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◆ 痛風改善のために歩く
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痛風改善法といえば、
「プリン体の多い食品の制限」が有名です。
いわゆる、食事療法というやつ。
痛風といえば、厳しい食事制限や節制、
というイメージがありますが、いえいえ、
「運動も重要」ですよ。
でも、ねえ・・
運動といっても、仕事が忙しくてジムに通う時間もないよ。
毎夜、仕事が終わってから1時間とか、
運動に割く時間なんか、ないよ。
いえ、そんな本格的な運動じゃなくてもいいんです。
お勧めの運動は「歩く」こと、です。
「歩く人」と「歩かない人」では、
長い年月の間に相当な差が出ます。
現代は車や電車があるので、一昔前の人に比べたら
歩く距離や時間は減っているのでは?
「歩く」ことが痛風改善法の一つだ、といっても
つまんないとか、軽くみる人も多いかもしれません。
歩くのに、お金もかかりませんし、
そもそも、費用がかからないものを
軽視する傾向があるのかも。
人間の体の中で「太腿の筋肉」と「ふくらはぎの筋肉」は
自分の財産なんです。
これは頭の片隅にでも覚えておいたほうがいいです。
人間の体の中で、筋肉量の70パーセント程度は、
下肢に集中しています。
筋肉、というと、腕の筋肉・・というイメージがありますが、
上半身の筋肉量は、下半身より遥かに少ないのが普通です。
(プロレスラーとかは、太腿みたいな腕をしていますが)
でね。
体の中で筋肉量が多いと、ジッとしていても
筋肉が熱量を消費する(いわゆる、基礎代謝)も多いので、
太りにくい体になります。
人間の体は、女性は皮下脂肪、男性は内臓脂肪として
余分な脂肪が蓄積されやすいので、若い頃は代謝が良いので
いいですが、中高年になってくると、だんだん
(体質にもよりますが)肥満傾向になってくる場合が多いです。
特に、尿酸値の高い、痛風になりやすい高吸収体質(痛風体質)
の人は、体が筋肉質であったり、油断していると
すぐに太ってしまう体質の人が多いようです。
で・・
内臓脂肪が増えてしまうと、内臓脂肪が
尿酸値をあげる原因となる
ホルモンのような物質を分泌するので、
内臓脂肪が増加すると、尿酸値が上がってしまうので。
食事や運動に気をつけて、いつも痩せているくらいの体形で
いればいいのですが、痛風の人で痩せている人は
少ないでしょう。
太っていなくても、痩せてもいない、という感じ。
気をつけていてもコレなのですから、ちょっと
おいしいものをいただきすぎたり、
ビールをいつも以上に飲んでしまうと、
気がつくと・・・内臓脂肪が!
なかなか、おいしいものを止めてしまうのは難しいです。
(食べるという行為が生存に繋がる本能のため)
食べたいモノを我慢!
飲みたいモノも我慢!
あまり我慢しすぎて、その「我慢」がストレスに
ならなきゃ、いいけど。
(強いストレスは尿酸値をあげるのです)
で・・
そこで、歩きましょう、となるのです。
歩くことはカロリーを消費するし、
肥満解消にもなるだけじゃなく、
他にもたくさんの効果・効用があるのですよ。
人間の体には血液が流れて巡っています。
血液は心臓からポンプのような働きで送り出され、
体の隅々まで「酸素と栄養分」を届けて、
その帰り道に「老廃物」を受け取って戻ってくるのです。
ところが、心臓の働きは、送り出すだけで、
血液を戻す働きはありません。
一方通行ってこと??
じゃあ、どうやって血液が心臓に戻るのかというと、
筋肉運動なんです。
「ふくらはぎは第2の心臓」とか言うでしょ?
歩くと、下肢の筋肉は発熱し、その発熱で
血液は温められて、そのときの筋肉運動で
血液は心臓へと送り出されます。
歩くことによって、運動することによって、
「酸素と栄養分」の配達と「老廃物」の処理が
スムーズに促進されます。
下半身の筋肉って、意外と重要なんですよ。
よく、下半身デブ(?)には
なりたくない、とか、ジーパンをはけなくなるから、
とか言って、脚が太くならないように
極力、脚を鍛えないようにしている人も稀にいますが、
外見的には良くても、健康的には駄目。
特に痛風の人は、全身の筋肉量を確保するために、
下半身の筋肉量の確保は必須。
さっき、歩くと筋肉が「発熱し・・・・うんぬん」が
ありましたが、『歩くと血液も温められる』のです。
痛風に関係のある尿酸ですが、
尿酸値 7.0mg/dl以上で血液中に溶けなくなります。
(これが高尿酸血症)
じゃあ、溶けなくなった尿酸はどうなるのか、
というと、結晶化して体内の関節などに
蓄積するようになって、
これが長年の間に痛風の原因になるのですが。
で。
痛風なんですから、なんとかして
尿酸値を下げたい。
少しでも尿酸値を下げたい。
じゃあ、どうするか・・ということですが、
「尿酸を体内で作り過ぎないようにする」か、
「尿酸の排泄を促進する」か、となってきます。
この「尿酸を体内で作り過ぎないようにする」の方は、
痛風になるような人は、持って生まれた
“生まれつきの体質”(いわゆる、痛風体質)
の要因が大きく
(東洋医学でいうところの先天の気)
なかなか・・ね。
難しいですよ、尿酸値を下げるのは。
厳しくツライ食事制限を何十年も続けてみるのも、
なかなか・・・難しいですよ。
実際に、やってみると そのことを痛感します。
ということで、
現在の痛風治療の主流は、
患者に厳しい食事制限を強いるよりも
尿酸値を下げる薬(尿酸降下薬)を飲むことが一般的。
フェブリクとか、ザイロリックのことですね。
特にフェブリクは、40年ぶりは
発売された痛風新薬ですので、
副作用が少なめで尿酸値を下げる効果は大きい、
と考えられてます。
それから、「尿酸の排泄を促進する」方ですが、
尿酸はね。
体温が高いほうが溶けやすいのですよ。
体温が高いほうが溶けやすい?
