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◆ 高尿酸血症 痛風 違い
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尿酸値が高い人 (尿酸値 7.0mg/dl以上) のことを
「高尿酸血症」といいますが、
高尿酸血症の人は必ず、痛風になるか、といえば、
そうとも限らないです。
「高尿酸血症=痛風」では、ない・・のです。
高尿酸血症になる人には、2通りのパターンがあって、
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[パターン その1]
高尿酸血症で痛風発作が (一度でも) 出た
→ 痛風 (同時に、高尿酸血症でもある)
[パターン その2]
高尿酸血症だけど、痛風発作が一度も出たことがない
→ 高尿酸血症 (痛風とは言われない)
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というわけで、
尿酸値が高いからこそ、高尿酸血症なのですが、
高尿酸血症だから、といって、必ずしも、
痛風になるわけでもないのです。
じゃあ、同じように尿酸値が高いのに、どうして
Aさんは痛風発作が出て苦しんでいるのに、
同じような水準の高い尿酸値のBさんは痛風が出ないのか。
これは、なぜだか、科学的に証明されておらず、
ただ単に「体質」と一言で片付けられているのが現状。
体質って、一言で言われましても、ねえ?
コッチは、いつも痛い思いをしているのに、片方では
涼しい顔ですか?
なんか、納得できない、というか、理不尽というか・・
ところが、現実には、
尿酸値が高いだけで痛風が出ない人 (高尿酸血症)は、
たくさんいるのです。
っていうか、そういうタイプの人の方が多いのです。
どれくらい、多いのか。
日本国内において、高尿酸血症は年々増加傾向なので、
いつの調査か、いつのデータかによって
正確な数字は違うのですが、成人男子のうち、
25パーセント以上が高尿酸血症なのだそうで。
さらに、30歳以上に限定すると、30パーセントにも!
いったい、日本中に、どのくらい
高尿酸血症の人がいるのか。
一説には、500万人以上・・ということなのですが、
500万人!
成人男子の25パーセント以上が高尿酸血症!?
こりゃあ、もう、右を向いても左を向いても、
高尿酸血症だらけ。
そこのアナタも、そちらのキミも、
みんな高尿酸血症かも!?
ところが、これだけ満ち溢れていて、もうすぐ
国民病とか言われてしまいそうな高尿酸血症ですが、
その中で、痛風を発症させてしまう人は
意外に少ないようです。
う~ん・・なんて不運なんでしょ?
同じ高尿酸血症でも、痛風になって苦しむ人もいれば、
痛風にならずに苦しまなくてもいい人もいるなんて!
でね。
ドッチがいいと思いますか。
つまり、尿酸値が高い高尿酸血症だけど、
痛風なんか出ない人。
あるいは、尿酸値が高い高尿酸血症だけど、
痛風になって痛風発作で苦しむ人、と。
そんなの決まってるでしょ!?
痛風じゃない方がいいに決まってるでしょ!?
まあ、苦痛の多い少ないで考えると、
圧倒的に「痛風じゃない」方がいいでしょう。
比べるまでもない、という感じ。
でもね。
本当に、そうなんでしょうか。
痛風が出る人も、痛風が出ない人も、
尿酸値が高い、ということは同じなんです。
尿酸は、水に溶けにくい、という性質があるので、
尿酸値 7.0mg/dl以上になると、血液中に溶けずに
結晶化してしまう、というのは、
痛風が出ようが出まいが同じ。
つまり、尿酸値が高ければ、結晶化した尿酸が
関節などに蓄積していく、ということ。
そして、数年。
あるいは、数十年。
知らないうちに、体内の関節など、いろいろな箇所に
じわりじわり、と尿酸結晶は蓄積していきます。
痛風が出るタイプの人は、体内に蓄積している尿酸結晶が
飽和状態になって、ついに爆発。
痛風発作を起こしてしまいます。
痛風発作は腫れて痛いですが、同時に患部が発熱していて、
その熱で沈着している尿酸結晶を
溶かそうとする作用があります。
そして、少しずつですが、その腫れて痛い箇所の尿酸結晶が
小さくなってくると、やがて、痛風発作は終息に向かいます。
でも、尿酸結晶が小さくなった、とはいえ、
その痛風発作の箇所だけですし、それに
尿酸値が高いままでしたら、また、さらに
新たな尿酸結晶が (違う場所にも)
蓄積し続けるんですけどね。
それでも、ときどき、リセットじゃないですけど、
少しでも尿酸結晶を溶かそうとする作用はあるのです。
痛風発作ってデメリットばかり、と思われていますが、
悪いことばかりでもない、ということ。
(でも、ものすごい激痛ですが)
さらに、この「痛い」ということが、
当人の反省を喚起します。
(反省しない人もいますが)
ああ、こんなことじゃ駄目だ。
体に、健康に、もっと気をつけなきゃ。
ビールも減らそう。
運動もしよう。
甘いものを控えよう。
肉とかプリン体の多い食品を少なめにしよう。
睡眠も充分、とろう。
ストレスは (難しいけど) なるべく
溜めないようにしよう。
いわゆる、生活習慣の改善ってヤツです。
痛風治療法は昔と比べて大きく変わってきていますが、
今も昔も変わらないのは、痛風改善法の基本は、
「生活習慣の改善」ってこと。
たしかに、今は
フェブリク (尿酸降下薬の痛風新薬) のような、
いい薬も出ていますが、
まず、自分で自分の体に気をつけるのが大切ですから。
一方、高尿酸血症だけど、痛風が出ない体質の人は、
どうなのか。
どう違うか、というと、そういう人は、
痛くないわけです。
痛風発作が出ないのですから。
じゃあ・・どういう行動を取るでしょうか。
ビールも減らしますか? 別に、足も痛くないのに。
運動、します?
甘いもの? なんで、控えるの?
肉とかプリン体の多い食品? おいしいじゃないの!
なんで、食べちゃいけないの?
睡眠?
ストレス?
そんなの関係ないでしょ。
だって、足も痛くないんですし。
痛風じゃないんですし。
それに、痛風発作が出ないわけですので、
ときどき痛風発作が出て、その痛風発作の発熱で
尿酸結晶を溶かして小さくする、なんてこともありません。
年々、尿酸結晶は蓄積していくばかり。
どうなるのか。
どうなるのかは、個人差があるので
(尿酸値も個々に大きく違う)
一概に言えませんが、腎臓に尿酸結晶が沈着して、
腎機能低下とかに、ならなきゃいいですけど。
痛風発作がなくても、長年のうちに
関節に尿酸結晶が溶けずに蓄積し続けるのは
痛風の人と同じですから、気がついたら、
膝とかが、だんだん膨れて、瘤 (こぶ) のようなものが
できてきて、ある日、突然。
膝の皮膚をブチ破って、何か
白いものが出てきた!
・・・・なんてことに、ならなきゃ、いいですけど。
ちなみに、この現象は「痛風結節」といいます。
瘤のように思えるのは、
尿酸結晶が溜まりすぎて膨れ上がってきたもので、
(触るとブヨブヨしていて、痛くありません)
皮膚をブチ破って出てきた “白いもの” ってのは、
尿酸結晶なんです。
つまり。
痛風の出ない人は、痛風発作という現象が起こらないだけで、
体内では、痛風が出る人と同じように、
「尿酸結晶が溜まり続けている」ってこと。
体質は、自分では選べませんが、
痛風が出ないから、といって、
「尿酸値が高いけど、痛風が出ないから安心」
というわけでもない、ということです。