プリン体といわれてピンとくる人は、
痛風にかかった経験のある人が
多いのではありませんか?
痛風を語る上で切っても切り離せない存在が
プリン体です。
「プリン」体といわれると、お菓子のような
甘いイメージを持つ人もいるかもしれませんが、
あのお菓子のプリンとは当然のことながら
全く別物です。
DNAという、私たちの体の中にもある遺伝子を
構成している物質があります。
このDNAは4種類の塩基があります。
このうちの2種類の総称をプリン体といいます。
私たちを含め、植物や動物、あらゆる生き物に
存在しているものです。
生き物に含まれる物質なので、
私たちの普段食すほとんどの食品に含まれています。
このプリン体が体内に入ると、どうなるのでしょうか?
体内に入ると、肝臓で分解されます。
この時分解された結果、尿酸が生まれます。
余計な尿酸は、尿として体の外に排出されます。
つまり健康な人であれば、血液中の尿酸の濃度は
一定に保たれているはずなのです。
ところが例えばプリン体を多く含む食品を
大量に摂取してしまうと、
尿酸の生成が早くなって排出が追い付いていかなくなります。
そのほかにもストレスを過剰にためていると、尿酸が増えます。
プリン体の構成を見てみると、
アデノシン三リン酸という物質があります。
このアデノシン三リン酸は、
エネルギーを発生する働きがあります。
ストレスを過度に感じると、
このアデノシン三リン酸を急激に使用します。
その結果、どんどんプリン体が
尿酸に分解されてしまうので、尿酸の濃度が上昇します。
このような要因で、血中の尿酸値が高まってしまうと、
痛風を発症するリスクが高まるわけです。
痛風対策をするためには、まずは
プリン体をなるべく摂取しないことが大事です。
そうすれば、尿酸の生成量も少なくなり、
予防や症状改善が見込めるからです。
プリン体は、ほとんどの食品に含まれています。
一方で食品によって、含有量はまちまちです。
そこでプリン体を多く含む食品は、
なるべく食べないようにしてください。
プリン体の1日当たりの摂取量は、
400㎎を超えないようにすべきとされています。
鶏のレバーや白子、アジの干物、マイワシの干物、
あんきも、鰹節、煮干しなどは
プリン体が特に高い食材といわれています。
何せ100gあたり300㎎以上のプリン体を含む
と言われているからです。
痛風にかかっている人や健康診断などで
高尿酸血症と診断された人は、
なるべく上で紹介した食べ物は口にすべきではありません。
その他にも、豚や牛レバー、カツオ、メバル、
さんまの干物は、100gあたり200~300㎎なので高めです。
一方でプリン体の含有量の少ないものとして、
白米やチーズ、豆腐、もやし、キャベツ、ジャガイモ、
わかめといった食材が挙げられます。
これらの食材は100gあたり50㎎以下です。
動物性たんぱく質の多いものよりも
植物関係の食材を中心とした方が、
プリン体の摂取量を少なくできるわけです。
プリン体ってのは、食品でいうところの “旨味の元”です。
つまり、おいしいものには、プリン体がたっぷり
含まれている、という意地悪な現実。
「なにもかも、食べない」では寂しいですし、
なにより、栄養のバランスが かたよってしまいます。
おいしいものを少しだけ、いただくようにする。
これが痛風の食卓の基本だと思います。