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◆ 痛風発作は忘れたころに やってくる
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コルヒチンは痛風の薬のなかでも、少し特殊というか、
他の痛風の薬とは違った性質があります。
ザイロリックやフェブリクが尿酸値を下げる薬、
ロキソニンやボルタレンが痛風発作の激痛を緩和させる、
消炎鎮痛剤(痛み止めの薬)なのに対して、
コルヒチンは痛風発作を起こさせずに封じ込める薬なのです。
それに、このコルヒチン(colchicine)の特徴としても、
の飲むタイミングが肝要であって、
痛風発作が今まさに、起こりそうなとき。
あるいは、痛風発作が起こった直後に「だけ」効果があって、
いったん痛風発作が発症してしまうと、どんなに
コルヒチンをガバ飲みしても全く効果がない・・
というもの、いっぷう変わった性質をもっている薬です。
しかも、痛風に「しか」効果がない薬なんです。
他に、そういうのって、そういう薬って
あまりないのではないか、と思います。
コルヒチンはユリ科のイヌサフランの種子や球根が原料で、
かなりキツイ薬では あります。
胃腸障害をはじめとして副作用も報告されていますので、
決して常用すべき薬ではありません。
って、痛風発作が発症しかけのときにしか、効果はないので、
長期服用しても、事実上、無意味です。
痛風発作の直前、痛風の予兆(痛風の前兆)のとき「のみ」
服用すべきであって、短期決戦用の薬です。
でも、本当は。
尿酸値が高くて、それも長い年月、尿酸値が高いままならば、
体内に、それなりの尿酸結晶が溜まっていることでしょう。
それが原因で痛風発作が起こるわけですから、
今回は、コルヒチンの威力で痛風発作を免れても、
近い将来、体内に尿酸結晶が残っている以上、また、必ず、
痛風発作は再発する、ということです。
コルヒチンは体内の尿酸結晶を溶かしたりしないですからね。
そういう意味では、コルヒチンは「先送りの薬」と
言えなくもないかも。
ただね。
いつ起こるのか わからないのが痛風発作。
どうしても起こってほしくないときってのが、
あると思うのです。
そりゃあ、いつだって痛風なんか、起こってほしくないですが。
それにね。
どうしても起こってほしくないときに限って、
痛風発作ってのは、起こりやすいのですよ。
理由はストレス。
起こってほしくないなあ・・っていうようなときは、
仕事上とか、あるいは
自分にとって重要なイベントがある、とかね。
強いストレスは尿酸値を上げるのですよ。
強いストレスが体を交感神経優位にさせるので、
血管が縮小気味になる。
血管が縮小すると血流が減って、腎臓への血液の供給も減少。
ってことは、腎臓の体外への排泄する尿量も減るので、
(尿は血液から作られるので)
尿酸の排出量も減る、ということ。
ってことは、血液中の尿酸濃度が必然的に上がってしまうので、
尿酸値もあがる、というわけで。
特にね。
これから、年末年始。
お正月がやってきます。
痛風発作が一番多く発症するのは、夏場です。
暑くて汗をかく夏ね。
でも、次に多いのが年末年始というデータもあります。
宴会が多かったり、おせち料理とか、
おいしいものをたくさん食べる機会が多いので、
食べ過ぎたり、暴飲暴食というか・・・
調子を崩すのでしょうね。
こんなときに出るのが、出てほしくない痛風発作。
お正月に痛風が出てしまうと、何も楽しくありません。
周囲の人まで巻き込んで、
一人が痛そうにツラそうにしていると、
楽しそうに出来ません。
こんなときにね。
コルヒチンを飲めば、痛風発作を回避できます。
本当は先送りに過ぎないので、
あまり積極的に飲む薬じゃないかもしれませんが、
どうしても、痛風発作が出てきてほしくないとき、ってのが
ありますからね。
それに、もし、痛風が出なくて、
飲む必要がなければ、それはそれでいいですしね。
つまり、安心感が得られるってことです。
いざという場合、急にはコルヒチンを調達するのは困難なので、
早い目にコルヒチンを常備しておくのも、一つの方法です。