痛風とは、体内に溜まった尿酸が引き起こす関節炎です。
もっとも、関節炎といっても、アキレス腱などの“腱”や、
膝の裏などの“筋”にも炎症(痛風発作)は発症します。
さらに言うと、
耳たぶや肩などにも痛風発作は起こることもあるのですが、
まあ、長くなるので、その話は また今度。
ところで、(日本では)一般的に、
「風に当たっただけでも痛い」
と言われるほどの激痛を伴う病気であり、
成人男性に多いのが特徴です。
昔は、中高年がなる病気というイメージでしたが、
近年は、年代層の中心は、
30代、20代へと移行しつつあるようです。
それどころか、高校生、中学生でも尿酸値が高い、とか
ときどき聞きますしね。
さて、そんなことより。
痛風患者が恐怖としているのが痛風発作と呼ばれる痛みで、
歩行困難となる程の痛みがある日突然やってきます。
あ。
足に痛風発作が出たときの話です。
手指に出ても歩行困難にはなりません。
でも、日常生活の支障が出るのは同じですけどね。
で。
これは関節に溜まった尿酸の結晶が、たまりに溜まって、
あるとき、ついに溜まりきれなくなって、
剥がれ落ちることで起こる炎症が原因です。
通常、患部が赤黒く腫れあがり、触ると熱を帯びて、同時に
尋常ではない痛みを感じます。
っていうか、激痛です。
ハンマーで殴られても、こんなに痛くはないでしょう。
・・・ってハンマーで殴られた経験は、ありませんが。
痛風初期症状の場合、
10日ほどで炎症は治まり痛みもなくなりますが、その後
適切な治療を行わなければ痛風発作は何度でも襲ってきます。
また、放っておくと合併症を引き起こすこともあるため、
速やかに病院で治療を受けることが大切です。
・・・というふうに痛風の本には書かれています。
一般的に、病院での治療といっても、
尿酸値を下げる薬を飲め、と言われるだけですけどね。
副作用の心配も少しあるかもしれませんが、
一生飲み続けている限り、尿酸値は低い水準で安定するので、
悪くないかもしれません。
ところで。
痛風発作は特に下半身に発生し安いのが特徴で、
初めての発作は足の親指からという人が多くいます。
下半身というか、下肢ですね。
足の親指の付け根の関節、足の甲、アキレス腱、
かかと、くるぶし、足首、膝・・
などに多く発症するようです。
ただ、発作を繰り返すたびに範囲は広がり、
上半身など体のあちこちに症状が出てきます。
尿酸値が高いままの状態が長期に続くと、
結局、血液中に溶けきれない尿酸が結晶化するわけです。
そして、心臓から遠い、比較的体温の低い箇所(関節など)に
尿酸結晶は蓄積されていくのですが、
沈着するにしても、限界点というものがあるので、
溜まりきれなくなった尿酸結晶は、だんだん
膝から上へと上がってくる、ということです。
つまり、手指、肘、肩、耳たぶなどの上半身へも
痛風発作が出るようになる、ということ。
痛風発作が起こっている間は、
鎮痛剤や炎症止めなどでやり過ごしますが、
発作が終わると尿酸値を改善する治療を行います。
もちろん、薬だけに頼るのではなく
生活習慣を改善することが痛風発作の予防に大切です。
また、サプリメントを上手に使って
尿酸値をコントロールしていくという方法もあります。
サプリは薬の代わりにはなりませんが、
尿酸値改善の一助になってくれるかもしれません。
痛風改善に良いと言われているのが「クエン酸」です。
クエン酸?
クエン酸は、尿をアルカリ化して
スムーズに尿酸を体外に排出する、
という効果があると言われています。
尿の酸性度は食べ物によるものが多く、
痛風の人は肉類が好きで野菜類は苦手という傾向があるため、
「酸性尿」であることが多いといいます。
酸性尿のドコが悪いの?
大きなお世話でしょ!?
いや、酸性尿でも
ちっとも悪くないのですが、痛風の場合、
自分が困ることになるのです。
尿酸はアルカリ性に溶けやすいという性質を持っているため、
クエン酸で尿をアルカリ化することで尿酸を排出し、
尿酸値を下げる働きがあるのです。
おお、尿酸値を下げるのですか!?
クエン酸に、そんなパワーが?