ほら、尿酸は体内の体温の低い部分で
結晶化しやすいでしょ?
人間の体内の体温は、全部同じじゃないです。
つまり、手先とか手足とは低体温になりやすいのですよ。
耳たぶ、とかもそうですが。
足先 (足の親指の付け根の関節、足の甲、アキレス腱、
かかと、くるぶし など) が痛風発作の好発部位なのは、
それは冷たい箇所だから。
人間の体は、内臓や脳を重視していて、
内臓や脳への血流を最優先しているのです。
つまり、手足などの末端は、二の次、という感じ。
だって、内臓や脳に
血液が巡らなくなった死んじゃいますが、
手足がどうこうなっても、簡単に死にはしませんからね。
で・・
尿酸の話。
尿酸は「体温37度で溶けやすくなる」のですよ。
体温37℃?
風邪ですか??
なかなか、普通の健康な状態では37度には
なりにくいですが、歩くことによって
(一時的ですが) 体温を (多少は)
あげることが可能です。
だから、歩きましょう、と。
痛風の人はね。
ドッチかというと、低体温の人が多いらしいですから、
歩くことで (積み重ねですが)
低体温から脱出しましょう、という話。
低体温の人はね。
体内の筋肉量が少ない人が多いです。
高齢者は、低体温の人が多いでしょ?
筋肉は年々、減少しますからね。
しっかり歩いて、下半身の筋肉をしっかり確保して、
体温をあげましょう、ということ。
まとめると、「歩くことの痛風の効果」は、
以下のような感じ。
●歩くと下半身の筋肉量が増えて太りにくい体に。
●歩くと血流が良くなり
「酸素と栄養分」の配達「老廃物」の処理がスムーズに。
●歩くと筋肉が発熱して体温が上がり、尿酸が溶けやすくなる。
●歩くと筋肉量と発熱量が増えて、低体温予防に。
あと、「尿酸の排泄を促進する」の話の続きですが、
尿をアルカリ性に傾ける、という方法もあります。
これは、何か・・というと。
尿酸は大半が尿と一緒に排泄されます。
「尿と一緒に・・」といっても、
“尿に溶けて”尿と一緒に排せつされるわけですが、
この尿酸が困ったことに「水に溶けにくい」
という性質があるので。
尿だって、水なんだから、
水に溶けにくい、とか言われましても、非常に困る。
でも、そういう性質なんだから、しょうがない、でも、
少しでも尿酸を尿に溶けやすくましょう、ということで、
尿をアルカリ性に傾けるわけです。
○尿酸はアルカリ性の尿には溶けやすい
○尿酸は酸性の尿には溶けにくい
・・・という性質を利用(?)するわけで。
で、このアルカリ尿、酸性尿というのは
何かというと、一般的に
「肉や魚ばかり食べている→酸性尿に傾く」
「野菜や海藻を多く食べる→アルカリ尿に傾く」
と言われてます。
つまり、ひらたく言えば、
肉や魚など、おいしいものを食べるのを極力減らして、
あまりおいしくない野菜や海藻をたっぷり食べろよ、と。
(野菜が大好きな人も、モチロンいます)
この「肉や魚を減らして野菜や海藻を食べろ」
というのは、大昔から言われ続けてきた、
「プリン体の多い食事を制限しましょう」という手法と
どこかシンクロしますね。
肉や魚ってのは、
プリン体が多い食事の王様みたいな感じでしたから。
実は、プリン体の多い食事を食べ過ぎることは、
結果として、尿の酸性化にも一役買っていた、わけで。
ダブルの意味で、プリン体の多い食品は
痛風の人には、あまり良くなかった、ということでしょうかね。
だから、といって!
1日、仕事を頑張って疲れて帰宅してきて、
お腹をすかして食卓に座ったら
「さあ、野菜と海藻だけ、
たっぷり食べてね」
とか言われましても。
明日から、頑張れません。
元気、出ません。
で・・・・
そんな人のために(?)
尿をアルカリ化する一助になるのが、クエン酸です。
クエン酸は尿をアルカリ化に傾ける働きがあるので。
クエン酸だけ飲んでいれば痛風対策は完璧!
というわけでもないでしょうが、
厳しい食事制限の長期継続は困難を伴いますし、
クエン酸が尿のアルカリ化の
大きな助けになるかもしれませんね。