痛風は一度発症すると一生
付き合い続けなければならないと言われています。
それだけに予防が大事なわけですが、もし
なってしまった場合には
どのような治療法が行われるのでしょうか。
痛風の治療に関しては
薬物療法が行われるかどうかで大きな境目ができます。
痛風の原因といえばアルコールの飲みすぎなど
食生活の乱れがよく挙げられますが、
そのほかにも腎臓機能の低下など
さまざまな要因が関わってきます。
ですから薬物療法を受けるかどうかの基準は
綿密な検査によって判断されます。
一般的に食事療法をはじめとした
生活習慣の改善で下げることができる尿酸値は
1.0mg/dl程度と言われています。
そして尿酸値の正常値の上限が7.0mg/dlです。
そのため8.0mg/dlが
薬物療法を行うかどうかの目安となります。
この辺りは生活習慣がどの程度深く
原因に関わっているかで判断が異なってくるので、
医師とよく相談しておくことが大事です。
まず食生活。
ポイントは2つ。
プリン体が多い食事を控えることと、
摂取エネルギーそのものを減らすこと。
肥満気味の人や血糖値、血圧が高い人は
とくに摂取エネルギーの制限に注意する必要があります。
それからもちろんアルコールの摂取。
焼酎やブランデーといった蒸留酒は
プリン体の含有量が少ないため
痛風対策によいと言われますが、
アルコールそのものが体内で代謝される過程で
尿酸を作り出してしまいますから、
まず摂取量を減らすことが大事なのです。
ビールなら中ビン1本、ワインなら200ミリリットル程度、
ウイスキーは60mlなど、
目安となる1日の摂取量を踏まえたうえで
対策を行っていきましょう。
それから運動。
肥満の人は痛風になりやすいため、
適度な運動で肥満対策を行う必要があります。
ただ注意が必要なのはあくまで
「適度な」運動を行うこと。
急にハードな運動をすると
痛風の発作の原因となってしまうことがあります。
日ごろ運動不足の人が健康・ダイエット目的で
運動をする場合、どうしても早く結果を実感したくて
いきなりハードな運動をしてしまいがちですが、
最初はウォーキングなど軽い運動で
運動不足の解消からはじめていくようにしましょう。
検査の結果を踏まえた上で
その人に相応しい薬物が選択されます。
もっとも一般的に使用されているのがプロベネシド。
これは体内の尿酸を尿で排泄させるのを促す薬です。
それから体内で尿酸が過剰に作られるのを改善するために
アロプリノールが投与される場合もあります。
すでに症状がかなり進行してしまっている場合には、
痛み止めや炎症の緩和を目的に非ステロイド性消炎鎮痛薬や
抗炎症剤インドメタシンなどが投与されることもあります。
なお、降圧剤や利尿剤が原因で
痛風が発症することもあるため、
他の病気で薬物療法を受けている場合には
それを踏まえたうえで
投薬環境そのものを改める必要も出てくるので
注意したいところです。
痛風=薬物治療というイメージがありますが、
本当は生活習慣の改善こそが重要なんでしょうね。
薬物治療を行っている方も、並行して
生活習慣の改善も続けていただきたいです。