囲に達してしまったのか
判断できないからです。
尿酸値の上昇を招く要因として、
長時間水分をほとんど飲まずに、
脱水症状に近い状態で採血を行った場合が挙げられます。
その他には食事前で、空腹時に採血を行った場合でも
尿酸値が疾患と関係なく上昇する可能性があります。
もし異常値が出た場合には、もう一度詳しく検査をして
高尿酸血症や痛風の可能性を探っていきます。
血液検査で、いろいろなことがわかるのですね。
定期的に (年一回でも) 検査に行くのが理想です。
本当は、半年に一回くらいが望ましいらしいですけどね。