病院でも
尿をアルカリ化する目的で「クエン酸塩」を処方しているので、
クエン酸に効果あることは十分伺えます。
クエン酸を含む食品を毎日の食事に取り入れるのも良いですが、
必要量を食事で補うのは難しいでしょう。
そのため、サプリメントでクエン酸を摂取しているという人も
珍しくありません。
疲労回復にも有効なので、一度
試してみてもいいかもしれません。
ビタミンCも痛風に良いと言われていますが、
ただ、ビタミンCは発症してしまった痛風の改善には
効果はあまり期待できないのではないかと言われています。
痛風の発症リスクを下げる効果は期待できますが、
発症してしまった人の尿酸値を下げるのには
向いていないようです。
ただし、痛風がまだ発症していない高尿酸血症の人には
効果が期待できるかもしれないので、
痛風を予防したいという人は、
クエン酸と併せて試してもいいかもしれません。
ビタミンC?
なんか説明が よくわかりにくいのですけど?
う~ん・・まあ、じゃあ、駆け足に行きます。
尿酸値を下げるには、尿酸を
体内であまり作らせないようにするか、
尿酸をたくさん体外に排泄できれば良い、ということです。
プリン体を多く含む食事の摂りすぎとか、
いろいろと取り沙汰されていますが、
尿酸の原材料とされるプリン体は、
体内での生成が80パーセント(食事からが20パーセント)
と言われているので、プリン体の生成を抑制することは
なかなか困難です。
いわゆる、痛風の薬(尿酸降下薬)は
肝臓の働きを抑制することによって、尿酸の生成を
抑える働きがあるのです。
尿酸というのは、プリン体が
肝臓で最終的に代謝された老廃物ですからね。
で。
じゃあ、他の方法は何か、というと、
尿酸のハイセツを促進させる方を何とかしよう、
ということ。
尿酸は“酸”ですから、アルカリによく溶ける。
っていうか、その前に
尿酸は大半が尿に溶けて排泄されるのです。
じゃあ、尿がアルカリ性ならば、
尿酸がよく溶けて、より多く
体外にハイセツできるのではないか、という話。
ところが、痛風の人は・・というか、
トンカツやカレー、焼肉、ハンバーガーなどが好きで、
野菜や海藻が苦手な人は、尿が酸性に傾きガチだ、と。
これがいわゆる、酸性尿というやつです。
で、酸性尿をアルカリ性に傾けるには、
クエン酸の効果が期待できますよ、と。
これが「クエン酸」の話。
あと、次が「ビタミンC」の話。
痛風になりやすい、いわゆる痛風体質の人は、
緊張しやすく、ストレスに弱い場合が多いようです。
ストレス?
ストレスは尿酸値を上げます。
強いストレスで、一発で痛風発作が出ることもあるくらいです。
家族が入院、とか。
友達が死んだ、とか。
明日、海外出張がある、とか。
なんで、ストレスが尿酸値を上げるの?
ストレスを受けると、体が交感神経優位といって、
緊張状態になるのです。
つまり・・体内では血管が収縮します。
そして、内臓でも血液不足が起こり、
腎臓で尿酸をろ過しなきゃならないのですが、
その働きが一時的に低下するのです。
つまり、尿酸の排泄量も減る、
ということは血中の尿酸濃度も高くなって、
結果として、尿酸値が上がってしまうということ。
で・・
ストレスを受けると、体は体内の機能を落とさないために、
副腎という臓器から、副腎皮質ホルモンという物質を分泌。
これが体を守ってくれるのですが、
この、副腎皮質ホルモンを分泌するためには、
副腎は「ビタミンC」を消費するのですよ。
ああ、やっと出てきてくれたのね、ビタミンC。
・・というわけで、ビタミンCが不足すると、
副腎皮質ホルモンの分泌が充分でなくなってしまい、
内臓の機能も低下。
そんな感じです。
ですので、ビタミンCで尿酸値が下がる、というよりも、
ビタミンCを充分に摂取することで、
尿酸の排泄するチカラ(あるいは、量)を落とさないようにする、
というほうが近いかもしれませんね。
あと、特に
喫煙する人は、ビタミンCが壊れやすいので、
意識的にビタミンCを摂取したほうがいいです。
サプリでもなんでもいいですから。
それから、尿酸値改善には、
クエン酸のほうが おススメかな?
両方飲むのが理想的ですが、
あまりサプリの種類が増えるのが好きじゃない人も
いるでしょうしね。
っていうか、お小遣いが減るし。
ただし、クエン酸には「掃除用」のもの
(風呂のヌメリや しつこい汚れがよく落ちるため)
もあるので、「食用」のものを選択してください。
間違えて、掃除用のモノを飲んだりしないでくださいね
(そんなヤツは いません)。