人間は二本足で直立して歩くようにできているので、
一本足では歩けません。
ですが・・
いったん、痛風発作が発症してしまうと、
その痛みや腫れの酷さの程度は個人差こそあるものの、
歩行することすら困難になってしまう場合が多いです。
で。
やむなく、痛風発作のピーク時は、
家の中では四つん這いになって移動したりします。
移動といっても、トイレとか、ですが。
他人から見れば、情けない光景かもしれませんが、
この際、もうどうでもいいんですよ。
家の中ですし。
でも、この時期がいつまでも続くわけでもなく、
だんだんと痛風発作が終息に向かうと、四つ足から、
二本足へとようやく立ち上がれるようになります。
なんか、人間の進化みたいですね。
で、いきなり二本足で歩ければよいのですが、
まだ患部に痛みが残っていると、地に足をつけることすら
痛かったりします。
よって、やむなく、片足でピョンピョン跳びながら
移動することになります。
いわゆる、ケンケン、というやつです。
この片足で飛び跳ねながら移動する方法は、
とても歩いているとはいえませんが、
家の中で移動する程度なら、手っ取り早い方法です。
すぐに壁とか家具とかに、掴(つか)まったりできますしね。
ですが、これすら、本当に痛風発作の痛みの極期のときは
できません。
跳ぶときの振動が、激痛に変わるからです。
ですので、この片足で移動、
ということができる程度の痛みなら、まだマシな方なのです。
で、人間の進化とは、ちょっと道順が違いますが、
痛風発作の回復具合によって、だいたい
「四つ足歩行」→
「片足歩行(けんけん)」→
「二本足歩行」となります。
めざせ、二本足歩行、ということなのですが、
これが、いったん発症してしまった発作の腫れと痛みは、中々
回復しませんしね。
痛風発作というものは、そもそも
体内に蓄積した尿酸結晶を腫れと痛みを伴う発熱によって、
“溶かそうとする”働きによります。
よって、痛風発作の回復というのは、
尿酸結晶が発作の発熱で少しずつ溶けて、小さくなっていくと、
しだいに発作の腫れと痛みも終息に向かいます。
痛風発作の腫れと痛みが、なかなか回復しないというのは、
体内に蓄積した尿酸結晶の量が多い、と考えるのが妥当です。
で・・何日かは、仕方なく、
「片足歩行(けんけん)」での(家の中での)移動となるのですが・・
あ、そうそう。
一つ、気がついたことがあります。
そのとき、私は
痛いほうの足をかばって少し宙に浮かせながら、
もう一方の痛くない方の足で一本足立ちして、
顔を洗おうとしていました。
洗面所なのですが・・
顔を洗うにあたって目を閉じますよね。
で、片足立ちのまま、
顔を洗おうと目を閉じた途端・・・ぐらっ!
なぜか、急に体がグラつくのです。
え?
なんで?
慌てて目を開ける私。
すると。
途端に体は「平衡感覚」を取り戻します。
片足でも、立っていることくらいはできます。
だって、これは痛くない方の足ですからね。
えっ?
なんなの?
で、もう一度、目を閉じて顔を洗おうとすると
・・・ぐらっ!
やはり、目を閉じた途端に体がグラつくのです。
ああ、そうなのですか。
関係ないようで、人間の体というものは
あちこち、連携しているのですね。
そうですよ、どうやら人間は目を閉じていると
平衡感覚を失うようなんです。
目を閉じているだけで、あけているのとでは
こんなに違いが。
足が片一方痛いだけなのに、こんなに不自由。
やはり、人間、どこが痛くても不便です。
百歩譲って痛風発作が痛いのは仕方がないとして、
でも、せめて痛くても歩けたらいいんですけど、ねえ。