風が吹くだけでも痛い、などと言われている痛風ですが、
本当に風が吹くような些細な刺激でも、
ズキズキと足が痛みます。
症状としては、急に足の親指の付け根の辺りが痛みだします。
ちなみに症状は、足に集中して現れる傾向が見られます。
足の親指が多いですが、そのほかにも
足の甲やアキレス腱の付け根の辺り、足関節、膝関節に
激痛を感じる人も多いです。
手の関節に痛みがあるという人も
時たま見られますが少数派です。
なぜ痛風は足に症状が多く現れるかというと、
原因物質が関係しています。
痛風は、プリン体を多く含む食料品を過剰に摂取した時に
発症しやすい症状。
プリン体を体内に取り込むと、肝臓で分解されます。
この時に尿酸という物質が分解する過程の中で発生します。
尿酸は普段血液中に溶けていて、尿などで排出されます。
ところが過剰に尿酸が血液の中に溶けだすと
尿の排出も追いつかなくなって、
すべてが血液中に溶けきらなくなってしまうことがあります。
そうなると尿酸は結晶化してしまって、
この結晶化した尿酸が関節に溜まりきらなくなって剥げ落ち、
その際に血液中の白血球がそれを異物と認識してしまい、
その攻撃時にできる物質が、激痛の元となるのです。
そして、結晶化した尿酸は、
体内の比較的体温の低い関節などに沈着していきます。
手足などの末端は(人によっては)
血流が良くない場合もあるので、
そういう箇所に溜まっていくことになります。
このため、足の関節に付着しやすいので
足に症状が出やすくなるわけです。
足の症状の現れ方ですが、万力で
締め付けられたような強烈な痛みがあります。
しかしこの激痛は、それほど長くは続きません。
痛風の発作は、3日程度続きます。
足を一切動かせなくなるくらい、
ひどい痛みが襲ってきますが、しかし
10日くらい我慢していると、今までの激痛は
何だったのかと思えるくらいに
まったく痛みを感じなくなります。
このため、痛みがなくなった、治った
と思い込んでしまう患者も多いです。
そのまま放置して、別に
生活習慣を改めないで放置していると、
半年から1年くらい経過したところで
また足に激痛が襲ってきます。
そして徐々にこの痛みの現れる間隔が
短くなっていきます。
最初の内は、足の親指のような特定の関節で
痛みを感じるだけだったのが、
ほかの関節に伝播して腫れや猛烈な痛みが襲ってきます。
それでもなお放置していると、
腎臓に悪影響が出てきてしまいます。
腎臓の本来尿を排出するという機能が低下してしまって、
尿毒症を引き起こす可能性もあるのです。
その他にも、糖尿病や高脂血症、高血圧などの病気を
合併して引き起こすリスクも高まります。
もし足に強烈な痛みを感じたというのであれば、
早めに専門の医療機関に行って、
適切な治療を受けるべきだと思ってください。
食生活が欧米化したことで、
患者の数も増えているので注意も必要です。
痛風というものは、激痛で苦しくツライものですが、
あれだけ痛いからこそ、体に気をつけよう、
生活習慣を改善しようと思うのかもしれませんね。
痛くなけりゃ、そんなことしませんから。