2022年5月16日月曜日

痛風腎とは

痛風とは体内に尿酸が蓄積してしまったことで

それが関節などに付着し、

結晶化してしまうことによって生じます。

その結晶に対する反応として炎症が起こり、

耐え難い痛みをもたらすのです。


この尿酸値が上昇する原因として

よく挙げられるのが食生活。

かつてはぜいたくな食生活を送っている人が

かかりやすい病気と言われていましたが、

現在では食べすぎ、つまり肥満やアルコールの過剰摂取が

大きな原因とされるようになっています。

つまり、尿酸を増やしやすい食生活を送っていることで

蓄積されやすくなっているというわけです。

しかし実際には原因はそれだけではありません。

体内の尿酸がうまく排出されないことで

蓄積が進んでしまう場合もあります。

つまり増えやすい、ではなく、

減りにくい状態になってしまっているわけです。


尿酸とは肝臓で作られ、

腎臓によって尿の形で排出されるものです。

体内の尿酸のうち80パーセントが腎臓を通して

尿で排出される形となります。

腎臓が非常に重要な役割を担っているわけですね。

そのため腎不全など腎臓機能が低下している場合にも

痛風が発症するリスクが高くなります。


そんな痛風と腎臓の密接な関係には

もうひとつ重要なポイントがあります。

それは体内の尿酸が腎臓に蓄積して

機能を低下させてしまうこともあることです。

腎臓の異常が痛風をもたらすだけでなく、

痛風が腎臓の異常をもたらしてしまうのです。

蓄積した尿酸の結晶は体内を遊離することになりますが、

それが腎臓に蓄積してしまうことで生じるのが痛風腎です。

いわば痛風の合併症です。

なお、腎臓だけでなく心臓など他の臓器にも

尿酸の結晶が付着することもあります。


ではこの痛風腎になってしまうと

どのような症状が見られるようになるのでしょうか。

まず当然腎臓の機能が低下します。

するとますます尿酸が体外に排出されにくくなり、

痛風そのものの症状が悪化してしまう恐れがあります。

しかも機能が低下した状態が続くと

慢性的な腎不全の状態に陥ってしまうリスクが高まります。

よく知られているように、腎臓は

一度機能が低下すると治療するのが非常に難しい器官です。

それだけに治療が長引き、

日常生活にさまざまな異常が生じます。


なお、腎臓の異常といえば尿タンパクを

連想する人も多いかもしれません。

糖尿病とのかかわりでよく言われます。

ただ痛風腎の場合は尿タンパクと深く関わる

糸球体に異常が生じることは少ないため

尿タンパクは普通は出ません。

もともと腎臓は異常が生じても

なかなか症状が現われにくい器官

といわれているだけにこの点も要注意です。


さらに痛風腎になると尿路結石が

できやすくなるのも厄介な点です。

痛風の症状だけでも激痛で耐え難いのに加えて

尿路結石の激痛のリスクも負わなければならないわけです。

そのため痛風腎の場合は尿酸値に加えて

尿のph(酸性値)もチェックしておく必要があります。

苦痛のダブルパンチに見舞われないためにも、

日ごろから痛風対策をしっかりと行いたいところです。


怖いですね、痛風腎。

いったん、腎機能が低下してしまうと、

なかなか、元に戻ることは困難なので、

今のうちに、今できることをやっておきたいですね。

なんとか、腎臓を悪くしないように、

尿酸値を下げるようにしたいです。