痛風は尿酸が体内に
蓄積されて起こる病気です。
体内の尿酸の量を数字で示す
尿酸(尿酸値)という値があり、
この値を下げる事が痛風の予防や治療に役立ちます。
あまり普段の生活には馴染みがない値ではありますが、
尿酸値は比較的簡単に知る事ができます。
一番一般的なのは健康診断です。
企業で行っている定期診断の結果として
尿酸値が示されている他、人間ドックや住民検診など、
自分から診断を受けに行く事でも知る事ができます。
尿酸や血清尿酸値という言葉で
体内の尿酸の量が表示されているので、
今後の健康管理の参考にしていきましょう。
尿酸値には基準値が設けられており、
7.0mg/dLという量までが正常な値となっています。
この値を超えると、尿酸値が高いとして
痛風を患う可能性が高まります。
尿酸値が高い状態を高尿酸血症と呼ぶ事もあります。
診断結果の表し方によっては、
男性はもう少し高めの値で、
女性は低めで記載がある場合がありますが、
基本は男女共に
7.0mg/dLを基準で考えた方が良いです。
7.0mg/dL以下では尿酸は結晶化せず
血液に溶け込んだ状態になっていますが
この値を超えると結晶化して、体の様々な部位で
沈着という現象を起こすようになります。
痛風もこの沈着が原因となっているため、
7.0mg/dLを上回らないように
気を付ける事がポイントです。
尿酸値が高くなると痛風の危険性もありますが、
もう一つの症状として起こりやすくなるのが
メタボリックシンドロームです。
最近はメタボと呼ばれて話題にもなっていますが、
これにも尿酸値が関係しています。
アメリカでは尿酸値と
メタボリックシンドロームの関係の研究が進められた結果、
尿酸値が高い事で発症の可能性が高まる事が
明らかにされました。
その他動脈硬化や心筋梗塞、高血圧なども
引き起こす要因となっており、
尿酸値は現代病と深い関係のある値と言えます。
また、尿酸値は低ければ良いのかというと、
そういう訳でもありません。
尿酸値が低くなると今度は腎障害や尿路結石といった
症状が起こりやすくなります。
尿酸は体内の老廃物ではありますが、常に
一定量が体内に存在している状態が正常な状態です。
バランスの取れた状態が理想という事を覚えておきましょう。
以前は全国的な尿酸値の平均値を計測した結果では、
中高年の方の値が高い傾向にあり、
痛風も中高年の方に多い病気とされていました。
ですが最近はその傾向が徐々に変化してきており、
30代から40代の比較的若めの方でも
尿酸値が高くなってきています。
そのため、痛風も中高年だけでなく、若年層の方でも
発症する病気として認知され始めています。
原因となっているのは生活習慣の変化です。
変化の激しい時代に突入しており、
仕事などで忙しく生活が不規則になりがちな方も
増えてきています。
その負担やダメージが体に現れてくるのが
30代を過ぎた頃です。
尿酸値も急に高まってくるため、毎日の生活で
なるべく規則正しい生活を心がけましょう。