痛風は風が吹くだけでも痛い、と表現されるように、
強い痛みが関節の所で発生するのが特徴です。
多くの人は足の親指の付け根の所に痛みを感じます。
とにかく激痛で、歩くことも立ち上がることすらも
できないほどの激痛だといわれています。
しばらく我慢していると、症状が治まることも多いです。
ただし症状が治まっても痛風が治ったわけではなく、
徐々に足首やひざ関節などでも痛みが起こり悪化していきます。
痛風は多くのケースで、生活習慣、とくに
食生活の乱れを原因としています。
痛風対策として重要なのは、
プリン体を多く含む食材を
あまり食べないように心がけることです。
プリン体ゼロのビールなども販売され、
プリン体という言葉を知っている人も多いでしょう。
プリン体とは、細胞核に含まれる成分のことです。
どの食材にも、多少なりともプリン体は含まれています。
このプリン体が体内に入ると分解されますが、
この分解の過程の中で発生するのが尿酸です。
通常尿酸は、尿として排泄されます。
ところがプリン体の多く含まれる食材を頻繁に摂取していると、
尿酸がどんどん体内に作られてしまって、
排せつするペースが追い付いていかなくなります。
このため、尿酸がどんどん体内に溜まってしまうのです。
そうなると、尿酸はいずれ結晶化してしまいます。
この結晶になった尿酸を白血球は異物とみなして攻撃をし、
炎症が起こります。
この炎症が激痛を伴う痛風の発作の元です。
つまり痛風対策をするためには、
尿酸値をいかに下げるかを考えていかないといけないわけです。
痛風対策では、まずプリン体を多く含む食材を
食べないように心がけることです。
プリン体は動物の内臓に多く含まれる傾向があります。
レバーや白子、アンコウの肝などには多く含まれていますので、
あまりこのような食材をたくさん食べないようにしてください。
その他に魚の干物も乾燥して中身が凝縮されるので、
プリン体の高くなる傾向が見受けられます。
高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインの中では、
1日400㎎を上限としてプリン体の摂取を制限すべし
とアドバイスしています。
ちなみにレバー75gを食べただけで、
200㎎を超えるプリン体を摂取してしまいます。
ここまでは、現在よりも
尿酸値を上げないようにするための対策です。
では高い尿酸値を下げるためにはどうすればいいのでしょうか?
そこで着目されているのが、アンセリンと呼ばれる成分です。
アンセリンはマグロやカツオなどの
回遊魚の筋肉に多く含まれるアミノ酸です。
マグロやカツオは泳ぎ続けないと
エラを動かせないので、死んでしまいます。
そこで筋肉が疲れないようにする工夫が求められます。
筋肉を疲れにくくする物質として、アンセリンが
関係しているのではないかといわれています。
そしてアンセリンには他にも、
尿酸値の抑制をする働きもあるとして
注目されているのです。
先ほども見たように、プリン体が
体内に入ると分解されて尿酸が生成されます。
ところがアンセリンが体内に入ると、
エネルギー代謝に再利用するためにプリン体を分解させない、
分解したプリン体を再合成する働きがあるといわれています。
プリン体が分解されないのであれば、
尿酸が生成されることもなく、
尿酸値を上昇するのを抑制してくれます。
しかもアンセリンには、尿酸の排出を
スムーズに促す効果も期待されています。
このようにアンセリンは、尿酸の産生と排出の両方に
働きかけを行う力を持っているので、
尿酸値低下の効果が期待できるのです。
アンセリンには他にも、
活性酸素を消去したり
血圧を降下させる働きもあるといわれています。
痛風対策だけでなく、健康な体に改善していくのに
高い期待が持てます。
アンセリン入りのサプリも販売されているので、
摂取してみるのもいいでしょう。