痛風はできるだけ早く治療を受けることが大事です。
投薬治療など医療機関で受ける対策だけでなく、
食生活をはじめとした日常生活で行う対策も必須です。
しかるべき対策を行わないと
発作が何度も繰り返されるだけでなく、
その間隔が短くなったり、足指の付け根だけでなく
膝などにも起こったりすることもあります。
さらに何度も発作が繰り返されることで
その部分が炎症を起こして
関節炎を起こしてしまうこともあります。
それから、痛風の治療を怠ると
別の病気や症状が生じることもあります。
たとえば尿路結石。
これも激痛をもたらす症状でおなじみです。
ほかには腎障害や虚血性心疾患、そして
もっとも多いのが痛風結節です。
この痛風結節とは簡単に言えば尿酸の瘤です。
そもそも痛風のあの耐え難い激痛は
体外に排出されずに蓄積した尿酸が
関節や軟骨、皮膚組織、腱などに
付着することで生じるものです。
この尿酸がどんどん蓄積・沈着していくと
肉芽腫組織という瘤状のものが作られていくのです。
これが痛風結節です。
痛風結節の特徴は痛みがないこと。
痛風そのもののような激痛はありません。
ただし高尿酸血症を放置しておくと、
瘤はどんどん大きくなっていき
皮膚から膨れ上がった状態になります。
そうなると当然その部分の関節を
動かしにくくなるといった問題が起こります。
とくに足にできると靴が履きにくくなったり、
歩きにくくなったりしてしまいます。
さらにもっと恐ろしいのが関節へのダメージ。
痛風結節が大きくなっていくにつれて
関節が変形してしまったり、場合によっては
破壊されてしまったりすることもあります。
そうなると痛風の治療・対策だけでは
済まなくなってしまいます。
なお、痛風結節は
体温が低いところにできやすいといいます。
おもなところでは
痛風が起こりやすい足の親指の付け根のほか、
くるぶし、アキレス腱、さらに肘にもよくできます。
さらに意外なところでは
耳たぶにも発症するケースがあるようです。
痛風が発症してから
痛風結節ができるまでの期間は数年くらい。
かなりの間があるのも特徴で、その間
どれだけ適切な治療を行ってきたかが
発症するかどうかを決める鍵となります。
痛風結節を防ぐためにはやはり尿酸値を下げることが第一。
4.0~7.0mg/dlの正常値の範囲内に尿酸値を抑えることで
瘤を少しずつながら小さくしていくことができます。
通常、痛風結節は治療・対策を疎かにすると
なりやすいと言われています。
ですから逆に言えばしっかりとした治療・対策を行っていれば
発症するリスクは低いともいえるのです。
実際、痛風患者の中で痛風結節が起こるケースは
少数派と言われています。
食生活の改善や制限は辛いものですが、
症状がもっと深刻にならないためにも、
やはり我慢して続けていく必要があるでしょう。