2022年5月18日水曜日

痛風の原因? 

痛風は食生活、とりわけアルコールの摂取が

大きな要因と言われています。

かつては美食の人がなりやすい

「ぜいたく病」などとも言われていましたし、

現在では肥満や糖尿病と結びつけて

考えられることが多くなっています。


ただ、実際のところ痛風の原因は

まだはっきりとわかっていない面もあるようです。

「この人がどうして痛風にならないのか」と

疑問になるような食生活を送っている人もいますから。


食生活に関しては数ある痛風の原因のひとつ、

というのが現在の見解のようです。

痛風とは体内に尿酸が蓄積して結晶になって関節などに

付着してしまうことで生じる病気ですから、

尿酸を増やすような要因だけでなく、排出できずに

減らせないことも大きな問題となるのです。


この点をもう少し具体的に見てみると、

食生活の乱れやアルコールの過剰摂取など

食生活がもたらす原因は

全体の20~30パーセント程度と言われています。

意外なほど少ないんですね。


では残りの70~80パーセントはどうかと言いますと

健康上や体質的な問題。

体内で尿酸が過剰に作られてしまったり、排泄が

うまくできなくなってしまったりするからだと言います。


尿酸の正常値は7.0mg/dl以下と言われています。

高い人はできるだけこの数字の範囲内に

もってくる必要があるわけですが、

食事療法を頑張って行っても下げることができる数値は

1mg/dl程度と言われています。

対策の効果は得られるものの、すでに尿酸値が

かなり高い段階になってしまっている人には

抜本的な対策にはならない可能性が多いわけですね。

そのため医療機関では

薬物療法などの治療を行う目安は

9.0mg/dlに設定しているところが多いそうです。


では食習慣以外の痛風の原因について見てみると、

まず遺伝的要因があります。

つまり生まれつき痛風になりやすい人がいるわけです。

患者の約90パーセントが男性と言われていますから、

やはり性別の問題も含め、遺伝的な要素が大きいようです。

両親や親戚に痛風患者がいる人の方が発症のリスクが

高くなるデータもありますし、研究では高尿酸血症の原因

とも考えられている遺伝子の発見も見られています。

この点は今後の研究を待ちたいところですね。


他にはストレス。

ストレス社会に生きる現代人にとっては

非常に大きな要因と言われています。

糖尿病や高血圧など生活習慣病との関わりも

指摘されているストレスですが、

痛風とも関わっていると考えられています。


意外なところでは水分不足。

水分が不足すると尿の量が少なくなり、

尿酸が体外に排泄されにくくなります。

アルコールは飲みすぎると尿酸を増やしてしまうので

摂取量を減らすことが必要なんですが、水分は

逆に不足すると尿酸が増えてしまうわけです。

お茶や水などで尿酸を尿でしっかり排出できるだけの

水分摂取を心がけることが必要です。


他にも糖尿病や高脂血症、高血圧といった病気によって

引き起こされることもあるため、

食生活だけでなく生活習慣全般に注意して心身ともに

健康な状態を心がけたいところです。


「痛風の原因=プリン体」と思われがちですが、

それだけじゃなかったということですね。

遺伝と言われてしまえば、なんだかガッカリなのですが、

今、できることを少しずつやっていくしかないようです。