日常の生活習慣がもたらす痛風の原因の中でも
最大のものとして挙げられるのがビールです。
お酒の中では比較的アルコール度数が低く、
料金も手頃ということもあって
お酒が好きな人にとっては最高の友となってくれるビール。
しかし、これが実は痛風の大きな敵となっている
というのです。
お酒の飲みすぎはよくない。
これはどんなお酒好きの人でも自覚しているものです。
ほとんどの人はできる限り節度を踏まえたうえで
お酒をたしなんでいることでしょう。
しかしお酒によって痛風に良い・悪いがあると意識している人は
ほとんどいないと思います。
ただ、飲むお酒によって痛風のリスクが
かなり異なってくると言います。
その要因はプリン体の含有量にあります。
プリン体はさまざまな飲食物に含まれていますが、
体内に取り入れられた後に
代謝される過程で尿酸を作り出します。
痛風とはこの尿酸が体内に蓄積し結晶化することで
生じるものですから、直接の原因ということになります。
痛風対策、尿酸値の調節のためには
できるだけプリン体の摂取量を減らすことが
まず求められるのです。
このプリン体はお酒の中にも含まれているのですが、
その種類によって含有量が驚くほど異なってきます。
そしてビールは
一般的に飲まれているアルコール飲料の中でも
もっとも含有量が多いのです。
100ミリリットルの用量に含まれるプリン体の
含有量で比較してみましょう。
具体的な数字はもちろん製品ごとに異なってきますが、
ビールは4.5~6.8ミリグラム程度。
これらが体内で
4.8~7.9ミリグラム程度の尿酸を作り出すと言います。
それに対して発泡酒は2.8~3.8ミリグラム程度、
尿酸にして3.2~4.4ミリグラム程度。
価格の点でメリットが大きかった発泡酒ですが、
痛風のリスクを軽減する点においてもメリットを
備えていることになります。
これらに比べて格段に少ないのが蒸留酒。
ウイスキーが0.12ミリグラム程度、
もっとも多いブランデーで0.3~0.4ミリグラム程度、
ワインが0.4ミリグラム程度、
もっとも少ないのが焼酎でアルコール度数25パーセントで
わずか0.03ミリグラム程度。
このように、プリン体の含有量だけを比較しても
ビールがいかに痛風のリスクを抱えた
アルコール飲料かが窺えるでしょう。
なお、現在人気を得ている地ビールの場合は
さらに含有量が高い傾向が見られます。
毎晩のビールが楽しみ、という人も多いでしょう。
職場の同僚や友人たちとの飲み会でももっぱらビールで乾杯、
という人も少なくないはずです。
そんな人は痛風のリスクを抱えた食生活を
送っていることになります。
尿酸値を正常の範囲内に保つためには、
ビール中瓶1本程度に抑えることが必要と言います。
それほど飲まない人にとっては十分抑えられる量でも、
好きな人にとっては少なすぎてお酒を楽しめない
と感じてしまうことでしょう。
その場合には発泡酒や蒸留酒に切り替えたり、
お酒を飲む日を減らしたりして尿酸値の調整を
日々の生活のなかで行っていくとよいでしょう。
ビールは人生の友、最大の楽しみの一つ、という人も
おられますからね。
お酒は楽しく、痛風に差しさわりのない程度に
ほんの少しだけ飲むようにしたいですね。
・・というわけにもいきませんが。
本当に好きな人にとっては。