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◆ コルヒチンは、痛風発作の薬ですが・・
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コルヒチン(colchicine)は、
なるべく飲まないほうが いいです。
でも、なるべく持っていたほうが いいです。
??
なんか、矛盾している みたいなんですけど。
コルヒチンというのは、痛風の薬です。
痛風の薬といっても、尿酸値が下がるわけでもなくて、
痛み止めの薬のように
消炎鎮痛作用があるわけでもなくて。
なんとなく、足などの患部が
ズキズキ、うずうず・・など
痛風の予兆があるときに飲むと、効果絶大!
なんと・・起こるハズだった痛風発作を発症させずに
封じ込める作用がある薬なのです。
これがコルヒチン。
これは、すごいよ!
痛風の人にとって、夢の薬だよ!
・・と思ったら、
ちゃんと落とし穴も用意してくれている。
まず、このコルヒチンという薬は、
「飲むタイミングが全て」なのです。
足などの患部が腫れあがり、
強烈な激痛が始まってしまうと、
慌ててコルヒチンを飲んでも、
もう何の効果もないのです。
いわゆる「手遅れ」というやつです。
あくまで、「痛風発作が起こる前」あるいは、
「今にも痛風発作が起こりそうなとき」に飲むと、
その効果は絶大なわけで。
激烈な痛風発作の痛みに、のたうちまわりながら、
慌てて、コルヒチンを飲んで飲んで飲み続けて・・・
これでもかと、コルヒチンを飲みに飲んで
「頼むから、効いてくれえ~~~ッ~~~~ッ!」
・・・と叫んだところで、全くの無駄です。
何の効果も ありゃしません。
そういう意味では、不思議な薬ですね、コルヒチンって。
痛風発作が始まる前でしたら、
「たった1錠」でも効果があります。
でも、その1錠も手元になければ
飲むこともできません。
あの強烈な痛風発作を封じ込めるくらいなのですから、
コルヒチンも強い薬です。
それは、わかっていたほうが いいです。
つまり、副作用がある可能性があること
(個人差があります)。
有名なのは、下痢などの胃腸障害。
これはコルヒチンを飲むと
同時に
「整腸剤」を飲むことで緩和されるのですが、
このことは、
あまり知られていません。
まあ、痛風発作が起こるかどうかの瀬戸際に、
整腸剤とか、胃への負担とか、そんなことを
考えてる余裕は ないかもね。
・・・・と、元来、コルヒチンは、きつい薬ですので、
なるべく飲む回数を減らすことが望ましいです。
お勧めは、痛風発作が起こりそうな予兆、前兆のときに
「コルヒチンを、1錠」。
二時間後に
「コルヒチンを、もう1錠」。
これで終わり。
もう、飲まない。
たいてい、これで大丈夫ですが、
タイミングが遅れたりして、
間に合わないときもあります。
つまり、痛風発作が出てしまう。
そのときは、ね。
もう、あきらめるんです。
だって、コルヒチンを
今から飲んでも無駄だから。
もう、痛風発作が出てしまったから。
出てしまった痛風発作を封じ込める力は、
コルヒチンには
ないから。
コルヒチンは、自動車保険に少し似ています。
車を運転する人は、
自動車保険に入らなきゃなりませんが、
事故なんか、滅多に起こしたりしないです。
一生涯、1度も
事故を起こさない人もいるかもしれません。
でも、だからといって、
自動車保険に入っていないのに運転すると、
何か、落ち着かない。
事故なんか、起こさないし、保険代は、無駄な
お金なように思えますが、何となく、
安心感があったりして。
それに比べて、痛風発作は
もっと頻発しますし、
いつ起こるか わかりません。
痛風発作は、ある日、突然 起こるのです。
それは自動車事故と同じ。
そして、起こってしまったら、どんなに後悔しても
もう、時間は元に戻りません。
痛風発作で苦しむしかないのです。
ですが、自動車事故と違うところは、
痛風発作が起こる直前にコルヒチンを飲めば、
痛風発作が封じ込めることができる、というところ。
そして、コルヒチンが手元にある、ということで
「万が一、痛風発作が起こっても大丈夫」という
安心感があります。
別に飲まなくても いいんです。
っていうか、本当は 飲まないほうが いいんです。
コルヒチンを飲むってことは、痛風発作が起こってる、
ってことですからね。
コルヒチンが手元にあること、自分の部屋にあること、
自分のカバンの中に、いつも入っていること。
たった、それだけのことですが、不思議な安心感があります。
そして、それは痛風の人にしか わからないことです。
「コルヒチンは、なるべく飲まないほうがいいです。
でも、なるべく持っていたほうがいいです」
・・ってのは、そういうことなんです。