2022年5月8日日曜日

アンセリンと腎臓

痛風は足の関節などに激痛をもたらす病気です。

痛風はその95%近くが

男性の患者によって占められる、

男性ならではの生活習慣病といえるかもしれません。


女性の場合、女性ホルモンの働きで

痛風を起こしにくいです。

閉経後は痛風になる可能性もありますが、

圧倒的に発症するのは男性です。


しかも痛風に苦しんでいる人の数は、

年々増加傾向にあります。

現在では予備軍まで含めると

100万人に達するのではないかとみられているほど。


痛風を発症してしまう原因は、

尿酸が体内で異常に増えすぎてしまうことが

関係しています。

通常 尿酸は血液に溶けているのですが、

異常に増えると溶けきれなくなって、

尿酸塩という固体に変化します。


この尿酸塩が足の指の関節などにくっつくと、

白血球が異物と認識して

攻撃・排除しようとするわけです。

この時白血球からは、炎症を引き起こす物質が

放出されます。

この炎症が引き金で、風にあたっても痛い

と言われるほどの激痛を引き起こすのです。


痛風対策をするためには、こまめに

尿酸値をモニターしておくことが重要です。

尿酸値が7㎎/dl以上になると高尿酸血症といって、

痛風発作の起きるリスクが高まると思ってください。


しかし痛風といわれると、

激しい痛みがあるのは怖いですが、

それほど深刻な病気ではない

という印象を持っている人もいるはずです。

しかし痛風やその予備軍である高尿酸血症は、

決して生易しい病気ではないと思うべきです。


高尿酸血症になると、尿酸が

いろいろな所に溜まりやすくなります。

関節に溜まって結晶化すれば、痛風を引き起こします。

その他にも尿酸が腎臓に溜まってしまうこともあります。

そうなると、痛風腎という症状を引き起こします。

この痛風腎となると、本来の腎臓の機能を

フルに発揮できなくなります。


その結果最悪、腎不全に陥る可能性も出てきます。

通常 尿酸は腎臓から尿で排泄されます。

しかし高尿酸血症の状態になると、

尿の中にも尿酸が溶けきらなくなる恐れがあります。


そうなると石になってしまって、

尿路結石を引き起こす恐れもあります。

このように痛風はただ激痛を伴う病気ではなく、

深刻な健康障害を引き起こす可能性があるのです。


痛風や高尿酸血症になってしまったら、

食事療法や薬物療法を中心とした治療が

実施されます。


薬物療法では、コルヒチンや

非ステロイド系の抗炎症薬を使って、

炎症と激痛を抑えていきます。

症状の治まったところで、

尿酸値を低くする薬を処方するのが普通です。


しかし痛風で使われる薬物の中には、

副作用を起こすような種類もあります。

そこで現在注目されているのが、アンセリンです。

アンセリンはアミノ酸の一種で、

カツオやマグロなどの回遊魚の筋肉の中

に多く含まれている成分です。


尿酸ができるのは、プリン体という物質を

体内で分解する過程の中です。

アンセリンにはプリン体を分解せずに

再利用する働きのある酵素を増やす効能があります。


このため、尿酸が産みだされにくい環境を

作り出します。

その他にも、尿酸の排泄が

スムーズになる働きもあります。


尿酸は先ほども紹介したように、

腎臓から尿として排泄されます。

ところが体内に極度の疲労などで

乳酸がたまってしまうと、

この尿酸を排泄する効率がダウンしてしまうのです。


アンセリンには、乳酸の代謝を進める酵素を

増やす効果もあります。

このため、尿酸を効率的に

排泄できるようになるわけです。

尿酸を作り出しにくくして、

体内に溜まっている尿酸を

どんどん排出していくので尿酸値を低くし、

痛風のリスクを低減できるようです。


実際アンセリンと痛風に関しては実験が行われて、

その効果は立証されています。

1日50mgアンセリンを摂取した患者は

2週間後には、尿酸値の数値の減少が

認められています。


痛風になったら病院で医師の診断を受けるのが

第一ですが、アンセリンを使った痛風対策、

というのも一つの方法かもしれません。