痛風は食生活、とりわけアルコールの摂取が
大きな要因と言われています。
かつては美食の人がなりやすい
「ぜいたく病」などとも言われていましたし、
現在では肥満や糖尿病と結びつけて
考えられることが多くなっています。
ただ、実際のところ痛風の原因は
まだはっきりとわかっていない面もあるようです。
「この人がどうして痛風にならないのか」と
疑問になるような食生活を送っている人もいますから。
食生活に関しては数ある痛風の原因のひとつ、
というのが現在の見解のようです。
痛風とは体内に尿酸が蓄積して結晶になって関節などに
付着してしまうことで生じる病気ですから、
尿酸を増やすような要因だけでなく、排出できずに
減らせないことも大きな問題となるのです。
この点をもう少し具体的に見てみると、
食生活の乱れやアルコールの過剰摂取など
食生活がもたらす原因は
全体の20~30パーセント程度と言われています。
意外なほど少ないんですね。
では残りの70~80パーセントはどうかと言いますと
健康上や体質的な問題。
体内で尿酸が過剰に作られてしまったり、排泄が
うまくできなくなってしまったりするからだと言います。
尿酸の正常値は7.0mg/dl以下と言われています。
高い人はできるだけこの数字の範囲内に
もってくる必要があるわけですが、
食事療法を頑張って行っても下げることができる数値は
1mg/dl程度と言われています。
対策の効果は得られるものの、すでに尿酸値が
かなり高い段階になってしまっている人には
抜本的な対策にはならない可能性が多いわけですね。
そのため医療機関では
薬物療法などの治療を行う目安は
9.0mg/dlに設定しているところが多いそうです。
では食習慣以外の痛風の原因について見てみると、
まず遺伝的要因があります。
つまり生まれつき痛風になりやすい人がいるわけです。
患者の約90パーセントが男性と言われていますから、
やはり性別の問題も含め、遺伝的な要素が大きいようです。
両親や親戚に痛風患者がいる人の方が発症のリスクが
高くなるデータもありますし、研究では高尿酸血症の原因
とも考えられている遺伝子の発見も見られています。
この点は今後の研究を待ちたいところですね。
他にはストレス。
ストレス社会に生きる現代人にとっては
非常に大きな要因と言われています。
糖尿病や高血圧など生活習慣病との関わりも
指摘されているストレスですが、
痛風とも関わっていると考えられています。
意外なところでは水分不足。
水分が不足すると尿の量が少なくなり、
尿酸が体外に排泄されにくくなります。
アルコールは飲みすぎると尿酸を増やしてしまうので
摂取量を減らすことが必要なんですが、水分は
逆に不足すると尿酸が増えてしまうわけです。
お茶や水などで尿酸を尿でしっかり排出できるだけの
水分摂取を心がけることが必要です。
他にも糖尿病や高脂血症、高血圧といった病気によって
引き起こされることもあるため、
食生活だけでなく生活習慣全般に注意して心身ともに
健康な状態を心がけたいところです。
「痛風の原因=プリン体」と思われがちですが、
それだけじゃなかったということですね。
遺伝と言われてしまえば、なんだかガッカリなのですが、
今、できることを少しずつやっていくしかないようです。