2022年6月9日木曜日

痛風の数値 

血液検査の項目は、実に多岐にわたります。

その中に尿酸という項目があるはずです。


この尿酸 (尿酸値) は

痛風と密接な関係にあると思ってください。

尿酸値が基準値よりも高くなっているのであれば、

今は大丈夫であっても今後

痛風に罹患するリスクは高いと思うべきです。


尿酸値が高くなると、体の中で

尿酸が結晶化してしまう可能性も高まります。

この結晶が体に刺激を加えることで、

炎症を引き起こします。

そうすると、風にあたっても痛みが出るといわれる

あの痛風の激痛が起こるわけです。


尿酸値とは、血液中にどの程度の尿酸が

含まれているかを検査しています。

尿酸は血液中に溶け込んで、血液と一緒になって

体内を巡っています。

一定の量であれば問題ないのですが、

血液の中に溶け込める尿酸の量には限界があります。

血液中に尿酸が溶け込める限界濃度のことを、

尿酸飽和濃度といいます。

この尿酸飽和濃度は、7.0㎎/dlです。


ちなみにこの7.0㎎/dlを超える数値が

血液検査の結果出てくると、

異常値と判断されます。

7.0㎎を超える尿酸値が出てきたということは、

尿酸が一度血液の中に

溶け込めていないということになります。

この尿酸はどうなるかというと、

尿酸塩結晶という結晶になってしまいます。

尿酸塩結晶は、血液の中に漂うような感じになって、

関節の所に徐々に付着していきます。


尿酸塩結晶は、とげとげした針状の形状をしています。

もし関節の所にこのトゲトゲした尿酸塩結晶が

たくさん付着すると、激痛を伴う、

炎症の原因となるわけです。

これが痛風のあの激痛を引き起こすメカニズムです。


尿酸値検査の見方ですが、

血液検査の項目の「尿酸」という部分を

チェックしてください。

病院によっては「UA」とか「Ur」と

記載されているものもあります。


基準値の一般的な範囲は

男性の場合3.0~7.0㎎/dl、

女性の場合2.6~6.5㎎/dlとされています。

これ以上になると高尿酸血症と診断されます。

さらに男性の場合9.0㎎/dl、

女性で8.6㎎/dl以上の数値が出てくると痛風だけでなく、

合併症を引き起こす危険水域になります。

その他には男性で2.9㎎/dl、

女性で2.5㎎/dl以下の場合には、低値と診断されます。


ただし尿酸値が異常値を1回出しただけでは、即、

痛風と診断するのは難しいです。

というのも、個人の中でも0.5~1.5㎎/dlもの

変動が見られるからです。

異常値が出たとしても、それが慢性的に

正常値を超えた状態なのか、

一瞬だけ たまたま異常値の範囲に達してしまったのか

判断できないからです。


尿酸値の上昇を招く要因として、

長時間水分をほとんど飲まずに、

脱水症状に近い状態で採血を行った場合が挙げられます。

その他には食事前で、空腹時に採血を行った場合でも

尿酸値が疾患と関係なく上昇する可能性があります。


もし異常値が出た場合には、もう一度詳しく検査をして

高尿酸血症や痛風の可能性を探っていきます。


血液検査で、いろいろなことがわかるのですね。

定期的に (年一回でも) 検査に行くのが理想です。

本当は、半年に一回くらいが望ましいらしいですけどね。