痛風の症状と言えば、まず
足の親指に走る激痛を連想する人が多いと思います。
ある統計では初期症状の70パーセントが
この部分から生じるといわれています。
しかし他にも発症するケースはもちろんあります。
手はそんな痛風が生じる可能性がある部位のひとつです。
手に生じる痛風はおもに2ヶ所、手の指と手首です。
このうちより多いと言われているのが手首です。
どちらも日常生活で使用する部分ですから、
症状があらわれるようになると
日常生活に大きな支障をもたらすことになります。
そもそも痛風とは体内に蓄積した尿酸が結晶化し、
遊離したうえで体のさまざまな部位に
沈着してしまうことによって生じます。
尿酸が高い状態が長く続いた結果生じるもので、
足の指の付け根にできやすいのは
遊離した結晶が沈着しやすい部分だからです。
そのためそのほかにも腎臓や心臓など臓器にも
沈着して症状が見られることもあります。
手の症状もこのように尿酸が
蓄積・沈着した結果生じるものなのです。
ただ、足に比べると
手に生じるケースはごく稀と言われています。
そのため痛みを感じた場合には
他の症状も疑ってかかるべきでしょう。
手首の痛みの代表格としてはまず腱鞘炎が挙げられます。
痛みだけでなく手首のこわばりが見られるのも特徴です。
手首をよく使用する仕事、かつては
ミュージシャンによく見られる病気として
知られていましたが、現在ではパソコン作業のしすぎで
発症するケースが増えているといわれています。
痛風と同じく腫れが伴うのも特徴です。
手に生じる痛風では初期症状として起こるケースと、
症状が進行するとともに起こるケースが見られます。
冒頭にも挙げたように、初期症状の70パーセントが
足の指の付け根に起こるわけですが、逆に言えば
30パーセントが他の部位にできることになります。
手に生じる可能性も
ごくわずかながら考えなければなりません。
この場合厄介なのはいきなり激痛の発作が起こるのではなく、
初期段階ではそれほど痛みが伴わないまま始まって
少しずつ進行していくケースもあること。
腱鞘炎をはじめとする他の疾患と間違えてしまったり、
痛風は足の指にできるものだと思い込んでしまった結果
対策が遅れてしまったりといった恐れが出てくるのです。
一方、症状が進行していくにつれ生じる場合には、
その段階まで悪化させないことがもっとも大事です。
足指に生じた際に適切な対策さえ行っていれば
手にまで症状が進行する可能性が極めて低くなります。
その意味では手に生じた痛風は対策が不十分である
という証ともなるでしょう。
痛風が怖いのは、放置したり十分な対策が
行われなかったりして進行していくと、
痛風結節の原因になってしまうこと。
尿酸の瘤が神経を破壊することで
後遺症を残してしまう恐れもあります。
これが手指や手首に出来てしまうと
痛風が治った後も日常生活に大きな支障を
きたしてしまうことになるだけに注意したいところ。
珍しいケースなのでそれほど
神経質になる必要こそないものの、
油断せずに手に気になる症状が見られた場合には
医療機関の診察を受けるなど適切な対策を
行うよう心がけましょう。
結晶化した尿酸は、体内の比較的温度の低い関節などに
沈着しやすいといいますから、手や手指に痛風発作が出ても
不思議じゃないですし、実際に苦しんでいる方もおられます。
足は歩けなくなるので大変ですが、
手はモノが持てなくなるので、それはそれで大変です。
気をつけていきたいですね。