痛風の痛みは「発作」と呼ばれるほど急激かつ激烈なものです。
以前に起こったことのある人は、足がムズムズ・ピリピリする
などの前兆を感じることもあるでしょうが、
多くは突然起こります。
その痛みは靴どころか靴下も履けない、歩くなんて
とんでもない、というほどの激痛で。
通常、何もしなくても3日ほどで治まると言われていますが、
それほどの痛みに耐え続けるわけにもいきませんよね。
そこで病院に駆け込んだところ、痛風の診断を下された・・・
という人が大多数なのです。
痛風の原因は血液中の尿酸の量が増えすぎることです。
通常尿中に排泄される尿酸が過剰になると、
処理しきれずに体内に溜まっていくことになります。
この尿酸が結晶化し、関節に貯留されることで痛風の、
あの痛みが起こるのです。
男性の場合、尿酸値は
加齢によって高くなりやすいと言われています。
もともと正常値の上限が6.5mg/dl、
高尿酸血症と診断される値が7.0mg/dl以上と、
その幅が非常に狭いのです。
つまり誰にでも起こり得るということ。
生活習慣病の一つとされていますが、最近では
食事や生活スタイルの変化によるものか、30代にも
見られるようになってきています。
痛風と診断されても、急性期(発作が起こっている間)は、
すでに高尿酸血症の薬を飲んでいる人は別として、
投薬による治療を行わないのが普通です。
というのも、急性期に尿酸を下げる薬を投与すると、
かえって症状が悪化する可能性が高いからです。
発作が治まるまでの間は痛みどめでしのぎ、
寛解期(症状が落ち着いている状態)に入ってから
本格的な治療を開始することになります。
主に使われるのは尿酸の排泄を促す薬、そして
尿酸の生成を抑える薬です。
このため尿中の尿酸の濃度が高くなり、
結晶化して尿管結石を誘発することがあります。
これを防ぐために使われるのがクエン酸製剤。
クエン酸とナトリウムを合わせたもので、
尿をアルカリ化してくれます。
尿を中和して、PHのバランスを取ってくれる
と言えばわかりやすいでしょうか。
余分な尿酸を排出し、なおかつ結石のリスクを減らし、
尿酸の生成そのものを抑える・・・
これで痛風治療はバッチリ!という気がしますよね。
しかし、
痛風とその前段階である高尿酸血症は生活習慣病です。
日頃の生活そのものを改善しなければ
再発・慢性化の恐れがあります。
治療と合わせてぜひ見直してみてください。
「薬を飲み続けていれば良い」という安易な考えは禁物です。
自分の体の健康を維持するためにも、痛風をきっかけとして
少しずつでも改めるようにしましょう。
今や医療は治療から予防の時代へと移りつつあります。
何らかの症状があれば生活習慣を見直すようにしましょう。