痛風は尿酸が関節に溜まる事で起こりますが、
それと似た症状で偽痛風と呼ばれる症状があります。
偽痛風では関節に溜まる物質が異なり、
ピロリン酸カルシウムの結晶が関節に溜まる事で
症状を引き起こします。
痛風と同じく、炎症や痛みを生じますが、
激痛と言われる痛風と比べると、
少し痛みとしては弱めになっています。
関節の痛みが長期的に続く事があるため、
リウマチと勘違いする方も多い病気です。
尿酸が体内での老廃物なのに対し、
ピロリン酸カルシウムは
体内での様々な細胞が活動の中で生じる
ピロリン酸という酸と、カルシウムが
結合してできる物質です。
年齢が高くなると生じやすいという性質があり、
関節の軟骨付近に生じる事が多いです。
そのため、これが軟骨の部分で結晶となり
沈着を起こす事で、偽痛風を引き起こします。
薬で結晶を取り除く方法は現代医学では見つかっておらず、
不明な部分が多い病気です。
ピロリン酸カルシウムが高齢の方に溜まりやすい事から、
偽痛風も痛風に比べて年齢の高い方に
起こりやすくなっています。
痛風は40代から50代の中高年の方に多いですが、
偽痛風は60歳から80歳程度の方でも起こる可能性があり、
かなり高齢の方でも起こる病気となっています。
起こる部位としては痛風と同じ膝や足などの他に、
手や肘、股などでも起こりやすくなっています。
基本的には関節部分に起こりやすくなっています。
また、性別の違いもあります。
痛風は男性の方に多くみられる症状ですが、
偽痛風は女性の方にも見られる症状です。
これは、プリン体を摂る量が
男性の方が圧倒的に多いのに対し、
ピロリン酸カルシウムは体内で合成される物質のため、
男性でも女性でも同程度の量が体内で作られるためです。
高齢の女性の方で痛風のような症状が見られる際は、
偽痛風を先に疑ってみた方が良いでしょう。
症状は膝が最も多くなっており、突然症状が起こります。
また、複数の部位で同時に起こる事もあります。
強い痛みがあり、炎症による腫れや赤みも、痛風と似ています。
痛みの程度としては痛風よりは軽いため、
安静にして引くのを待つ事ができます。
また、病院で治療して貰う事で、
発作の程度を和らげて貰う事もできます。
高齢の方にとっては、比較的
軽い痛みでも大きな負担となるため、
病院に行く事をお勧めします。
痛風と同様に
その他の病気を引き起こす可能性もあります。
関節痛が長引くと軟骨が損傷を受けて変形し、
慢性的に関節の痛みを感じるようになる事もあります。
病院で偽痛風による発作を止める事はできますが、
ダメージを受けた軟骨の修復をする事はできないため、
その痛みが残ってしまいます。
関節痛に効く薬などで対応していく事になります。
関節の軟骨部分にヒアルロン酸などを注入する事で、
痛みを和らげます。
また、非ステロイド系の薬を注射する事で行う事もあります。
痛風よりは軽度とは言え無視できない病気なので、
健康的な生活をして
体に大きな無理がないようにしていきましょう。