2022年9月1日木曜日

痛風 汗 夏

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◆ 汗をかけば尿酸値は下がるのか

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夏になれば、毎日 暑いですから、

汗をかくのが当たり前です。


汗や尿、そして鼻水など、体外へと

排泄される水分には いろいろありますが、

それぞれに重要な役割があって、

特に汗には体温調節などの他、

余分な水分、体内の不要成分の排出など、

大切な役目を担っています。


で、痛風の人といえば、尿酸値が気になりますから、

ここで考えることは、汗をかけば

「汗と一緒に“尿酸”も

 体外に排せつ されるのでは ないのか」


・・・ところが、残念ながら、そうじゃなくて。


汗から、汗と一緒に排泄される尿酸は、

ほぼ「ゼロ」です。


尿酸は水に溶けにくい性質がある上、

大半が「尿と一緒に、尿に溶けて」排泄されます。


また、尿酸は便からも少しは排泄されます。


ですが、残念なことに汗からは、排泄されないのですよ。


う~ん・・・汗をかけば尿酸値が下がるのでしたら、

どんどん汗をかくのですが。

サウナも行きまくるのですが。

スポーツも頑張るのですが。


「汗からは尿酸が排泄されない」というだけでも

デメリットなのに、さらに夏には(痛風の人には)

マイナス面があります。


それは暑くて汗を多くかくので、

体内が水分不足気味になって、

血液中の尿酸の濃度が上がってしまうのです。


つまり、血中尿酸濃度が上がる、ということで、

その結果、どうなのか・・というと、

尿酸値が上がってしまう、という残念なことになります。


だから、

「痛風ならシッカリと水分を補給しましょう」

と言われているわけですね。


水分不足は、尿酸値が上がるだけでなく、

熱中症とかも心配ですから、小まめに

水分補給するのが良い、と考えられています。


それからね。

痛風発作というのは、1年のうちで

一番多い季節が夏なので。


これは暑いので体内が水分不足・・というのもありますが、

体が暑さゆえ、副交感神経優位となって、

体内の血管が拡張気味になるのです。


つまり・・

血管が広がるので、血流が良くなるのですね。


血液の流れが良くなるんだったら、健康に良いじゃん。


確かに、そうなのですが、

血流が良くなるだけでなく、同時に

白血球も活発化するので、長年、

尿酸値が高くて、体内に尿酸結晶がたくさん

溜まっている人は、白血球が増えることによって

痛風発作を起こしやすくなる傾向があります。


さらに、夏の汗で痛風が不利になる理由が、

まだ、あって。


暑さゆえ、ダラダラと大量の汗が流れ落ちることによって、

体内が水分不足になって・・・その結果ね。


尿が減るのですよ。

汗で水分が出てしまうのです。


ほら、夏場で暑いとき、トイレに行く回数が

減ったりしませんか?


ああ、面倒くさくなくて、いいや。

トイレに行かなくてもいいしね。


いえいえ、尿酸は大半が尿と一緒に

体外に排泄されるのですよ。

尿を出す回数が少なければ、

自然と尿の量も減るでしょう(1日トータルで)。


結局、1日あたりの尿酸排泄量も減るわけで、

尿酸の排出が減るということは、

血中尿酸濃度があがって尿酸値も上がる、ということ。


だから、しっかり水を飲んで、

小まめに水分補給して、トイレにも行かなきゃ。


実は、まだ、いろいろあって・・・

痛風の人には夏は鬼門ですね。


クーラーですよ。

どこへ行っても、空調が効いていて

過ごしやすいです。


程よい冷房は、嬉しい限りですが、

職場などで、長時間、冷えすぎる冷房の中にいると、

体が冷えてしまいます。


冷房で体調を崩す人って、身近にいませんか?

(特に女性に多い?)


体が冷えるということは、内臓も冷える、ということ。


内臓が冷えるとね。

内臓の機能が落ちるのですよ。


スポーツ選手でも、体が冷えてしまうと、

ベストのパフォーマンスを発揮できないでしょ?

内臓もね。

冷えると機能が落ちるのですよ。


内臓には、肝臓、腎臓、心臓、胃、大腸小腸・・・

ああ、重要なものばかり!


これらの臓器、五臓六腑が冷えてしまって

機能が落ちると、人間の生命活動として

マズイので、体は対策・対処しはじめます。


何をするのか。


体中の血液をね。

内臓に集めるのです。


冷えた内臓を温めて機能回復させるためにね。

血液は、温かいですから。


ところが、そのおかげで

内臓が温まるのはいいですが、人間の体内には

無限の血液があるわけでもなく、

内臓に集中的に集められてしまった血液は、

手足などの末端が、ないがしろに されてしまうのです。


まあ、手足などは血流が悪くなっても、

人間、死には しませんからね。

どうしても内臓重視で、手足などは二の次に。


で・・

血液量が少なくなった手足は「冷える」

ということ。


尿酸はね。

体内の冷たい部分に沈着するのです。

手足などの、心臓から遠い部分の関節とかね。


手足の“冷え”が促進されると、

尿酸が結晶化して蓄積しやすくなってしまい、

痛風の人にとっては、あまり ありがたくない結果に。


だから、夏だからといって、

あまり体を冷やしすぎないほうがいいです。


ついでにいうと、あまり冷たい飲み物、食べ物よりも

温かいものを食べる(飲む)ほうが

内臓の機能的には良いです。


でも、夏には冷たいモノがおいしいですからね。

難しいところではありますが。


で・・

どんなに部屋が涼しくても、一歩、外へ出たら、

うだるような暑さ。

汗が滝のように流れ落ちてしまいます。


これでは、いけない。

水分補給しなきゃ。


・・・と水をどんどん飲めば、また、

汗が、じわりじわりと流れ出て。


飲めば汗が出るし、でも、水は飲まなきゃいけないし。


夏に汗をかくのは自然なことですし、

水分補給さえ注意していれば、

そんな心配するようなことじゃないですよ。